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公開日 2021/04/01 18:48
アップルTIPS

アップル、iOS 14.5からSiri英語音声で「声の選択」を拡大。多様性を意識した改善実施

山本 敦
アップルがiPhone向けに提供する次期iOS 14.5の開発者ベータに、新しい機能を追加するアップデートが行われた。音声アシスタントのSiriを米国・英語に設定した場合、現在提供されている女性・男性の2種類以外に、2種類の新しいオプションの中から任意の音声が選べるようになる。

iPhoneやiPadなどアップルのデバイスで利用できる音声アシスタントSiri

アップデート後は、ユーザーがiOSをセットアップする際に、好みの音声により近いものを選択する。つまり、Siriは音声のデフォルト設定がない音声アシスタントになるということだ。

2021年4月現在、Siriは36か国・21の言語に対応しており、毎月約250億件以上の音声入力によるリクエストを処理しているという。Siriにより操作できる機能の対応状況は国や地域によって異なるが、言語によっては方言による音声入力も幅広くカバーする。音声コマンドの認識能力もまた日々改善が図られている。

現在日本語の場合は設定から女性・男性の声が選べる

Siriの音声は「ニューラルテキスト読み上げ」の技術を活用することによって、スムーズな発話を可能にしている。現在Siriの言語を日本語に設定した場合も同様に、ニューラルテキスト読み上げの技術により流ちょうな発話が可能だ。

アップルでは現在、同社のデバイスを使うすべてのユーザーが日々の暮らしの中で心地よく製品やサービスを利用できるように、ユーザーの多様性に目を向けて製品やサービスを開発、機能の使い勝手を改善することにも力を入れている。

音声アシスタントのSiriについては近年、世界の社会問題にも目を向けながら「Black Lives Matter」や「Stop Asian Hate(アジア人差別反対)」、ジェンダーに基づく虐待的な発言について適切な応答を返すように機能をブラッシュアップしてきた。

また障がいを持つユーザーがiPhoneなどのデバイスを活用できるように、OS画面の音声読み上げ、音声による操作入力などのアクセシビリティを高めるボイスコントロール機能の各種を提供している。

米国では新型コロナウイルス感染症に関して、Siriに検査拠点やワクチンの接種場所を聞くことができるほか、ユーザーがウイルス感染の症状について質問した場合にはSiriが米国疾病予防管理センター(CDC)のガイダンスなどをユーザーに案内する機能も整えてきた。

米Appleは「英語を話す皆様に向け2つの新しいSiriの声と、Siriをお使いになるユーザーがデバイスの設定時に好みの声を選べるオプションを導入したことを大変嬉しく思っています。このアップデートはAppleのDiversity & Inclusion(多様性)や、人々が暮らす世界をさらに反映した製品とサービスを設計するという長きにわたるコミットメントの延長線上にあります」として、次期iOS 14.5から追加される新機能についてコメントしている。

Siriの日本語音声についてもまた、今後のアップデートにより現在提供されている2種類の音声以外のオプションが加わってくるのか注目したい。

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