NAS初心者でも使いこなせた! UGREEN「NASync DH4300 Plus」は生活になじむ大容量ストレージ
杉浦みな子スマホで撮影した写真や動画が、保存容量を圧迫していく状況にどう対応するか――多くの人がクラウドに頼っていると思うが、基本的に容量は無制限ではないし、容量に応じた月額料金がかかる点もネックになる。かといってUSB接続のHDD/SSDなど外付けストレージでは、端末といっしょに持ち歩く必要があったり、クラウドに慣れているゆえ煩わしく感じる部分も。
そこで第3の選択肢となるのが、ネットワーク対応ストレージ「NAS(Network Attached Storage)」の構築だ。自宅に大容量ストレージを置き、ネットワーク経由でスマホやPCなど様々なデバイスからアクセスできる利便性は魅力的。ただ、初心者には導入が難しそうなのも事実で、筆者のように敬遠してきた人も多いだろう。
UGREENの「NASync DH4300 Plus」(以下、DH4300 Plus)は、まさにそんなNAS初心者に向けた入門モデルだ。少し前に本誌で紹介した上位モデル “NASync DXPシリーズ” よりも、さらに手軽なエントリーラインとして登場した本機。2025年10月4日(土)から10日(金)まで開催されるAmazonの「プライム感謝祭」、および10月12日(日)まで公式サイトで行われている「秋の大感謝セール」では、20%オフの対象にもなっている。
今回、NASにそれほど詳しくない筆者が実際に使ってみたところ、スマホのアプリから設定や操作が行える高いユーザビリティで、生活になじんでくれる1台だった。
分かりやすさ/使いやすさを突き詰めたUGREEN NAS「DH4300 Plus」
まずDH4300 Plusの基本スペックは、最大4台のストレージを追加できる4ベイ構成(3.5/2.5インチHDD対応)で、最大ストレージ容量は合計120TB(4×30TB)。
プロセッサーはA76+A55の8コア、RAMは8GBを内蔵していて、独自のOS「UGOS Pro」でスマホアプリまたはPCから、分かりやすく快適に操作できるというのが特徴のひとつになっている。
インターフェイスは2.5GbE対応LANポート×1、USB Type-A(USB3.2 Gen 1)×2、USB Type-C(USB3.2 Gen 1)×1、4K対応のHDMI 2.0出力を装備。価格は59,880円(税込)だ。
DXPシリーズの4ベイ中位モデル「DXP4800 Plus」(約10万円)や、6ベイの上位モデル「DXP6800 Pro」(約17万円)などと比べると、4ベイで6万円弱のDH4300 Plusが、入門機として手軽な価格を実現しているのがわかる。家庭用・個人用として気軽に選びやすい。
使いやすさ1:思ったより軽い&HDDの取り付けがシンプル
DH4300 Plusのシンプル&シックな外観は、リビングに置いてもなじむ。また、本体質量は1.6kg(HDDなしの状態)と思ったより軽い。これなら筆者のような女性でも苦労なく持ち運べて、設置場所も自由に変えられる。
さて、DH4300 Plusを使い始めるには、まず本体にHDD(別売)をセットする必要がある。初心者にとってはまずここがハードルになるわけだが、DH4300 Plusは天面カバーをパカッと取り外すだけで、トレイ部分を取り出せる。
トレイにHDDを取り付けるにはネジやドライバーが必要となるが、あらかじめ製品にネジだけでなくドライバーも付属しているので安心だ。手順としては、本体からトレイを取り出し、HDDをセットして左右3か所ずつ、合計6か所をネジ留め。それを本体に戻したら、また天面カバーをカポッと被せるだけ。説明書を見ながら簡単に取り付けられた。
使いやすさ2:スマホアプリが簡単明瞭! NFCタッチで迷わずスタート
続いて、初心者のハードルになるのが初期設定。しかしDH4300 Plusは、自分のNFC対応スマホを本体にNFCタッチするだけで、すぐにセットアップをスタートできる。
スマホをタッチすると専用アプリ「UGREEN NAS」のインストール画面にアクセスできるので、そのままインストールしてアプリを立ち上げる。すると、アプリ上にわかりやすい日本語説明文が表示されるので、それにならってセットアップを進めていけば良い。
ストレージモードの設定も簡単だ。つまり取り付けたHDDをどのように組み合わせて使うかの設定だが、NASに不慣れだと何を選べば良いのか分からないだろう。
その点アプリでは、データの読み書き速度を高めるか(=RAID 0)、大切なデータが破損しても復旧しやすくするか(=RAID 1、5、6、10)など、7種類の設定それぞれの特徴を日本語で表示してくれるので、どれが自分の使い方に合っているのか理解しやすい。
使いやすさ3:アプリから簡単アップロード&写真はAIで自動仕分け
セットアップが終わると、アプリ上でスマホ内のデータをシームレスにアップロードできるようになる。そう、このアプリはセットアップや設定、データのアップロード操作や管理を行い、データを閲覧・再生するプレーヤーとしても使えるのだ。そのユーザビリティの高さは、DH4300 Plusのメリットのひとつである。
また、アプリ内にある「アプリセンター」から専用ツールをインストールすることで、各種データの閲覧・再生がさらに快適に行えるようになる。写真の閲覧は「写真」、動画の再生は「シアター」、音楽ファイル再生は「音楽」といった感じ。これらのツール上で、保存した写真や動画をきちんと分類してくれるのも良い。
例えば、インストールした「写真」ツールを開き、パーソナルギャラリー内の「人物識別」機能をオンにしておくと、写っている人物を自動認識して、 AIによる自動仕分け機能で人物ごとのフォルダを作成してくれる。
使いやすさ4:外出先からも、保存したデータに簡単アクセス
アプリの「コントロールパネル」から「デバイス接続」の設定を開き、「UGREENlinkリモートアクセスサービス」をオンにすると、外出先からもDH4300 Plusにアクセスできるようになる。
その上で「同期とバックアップ」ツールをインストールして、自動バックアップ機能を設定しておけば、外出中に撮影した写真や動画をWi-Fi経由で自宅のDH4300 Plusに自動で保存できる。
ネットワークさえあれば、自宅のNASに保存してある写真や動画に手元のスマホからすぐアクセスできる感覚、そして撮影したデータが自動でバックアップされる利便性は、普段慣れ親しんでいるクラウドの使い勝手とほぼ同等。それでいて、データを自分の管理下に置ける安心感があるのが良い。
使いやすさ5:映像や音楽の再生もおまかせ!プライベートビデオは大画面テレビに直接出力
機能面では、DH4300 PlusはAndroid TVやApple TVもサポートしている。対応するテレビと連携させることで、DH4300 Plus内に保存した撮影した思い出のプライベートビデオを、テレビの大画面で簡単に楽しめる。
4K対応のHDMI出力ポートも備えていて、テレビとは有線接続することもできる。双方をHDMIケーブルで接続してテレビ側の入力を切り替えると、すぐDH4300 Plus内の動画ファイルを再生する案内画面が表示されるので、それにならってスマホから操作すれば良い。
もうひとつ、NASがある生活のメリットとして触れておきたいのは、音楽ファイルの保存についてだ。筆者もそうだが、サブスクで音楽を聴くのが主流になった現在でも、特に好きな楽曲はハイレゾ音源を購入したり、大事なCDをリッピングして残している人は多いだろう。
そういった音楽データも、DH4300 Plusに保存すれば複数のHDDでバックアップを取れる安心感があるし、上述のアプリから楽曲の管理と再生の両方をシームレスに行えるので使い勝手も良い。高速で安定した宅内ネットワークを通して、好きな時に好きな端末から、聴きたい音楽にアクセスできる。
そんなわけで、クラウドのような使い勝手と手元にデータを置く安心感を両立しつつ、初心者でも扱いやすく、それでいて便利な機能が備わっているのがDH4300 Plusの魅力。初めて自宅にNASを構築してみたいと思ったら、ぜひこの手軽な1台から始めてみてほしい。
(協力: ユーグリーン・ジャパン)
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