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公開日 2023/08/17 06:30
「Phonitor x」との“120v技術セット”もテスト

極めてナチュラルにして絶大なインパクト。SPL「Director Mk2」は矛盾を超えた先の“理想の音”を現実にしてくれる

高橋 敦

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1983年に創業され、40年の歴史を持つドイツのプロオーディオブランド、SPL。そのレコーディングおよびマスタリング向け機器は常に揺るぎない評価を得ており、業界の定番だ。展開するラインナップにはモニターコントローラーやヘッドホンアンプ、DACなど、再生周りの機器も含まれている。

その技術と知見を生かし我々オーディオファンに向けて展開されているのが、同社が「Professional Fidelity」と呼ぶコンシューマー向けラインナップ。興味をそそられないわけはない。

今回は、同社が「SPLの描く最高峰の芸術的サウンドは、このDirector Mk2で完結します」と豪語するDAC/プリアンプ「Director Mk2」を紹介したい。ヘッドホンアンプ「Phonitor x」との組み合わせも含めてチェックしていこう。


■中核技術「120vテクノロジー」により絶対的なクオリティを引き上げる



まずは何より、両機を含めた同社製品の中核技術「120vテクノロジー(VOLTAiRテクノロジー)」についてから説明するべきだろう。といっても理屈の上の話は簡単。「高電圧駆動で音を良くする」、それだけだ。

オペアンプによる多くの一般的なオーディオ回路は±15V、幅30Vの電圧で動作される。対して120vテクノロジーは±60V、幅120Vでの動作だ。まさに桁が違う。

同社ラインナップに投入される独自の「120Vテクノロジー」が、SPLのアイデンティティとなっている

その圧倒的な高電圧がもたらすものは、最大レベルの増加、ダイナミックレンジの拡大、S/N向上、歪み率低下。すなわち120vテクノロジーは、個人の音の好み以前にあるオーディオとしての絶対的なクオリティ、それを大きく引き上げてくれる技術と言える。

であるが、理屈は簡単でも、実際にこれほどの高電圧動作を完璧に制御して期待通りの効果を得るのは簡単ではない。それを成し遂げているからこそ、SPLは他と一線を画した評価を得ているのだ。

■オーディオシステムとしての使い勝手に優れた「Director Mk2」の機能性



さてDAC/プリアンプには、音質だけではなくオーディオシステムのコントローラーとしての機能性も求められる。Director Mk2はそちらも高度に備えているから嬉しい。

「Director Mk2」433,400円(税込)

まず前面のセレクターノブや背面の端子を見れば明らか、入出力はデジタル/アナログともに極めて豊富だ。昨今のコンシューマーオーディオでは珍しい、テープモニターのセンド&リターンまで装備されている。

「Director Mk2」の背面端子部

プリアンプ出力はRCAとXLRの2系統で、そのうちRCAについてはボリュームの可変/固定をDIPスイッチで選択できる

特に注目してほしいのはプリアンプ出力とダイレクト出力のコンビネーション。後者は本機のボリュームノブから切り離された固定出力設定が可能だ。

これは様々なシステム構成において都合が良い。例えば可変のプリ出力にパワーアンプとスピーカー、固定のダイレクト出力にヘッドホンアンプとヘッドホンを接続すれば、両者の音量を独立してコントロールできるわけだ。

端子等が高密度に配置されたリアパネルに対して、フロントパネルはすっきり。見るからに使いやすそうだし、実際、普段触るのはセレクターとボリュームのふたつのノブだけなので使いやすい。

フロントパネルはスッキリとまとめられ、直感的に操作できる

そしてそのすっきりとしたルックスのアクセントとなり、音楽体験を視覚的にも豊かにしてくれるのが、プロ仕様に由来するVUメーター。感度切替スイッチも用意されているので、ご自身が愛聴する音楽ジャンルで針の揺れ具合がほどよくなるように調整するとよいだろう。

「極めてナチュラルにして絶大なインパクト」のSPLサウンド

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