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<ヘッドフォン祭>音質をとことん追い込めるAstell&Kern「PD20」など、新発想の製品をいち早く体験
編集部:成藤正宣フジヤエービックが主催する、約80のポータブルオーディオ関連企業が集う展示試聴イベント「春のヘッドフォン祭 2026」が、4月25日(土)に東京駅そばのステーションコンファレンス東京にて開催された。
本稿では、アユートブースに登場した新製品/参考出展を中心にレポートする。
聴覚測定に基づくパーソナライズができる「PD20」など最新製品が展示
Astell&Kernを筆頭に、多数のブランドを擁するアユート。今回も各ブランドから発売直後の新製品、開発中の参考出展を公開した。
Astell&Kernの新製品は、24日に発売となったDAP「PD20」(33万円)。“PD” の型番を冠するモデルは、既存製品には無い新機軸を積極的に取り入れて開発されているが、本モデルPD20では “ユーザーにあわせた音質の最適化” が追求されている。
象徴的な機能が、DAPとしては初搭載だという、Audiodo社の聴覚測定に基づく音質最適化機能「パーソナルサウンド」。付属のイヤホンを使って簡単なサウンドテストを行えば、ユーザーの聴覚特性にあわせた音質補正が自動的に行われる。
また、本体左上に備わった「サウンドマスターホイール」を操作すれば、低域/中域/高域のバランスをそれぞれ160段階で調節できる。
さらに、左側面のスイッチからアンプの駆動方式や動作電流量を切り替えたり、ステレオ音源を広がり豊かな空間オーディオ化する「Audiodoオーディオスフィア」、2段階で精密な信号処理を行うアップサンプリング機能「Advanced DAR」など、音質を使い手好みに追い込むための機能が山ほど用意されている。
基礎となる音質もしっかり設計されていて、ESSのDACチップ「ES9027PRO」4基を組み合わせたQuad DAC構成をはじめ、音の濁りの原因となる “群遅延” を最小限にする「ESAテクノロジー」、効率的な電源ノイズ除去や低歪な増幅を実現する「TERATON ALPHA」といった独自技術を駆使し、原音忠実なサウンドにこだわっている。
Astell&KernのサブブランドACTIVOからは、今月10日に発売したブランドオリジナルイヤホン第2弾「SCOOP」(約1.5万円)が出展。流水に洗われた丸石を思わせる滑らかなボディの中に、8mmダイナミックドライバー/6mmダイナミックドライバー×2/BAドライバー×2の5ドライバーを搭載している。
これら複数のドライバーユニットの音を、独自設計の音響ポートやケーブル端子部に備わる回路で一体化。見た目の印象どおりの滑らかなサウンドが楽しめるとしている。付属ケーブルはプラグを着脱交換でき、使うプレーヤーにあわせて3.5mmアンバランス/4.4mmバランス/DAC内蔵USB-Cを使い分けられるお手軽仕様だ。
qdcからは、カスタムIEMのエントリーモデル “DEBUTシリーズ” の新しいバリエーションとして開発中の2モデルが披露された。
1モデル目は、Hi-Fiリスニング向けに調整された「DEBUT-CH」。広いサウンドステージ、自然なボーカル、全体的なバランスの取れたニュートラルさ、qdcらしい高解像度を兼ね備えるというモデルだ。既存のDEBUTシリーズ同様、高剛性かつ変形しにくいチタンコート振動板の10mmダイナミックドライバー、デュアル磁気回路、トリプルキャビティ構造を搭載する。価格は予価5.5万円で、6月ごろ発売見込みだ。
2モデル目は、ゲーミング向けモデルの「DEBUT-CG」。DEBUTシリーズのポテンシャルをゲーミング用途に活かすため、100名以上のさまざまなゲームジャンルのプロフェッショナルからサウンドチェックを受けつつチューニングを行っているという。
本モデルもデュアル磁気回路とトリプルキャビティ構造を備えるが、よりゲームに最適な音質を実現するために、10mmダイナミックドライバーの振動板をPU+PEEKコンポジットコート振動板に変更している。またゲーム中のボイスチャット用として、付属ケーブルに着脱式ブームマイクを装備している。価格は予価6万円で、5月から6月ごろ発売予定となる。
Noble Audioからは、ノイズキャンセリング(ANC)対応Bluetoothヘッドホン「FoKus Apollo Pro」が出展。ブランド初のBluetoothヘッドホン「FoKus Apollo」のチューニングやイヤーパッド、付属ケーブルなどをブラッシュアップし、さらに音質や快適な使い心地を突き詰めたアップデートモデルに位置づけられている。
ドライバーユニットは、40mmダイナミック型と14.5mm平面型(プラナーマグネティック)の2基を同軸配置。チューニングはもちろん、ブランド創設者の “Wizard” ことジョン・モールトン氏が手がけている。USB接続時でも使用できるハイブリッド方式のANC、ゲーミングシーンでも便利な着脱式ブームマイクなども搭載している。5月から6月ごろ、13万円前後で発売見込みだ。
同じくNoble Audioからの参考出展「Lu Ban(ルー・バン)」は、10mmダイナミックドライバー1基と平面磁界ドライバー2基を搭載したハイブリッドイヤホン。モデル名の由来となった中国の工匠になぞらえてか、ダイナミックドライバーには木製複合振動板、筐体にはローズウッドの一種ココボロ材と、音/デザインのどちらにも木材を取り入れているのが特徴だ。木製振動板は制御の効いた、深く質感豊かな低音を再生できるという。
また平面磁界ドライバーも「スーパーマグネティック・プラナードライバー」という新開発のユニットで、新生代の超高磁力ネオジウム鉄ホウ素素材と、磁束の安定性/効率を最適化する銅素材を組み合わせた磁気回路を採用する。
これにより過渡応答の早さと微細なディテールの表現力が増しており、高域はギラつくことなく滑らかに伸び、情報量の多い録音でも破綻せず描写できるとしている。24万円ほどで5 - 6月に発売予定とのこと。
SENDY AUDIOからは、開放型平面磁界ヘッドホン「Apollo PRO」の量産仕様が出展。奇しくも上述したNoble AudioのBluetoothヘッドホンとモデル名が同じだが、こちらは “PRO” が大文字表記となる。
ドライバーユニットは、ナノスケール複合振動板を備える新開発の78mm平面磁界ドライバーを搭載。800nm未満という薄さの磁性切削層を加えたサンドイッチ構造や、EB(電子ビーム)蒸着法という手法で振動板表面に作られたアルミニウム磁気回路など、今年1月発売モデル「Egret」(12.1万円)と共通の先端技術が用いられている。価格はEgretよりも手頃で、おおよそ8万円程度を見込むそうだ。
現在取り扱い開始に向けて調整中の、著名エンジニア アクセル・グレル氏が設立したGrell Audioからは、開放型ヘッドホン「OAE2」の量産仕様が来日。また同時に、「フロントサイド・サウンドフィールド・モジュレーション(FSFM)」という独自技術を採用する本モデルの、特徴的なドライバー(トランスデューサー)の構造が分解状態で展示された。
一見すると大口径のお椀型パーツがドライバーユニットのようにも思えるが、実際は小さな方が本体。40mmのバイオセルロース製振動板を採用していて、頭の真横よりも正面に近い角度から音を発するようになっている。こうした設計により、余計な歪みや色付けを排除した「可能な限り自然で正確な音」が追求されている。
現時点で取り扱い開始時期は未定だが、価格は予価10万円が見込まれている。
映像コンテンツ向けのサウンドモードなどを搭載したワイヤレスヘッドホンシリーズの最新モデルで、頭の向きにあわせて聴こえ方が変わるヘッドトラッキングや、LDAC/aptX Lossless/LE Audio/Auracastなど先端Bluetoothオーディオ技術をサポート。また、ハウジングにマグネットで吸着するワイヤレス充電パッドも同梱する
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