<TIAS>JBLのスタジオモニターフラグシップ「4369」ワールドプレミア/Summitシリーズのフロア型も登場
ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈10月17日より19日まで開催された日本最大級のハイエンド・オーディオの祭典「東京インターナショナルオーディオショウ」。ハーマンインターナショナルのブースでは、JBLのスタジオモニタースピーカーのフラグシップモデル「4369」がワールドプレミアにて披露、Summitシリーズのフロア型モデル「Pumori」「Makalu」が日本初披露された。
発表会では、JBLのラグジュアリー部門のヴァイスプレジデントであるデイヴ・トビッシー氏が登場「機械設計、音響設計などJBLの総力を結集し、全員の知恵を出し合って開発したフラグシップスピーカーです」強調。カリフォルニア州のノースリッジに開発拠点が置かれており、「もっとも進化したスピーカーを作ることを目指し続けます」と力を込める。
「4369」は、伝統のブルーバッフルに、横長のホーンそして38cmウーファーと、まさに「これぞJBL!」と言いたくなるシグネチャーな一台。同時に国内発表されたJBLのHiFi向けシリーズSummitシリーズのトップライン「Makalu」より一回り大きいサイズの堂々なるフラグシップモデルとなる。
新開発の38cmウーファー「2219Nd-1」と3インチのコンプレッションドライバーを搭載。Summitシリーズにも搭載される、コンピューターシミュレーションによって複雑な形状に仕上げられたHDIホーンが搭載される。フロントには2発のバスレフポートを装備、ウォールナットの天然木突板によるキャビネット造形である。
発表会では、創業者のジェームス・B・ランシング氏が映画スタジオMGMのスピーカーを製作したことなど、JBLのスタジオモニター誕生の背景を解説。EMIなど世界各国のスタジオのモニターとして活用されてきた「4320」、その後家庭用にも活用される「4310」など歴史的プロダクトを紹介。
2015年には、フラグシップモニターとして「4367」が登場。今回の「4369」は、それから10年ぶりのフラグシップ更新となっている。
Summitシリーズのトップライン「Makalu」よりひとまわり大きいサイズだが、Makaluは3ウェイに対しこちらは2ウェイ。ウーファーも38cmと一回り大きいが、ホーン部については同じHDIホーンが採用されており、技術的な共通点もみられる。
また足についても、Summitシリーズと同様IsoAcoustic社によるカスタムインシュレーターが搭載されている。
デモ時間には、デイブ・グルーシンによる『ナイト・トレイン』を再生、ハイパワーでストレートな中高域、分厚く太い熱気を存分に伝えるウーファー部と、ガッツのあるサウンドを存分に楽しめた。
同時に披露されたSummitシリーズの「Makalu」と「Pumori」。ミュンヘン・ハイエンドで世界初お披露目された3モデルが、日本でも勢揃いすることとなった。
ブックシェルフ型(彼らはスタンドマウント型と呼ぶ)の「Ama」と合わせ、すべてヒマラヤ山脈に存在する山の名前から取られており、それぞれのサイズでリファレンスとなるものとして開発されたという。
Amaは8インチウーファーの2ウェイモデル、Pumoriは10インチウーファーの3ウェイ、Makaluは12インチウーファーの3ウェイモデル。いずれもコンプレッションドライバーを含むユニットは新規開発で、PumoriとMakaluにはミッドレンジも追加されている。コンプレッションドライバーは3モデル共通だが、ホーンのサイズや形状はそれぞれのスピーカーのサイズに合わせて、コンピューターシミュレーションを用いて設計されているという。
デモンストレーションの時間には「Makalu」を再生、ぐっと引き締まった低域表現にはやはり3ウェイならではのパワーとマッシブさを感じさせてくれる。デイヴ・トビッシー氏によると、製品開発においては、プロフェッショナルモニターとSummitシリーズのハイエンドスピーカーは同じ開発チームが手掛けているそうだ。だがこの音の仕上がりの違いには、それぞれのスピーカーの伝統への深いリスペクトも感じさせてくれる。
また、ブックシェルフスピーカーのAmaは、これまでフラグシップラインには存在しなかった小型スピーカーとなり、音をまとめ上げるにも大変な苦労があったという。
なお、今後のSummitシリーズとして「K2」「エヴェレスト」の名前もプレゼンテーション資料にて登場していた。こちらは来年のウィーン・ハイエンドでの登場が期待したいところだ。