「MUSIC DIALOG SUPREME」\661,500(税込/セット)+「TT-15S1」\262,500(税込)。

最近、数十年前のアナログマスターからSACDへのリマスタリングが盛んに行われ、50年代から80年代の貴重な音源が驚くほどクリアな音で次々に蘇っている。同じ時代に音楽漬けの生活を体験してきた人間にとって、これほど嬉しいことはない。最初に音楽の感動を教えてくれたさまざまな録音が、その当時を上回る鮮度の高さで、まさにいま再び目の前で再現される。その興奮を味わっている幸福な音楽ファンとして、読者の方にも同じ体験を共有されることを願ってやまない。

最近登場したRCAの「リビングステレオ」復刻シリーズを例にあげるまでもなく、アナログマスターに収録されている音の素晴らしさは、想像を超えるものがある。それを当時考えうる最良の技術で記録したのがアナログレコードであり、録音から数十年を経た現代の最新技術で復活させたのが、SACDである。

アナログ時代を経験してきた音楽ファンなら、その両方のフォーマットをあらためてじっくり聴き比べてみたいという欲求に駆られるのではないだろうか。しかも、ただ再生するのではなく、できるだけいい音で再体験したいのだ。さらに、SACDの最新録音のパフォーマンスを100%引き出すことも、いい音を出すシステムの必須条件に加えるべきだろう。

そんな視点で、マランツが提唱した「ミュージックダイアログ」シリーズをあらためて見渡してみると、やはりSupremeシステムとTT-15S1の組み合わせが強力な候補として浮かび上がってくる。SACDとアナログレコードを両方とも妥協のないクオリティで楽しみたいという用途に、まさにうってつけのシステムと考えられるからだ。