すでに紹介した通り、本機はWindowsXPのMedia Center Edition(MCE)を搭載している。国内メーカーのPCにも同OSを搭載した製品が次第に増えてきたが、本機のようなAV機能が充実したPCにはうってつけのフィーチャーである。

今回は視聴していないが、本機は地上アナログチューナーを2系統搭載しており、DVDレコーダー感覚でテレビ放送の受信と録画が楽しめる。もっとも、アナログのみというのは少し残念だ。音声ではマルチチャンネル仕様を実現しているのだから、次世代機ではぜひデジタルチューナーを内蔵して、ハイビジョン放送の受信・録画にも対応して欲しいものである。

MCEモードに入ると、本機はWindowsマシンから多機能AVサーバーに早変わりする。ブルーバックの画面に「マイテレビ」、「マイピクチャー」、「マイビデオ」という具合に用途別メニューが用意され、付属リモコンのカーソル操作だけで目的の機能に簡単にアクセスできることが特徴だ。もちろんDVDやCDを再生したい場合も、このメニューからダイレクトに各機能を呼び出して、瞬時に利用できる。ひとことでいえばDVDプレーヤーやテレビの専用機を組み合わせたようなもので、たった1つのリモコンで使いこなせるのはたしかに便利である。

「マイミュージック」を選んだところ。アーティスト別、ジャンル別など、様々な方法でリスト表示が行える。楽曲の詳しい情報を見ることができる 動画の録再にも対応。HDフォーマット「WMV-HD」の再生も行え、高画質コンテンツを楽しむことができる

MCEが威力を発揮するのはそれだけではない。「メディアオンライン」に用意されたメニューにアクセスすることによって、オンラインショッピング、音楽・動画配信など多様なサービスの恩恵を受けることができるのである。感覚的に言えば、テレビのチャンネルが増えたようなものだが、コンテンツの中身はもっと軽く、実用的で、操作にも難しさはない。

「メディアオンライン」には、動画配信やショッピング、ニュース、音楽、ゲームなど多種多様なコンテンツが揃う。リモコンでの操作を前提にしているため、インターフェースがシンプルで使いやすいのも利点の一つだ オンキヨー「e-onkyo music store」のトップページ。リモコン一つで高音質楽曲を手軽にダウンロード、再生できるのはMCEならでは

オンキョーのショッピングサイト「e-onkyo.com」でも、その便利さや手軽さを実感することができる。通常のPCではマウスとキーボードの操作が不可欠だが、MCEを搭載したPCの場合は原則としてリモコンだけで操作できるので、画面や本体から離れた場所で気ままに動かせる。この手軽さが、MCEの最大のメリットといってよい。