省エネ、エコロジーへの取り組みは待ったなしだが、一方で、この数年で飛躍的に向上した液晶テレビの画質の進化を止めるわけにはいかない。高画質とエコの両立こそが、いまの液晶テレビに課された命題の一つと言えるだろう。

シャープ“AQUOS”DS6ライン。サイズとカラーの組み合わせにより10モデルを用意する

この困難なテーマに果敢に取り組んだ意欲作が、シャープ“AQUOS”DS6ライン（Phile-webニュース）だ。画面サイズは52/46/40/32V型の4サイズを揃え、52/46V型はブラックとホワイト、40/32V型はブラックとホワイトに加えレッドも選択できる。AQUOSには全70モデルの膨大なラインナップが揃っているが、シャープでは今回発表されたDS6ライン10機種を、フラグシップのXシリーズやベーシックモデルのEシリーズなどとの中間に位置する「ベストバランスTV」と位置づけている。

高画質マスターエンジンはDS6ラインから新たに採用されたもので、次項でくわしく解説しているが、「Wクリア倍速」「アクティブコンディショナー」「なめらか高画質」といった先進的な機能を備えているのが大きな特徴だ。

液晶テレビAQUOSは、今回発売されるDS6ラインを含め、ほとんどのモデルが省エネ性能5つ星を獲得している

液晶テレビの消費電力の大半はバックライトが占める。ただ単に消費電力を抑えるだけならば、バックライトの本数を減らしたり光量を落とせば良いが、それだけでは輝度ムラが起きたり画面が暗くなるなどの弊害が起きる。AQUOS DS6ラインはこの問題を解決するため、「高画質マスターエンジン」をはじめとした様々な技術により、テレビセット全体の画質性能をトータルでブラッシュアップ。その結果、画質を向上させながらバックライト本数を減らす事に成功し、“高画質とエコの両立”が実現した。

さらに、視聴環境に応じてバックライトの輝度を最適化する「明るさセンサー」、放送終了後や一定時間操作がなかった場合は自動的に電源をオフにする「無信号電源オフ」「無操作電源オフ」機能を搭載しており、不必要な電力消費を抑えるよう綿密な設計が施されている。

省エネと並ぶ薄型テレビの最新トレンドがネットワーク対応。別項で詳しく紹介しているが、AQUOS DS6ラインはこの点でも最先端の仕様を備えている。まず、5月下旬にサービス開始予定の「Yahoo! JAPAN for AQUOS 動画チャンネル」に対応した点が特筆できる。また、「アクトビラ　ビデオ・フル」や「ひかりTV」にも対応。多彩なコンテンツをテレビ単体で利用できるメリットは大きい。

「Yahoo! JAPAN for AQUOS」のトップページ

インターネット機能では、AQUOS独自のサービス「Yahoo! JAPAN for AQUOS」に対応しているのが特徴。AQUOS専用に開発されたサービスだけあって、非常に高度なインターフェース、サービスを備えている。

なお、これらのネット機能は、新開発した独自の「Exシステム」によって処理や表示を行っている。高速に表示が行え、ストレスのないサイトブラウジングが行えるほか、ネット上のフルHDコンテンツも簡単な操作で視聴が行える。

映像と音声は車の両輪。テレビを選ぶ際には音質にもこだわりたい。もちろん、AQUOS DS6ラインはこの点にも手抜かり無い。アンプ部にはおなじみの「フルデジタル1ビットアンプ」を採用。デジタル放送の音声信号をアナログ変換することなくデジタルのまま伝送して音声増幅を行う。外部ノイズの影響を受けずに高効率な1ビットデジタル増幅が可能なため、原音の持つ情報量をそのままに、自然でクリアな音声を出力するという。

音質にこだわっただけではない。テレビを快適に視聴できる新たな取り組みとして「オートボリューム」機能を新たに搭載した点も特筆したい。テレビ番組の視聴中、CMに変わった際に急に音が大きくなってびっくりした、という体験は多くの方がお持ちだろう。この機能ではこのような急激な音量変化などを効果的に抑えることができ、快適なテレビライフが実現する。

使い勝手の面では、“AQUOSファミリンク”に対応した3系統のHDMI端子を装備。またPCモニターとしても活用できるよう、アナログRGB入力も備えている。さらにリモコンも使用頻度の高いボタンの文字を大きく、見やすくするなどの工夫を行うことで操作性を高めた。

ニュースリリースでは紹介されていない隠れた便利機能も新たに搭載。放送が受信できない時に詳細な受信診断ができるようになり、アンテナが外れているのか、降雨障害なのかが一目でわかる		本機のリモコン。使用頻度の高いボタンの文字を大きくするなどの工夫が盛り込まれている

本体を横から見たところ		端子部は本体右側面と背面に集中して配置。HDMI端子は3系統を装備する		スピーカー部は画面下部に装備し、低音を再現する「サイドバスレフポート」を両サイドに配置。駆動はシャープ独自のフルデジタル1ビットアンプで行う

高画質と省エネを両立し、さらに高度なネットワーク機能も備えたAQUOS DS6ライン。まさに“ベストバランス”なテレビとして市場を席巻するはずだ。次ページからは、新製品の根幹を成す「高画質マスターエンジン」やネットワーク機能について、よりくわしく見ていくことにしよう。