銘機の系譜から分析する

【レビュー】ディナウディオの40周年記念スピーカー「Special Forty」ー 無色透明を極めた再現性

井上千岳

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2017年08月03日
ディナウディオは、節目ふしめで銘機と呼ばれることになるアニバーサリー・スピーカーを世に送り出してきた。そして今年、40周年記念モデルとして「Special Forty」が登場した。国内外で高い注目を集める本機の実力を、井上千岳氏が、歴代の記念モデルとも比較しながら分析した。

DYNAUDIO「Special Forty」

数々の小型2ウェイの銘機を送り出した同社から登場した40周年記念モデル

ディナウディオは5年、10年という節目の年に、何度か記念モデルを出している。「Special One」「Special Twenty-five」など“Special”の付くモデルでは小型2ウェイの場合が多いが、30周年記念の「Saphire」はフロア型であった。これは同社の伝説的な職人であったニールス・ポールセンという人物の退職記念という意味でもあったらしく、デザインも価格も破格のアニバーサリー・モデルとなった。

アニバーサリーではないが、ほかにも「Contour 1.3SE」や「Craft」など、ディナウディオでは小型2ウェイにベストセラーが多い。独特の技術とノウハウがあるということであろう。

前回のアニバーサリー機、30周年「Saphire」はフロア型。同社の伝説的職人 ニールス・ポールセンの退職記念的な意味もあり、価格帯も破格だった

25周年記念「Special Twenty-five」。Saphireを例外として、同社の記念モデルは小型2ウェイが多く、今回の「Special Forty」もその系譜に加わることになる

Special Oneはまだわが国でのディナウディオの取り扱いが始まる前だったが、Contour 1.3SEは大ヒットとなった。ソフトドーム・トゥイーターに17cmウーファーという組み合わせはディナウディオの典型だが、これ以後わが国でのディナウディオの認知度は飛躍的に高まった。また25周年記念(2002年)のSpecial Twenty-fiveは、ディナウディオには珍しく20cmウーファーを搭載したブックシェルフであった。キャビネットもやや大型だが、それもあってやはりビッグ・セールスを記録したそうである。

昨年発売された「Contour 20」は17cmウーファーだが、キャビネットはSpecial Twenty-fiveと似たサイズで、この25周年記念モデルを思い出すユーザーも多かったと聞く。そして今年、40周年のアニバーサリーとして、その名も「Special Forty」が登場した。

上位機を凌ぐ最新技術が投入された新規設計トゥイーター

Special Fourtyはやはり17cmウーファーによる2ウェイ・ブックシェルフ型で、ディナウディオらしい記念モデルである。フロント・バッフルのコーナーをカットして側面を後方へ向かってわずかに狭めたキャビネットは、以前の「Focus140」と似ている。しかしドライバー・ユニットはいずれも新規に開発されたもので、そこが本機の見どころであるようだ。YouTubeで開発者のインタビュー動画が公開されているが、それを見てもかなりの意気込みであるのがわかる。

「Special Forty」¥450,000(税抜)。カラーはレッド・バーチとグレイ・バーチの2色をラインナップ

トゥイーターは「Esotar Forty」と名付けられている。ディナウディオのトゥイーターには「Esotar」と「Esotec」という2種類があって、Esotarが上位モデルである。ConfidenceやContourに搭載されている「Esotar2」はトップエンドだが、新しいEsotar FortyはそのEsotarの設計を基本にしながら改良を加えたものだ。それが部分的には“Esotar2以上の内容”だというのである。

トゥイーターの構成自体は従来どおりで、ファブリック系の28mmソフトドーム。シークレット・レシピだという特殊コーティングを施し、ネオジウム・マグネットの磁気回路でピュアアルミのボイスコイルを駆動する。ボイスコイルは磁性流体に浸され、放熱と効率を高めている。それでは、改良点はどこにあるのか。

ウーファーも新規に設計。エアフローに注力する

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