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本日発売! 768 PCM/11.2MHz DSDだけではない魅力

「現代最先端の音」。RME 20周年記念「ADI-2 Pro Anniversary Edition」最速レポート

2017/07/07 小原由夫
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■小型ボディに詰め込まれた多彩な「顔」

オーディオマニアにとって、プロ用機器は一種の憧れだ。かつてJBLのモニタースピーカー43シリーズが日本市場で定着したのは、そうした流れのひとつの典型で、いまも昔もその志向は変わらない。そこにはいくつかの理由が考えられるが、プロ用機ならではの耐久性や安定性、信頼性という面は無視できないところだ。

今日、その傾向はデジタル機器で顕著だ。その背景には、気軽に音楽を制作する『宅録』の浸透や、コンパクトで手軽な録音/編集機器が増えていることも無視できない。相対的な価格が下がってきたことも、プロ用機器に対する垣根を取り払う一因となっている。

RMEの20周年を記念して登場するAD/DAコンバーター「ADI-2 Pro Anniversary Edition」¥OPEN(予想実売価格¥220,000前後)

ドイツのRMEの製品には、そうしたニーズにミートするものが数多い。「Babyface Pro」や「Fireface」シリーズがその代表モデルだ。最新作の「ADI-2 Pro」もコンパクトなハーフラックサイズのコンポで、奥行きも短いが、高精度な回路が内部に凝縮されている。オーディオ機器としては異例の10層基板の採用が、この内容を小型にできた要因だろう。

ADI-2 Proはさまざまな顔を持つ。AD/DAコンバーターという側面だけでなく、USB-DAC、ヘッドフォンアンプ、アナログ・プリアンプとしても機能する(しかも入力信号を検知しての自動切り換えにも対応)。さらに、RMEが新たに提唱するプラグ&プレイのコンセプトに則った2チャンネル仕様のため、他のRME製品、ひいてはプロ用機の多くにありがちなPCでのコントロール/管理を必要とせず、スタンドアローン状態で使用できる点が嬉しい。したがって日頃プロ機に親しんでいないオーディオ愛好家も、何らストレスなく使うことができる。

そんなADI-2 Proに、この度ブラック仕上げのアニバーサリー・エディション「ADI-2 Pro Anniversary Edition」が登場する。

ADI-2 Pro Anniversary Editionのリアパネル。レギュラーモデルとの違いは、アナログ出力となるTRSフォーンジャックに金メッキが施されている点

ADI-2 Pro Anniversary Editionでは、アナログ入力部にもクロストーク対策のためのメタルシールドを施す。この点もレギュラーモデルとの違いとなる

ADI-2 Pro Anniversary Editionは、同社創立20周年記念の世界限定500台。標準仕様との相違点は、筐体のカラーリングと、トップパネルがアクリルになって内蔵基板がそっくり見えるようになったこと、そして内部のイルミネーションだ。機能的にはまったく同一だが、アナログ入力端子部のシールドやフォーン出力ジャックの金メッキ仕様、吟味されたインシュレーターへの変更など、記念モデルにふさわしいグレードアップも盛り込まれている。

オーディオファンにとって見逃せないのがインシュレーターの変更。ADI-2 Pro Anniversary Editionでは、ブラシ加工のクローム脚へと進化

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