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ハイインピーダンス機も鳴らし切れるのか?

デノン「DA-300USB」のヘッドホンアンプを検証、人気ヘッドホン6機種と組み合わせテスト

2014/03/18 岩井喬
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注目が集まるデノン初の単体USB-DAC「DA-300USB」はヘッドホンアンプにもこだわっている。本機に人気ヘッドホン6機種を組み合わせ、ヘッドホンアンプの音質をレビュー。定番モデルからハイインピーダンス・モデルまでDA-300USBは鳴らし切ることができるのか検証した。

「DA-300USB」 ¥57,500(税抜)

■デノン「DA-300USB」はヘッドホン出力にもこだわっている

昨年は、デノンの集大成といえるフラグシップディスクプレーヤー「DCD-SX1」に大きな注目が集まり、同時に発表されたDSDや192kHz/24bit・PCMに対応したUSB入力搭載のSACDプレーヤー「DCD-1500RE」も、普及価格帯で最新スペックを投入した意欲作として高い評価を得た。そして。両モデルの開発を通じてDAC部をひとつの製品に仕上げた同社初の単体USB-DAC「DA-300USB」が、今年2月の発売以来高い人気を維持しているという。

デジタルオーディオのリーダーカンパニーであるデノンのテクノロジーを、デスクトップサイズの筺体に詰め込んだのがDA-300USBと言っていいはずだ。縦置きにも対応するユーザーライクでスタイリッシュ、かつコンパクトなデザイン性の高さもその人気を支える一つの要因であろう。

DA-300USB + ヘッドホンでミニマムな高音質システムが構築できる

現在の主要なハイレゾ音源を網羅できる最高5.6MHz DSDと192kHz/24bit PCMの入力に対応したUSB-DACとしての機能性に加えて、ディスクリート出力にこだわったヘッドホンアンプ部についても本機の持つ魅力のひとつとなっている。今回はこのヘッドホンアンプにスポットを当ててみたい。

■伝統のビット拡張技術「Advanced AL32」でCD音源もハイレゾ化

試聴を始める前に「DA-300USB」のスペックについても改めて触れておこう。DACチップには、SACDプレーヤーの上位モデルにも用いられている192kHz/32bit対応バー・ブラウン「PCM1795」を搭載。PCからのノイズ流入を抑えるデジタル・アイソレーターや、44.1kHz系・48kHz系各々にクロックを分けDAC部をマスターとしてクロックを供給するDACマスター・クロック・デザインなど、同社ならではのデジタル技術が惜しみなく投入されている。

さらに、ビット拡張・データ補完を行うデノン伝統のアナログ波形再現技術を進化させたAdvanced AL32 Processingも導入。Advanced AL32 ProcessingはPCM系音源に対して有効で、32bit化処理に加えて時間軸方向への情報量も拡大するため、44.1kHzであれば16倍、192kHzであれば4倍でのアップサンプリングを実施。連続的に変化する音楽信号から、本来あるべきデータを推測し再現を行う。DSD信号のUSB入力はASIO2.1とDoP方式に対応しており、Windows、Mac両OSで使用することができる。

DA-300USBのデジタル基板

DA-300USB発表会で公開されたヘッドホンアンプの構成

今回フォーカスを当てるヘッドホンアンプ部は、ボリューム回路の前段にアナログライン出力との相互干渉を抑えることが可能なハイスピードオペアンプを採用したバッファー回路を搭載。さらに最終のディスクリート出力バッファー段の前には、電圧増幅を行うハイスピードかつローノイズなオペアンプを導入。こうした配慮により、ハイインピーダンス機であっても十分鳴らしこめる設計となっているという。

デノンのMUSIC MANIACシリーズとの純正組み合わせに加え、ゼンハイザーHD800などハイインピーダンスモデルも組み合わせ、DA-300USBのヘッドホンアンプの音質を検証した

それでは、次のページからはデノン純正モデル、定番の密閉型、ハイインピーダンス機を含む6機種のヘッドホンをDA-300USBと組み合わせ、どこまで鳴らし切ることができるのか検証してみた。

次ページ人気ヘッドホン6機種を組み合わせてヘッドホン出力の音質を検証

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