音の鮮度の高さが群を抜いている

“Advanced UHC-MOSシングルプッシュプル回路”搭載のプリメインアンプ「PMA-2000RE」

林 正儀
2012年10月01日
デノンの定番コンビがSEからREへとブラシュアップされた(REはRarefied Evolutionの頭文字だ)。1996年登場の初代”PMA-2000”から16年を経て、今回新たに登場するプリメインアンプ「PMA-2000RE」には”Advanced UHC-MOSシングルプッシュプルサーキット”が採用された。

PMA-2000RE

歴代の"PMA-2000”では大電流増幅素子として”UHC-MOS”を用いてきたが、今回搭載されたUHC-MOSは電流容量を大幅に高めたニューバージョンで、ピーク電流は従来の120Aから210Aにも達する強力な仕様となった。また、実質的なパワーを増しつつ、高域特性との両立をはかった設計を実現した。当然、ドライブ段や入力段の改良、さらには電源部も1.5倍の能力をもつショットキーバリアダイオードで高速大容量化され、ヒートシンクも放熱効果を高めた余裕のある設計が新たに用いられた。

伝統の「ダイレクト・メカニカル・コンストラクション」にも磨きをかけ、その本体を支えるフット部は高剛性で内部損失の大きいBMC(Bulk Molding Compound)素材をソリッド構造で採用したことも新しい。回路については、REC OUTセレクターを省いてシンプルな構成とし、ソースダイレクト時にはREC OUT出力信号もカットしてのピュア伝送を徹底している。

背面端子部

すぐにわかるのはスムーズなドライブ力だ。パワーが増えたというよりは質感が底上げされたイメージで、その上で全域がエネルギッシュ。たっぷりと高密度な鳴らし方をする。B&Wなど大型のフロアスピーカーが実に軽やかで瞬敏な立ち上がりをみせ、ビッグバンドや管弦楽の力強い音圧にも圧倒される。

リモコン操作も可能な27型の大型ボリュームは、手回しの感触もよく、精度や信頼性もまさに文句のないものだ。ボリューム位置によるS/Nやリニアリティ(直線性)の変化がなく、さらには音色そのものがぴたっと安定していることが素晴らしい。

MAYAのボーカルにおいては、生々しいニュアンスや陰影の深まり、録音スタジオの空気感を伝えてくれた。音の鮮度の高さでも群を抜いており、新デバイスや電源の余裕が低音の制動力や量感表現に顕著に現れている。さすが、中堅グレードでダントツの人気モデルである。MM/MC対応のフォノイコライザーの内蔵も特筆しておきたい。デノンの新時代を告げるプリメインアンプだ。