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シャープ、約1.5倍の輝きを実現した4K Mini LED液晶テレビ「HP1ライン」。空間認識AIで臨場感もアップ
シャープは、4K Mini LED液晶テレビ「AQUOS XLED」の新モデルとして“HP1ライン”/”HP2ライン”の2シリーズから全5機種を、5月31日より順次発売する。価格は全てオープンだが、税込の予想実売価格とラインナップは以下の通り。
<HP1ライン>
・75型「4T-C75HP1」 572,000円前後 5月31日発売
・65型「4T-C65HP1」 440,000円前後 5月31日発売
・55型「4T-C55HP1」 352,000円前後 5月31日発売
<HP2ライン>
・50型「4T-C50HP2」 253,000円前後 6月21日発売
・43型「4T-C43HP2」 242,000円前後 6月21日発売
HP1/HP2ラインは、2024年度の “GP1/GP2ライン”の後継機種であり、AQUOS XLEDのラインナップで上位シリーズに位置付けられているモデル。後述する機能強化によって「AQUOS史上最高の輝きと省エネ性能を兼ね備えた4K Mini LED液晶テレビ」になったと同社は説明している。
両シリーズとも、LEDを高密度に敷き詰めたMini LEDバックライトと、広色域の量子ドット技術を導入。HP1ラインには「N-Black Wideパネル」が採用されており、きめ細やかな明暗制御に加えて、新たに独自設計のバックライト構造を用いることで、2024年度モデルのGP1ラインと比較して、約1.5倍のピーク輝度を実現しているとアピールする。
新設計のバックライト構造では、Mini LEDバックライトの前に高効率反射シートを新たに採用しており、従来まで内部反射によって発生していたバックライト光のロスを低減できるため、高輝度化に繋がっているとのこと。
HP1ラインには、量子ドットシートも光の透過率を上げることで高効率化した最新世代のものが投入されており、その効果も加わってよりいっそうの輝きの向上を叶えているという。また、外光の映り込みも抑え、視聴位置による色変化も低減しており、広視野角も成し得ている。
HP2ラインには「N-Blackパネル」が導入されており、パネル表面に低反射を実現する素材を採用。外光の屈折率を徐々に変化させることで、部屋の照明などの映り込みを抑えているとした。
AIプロセッサーと環境センシング技術を併せ持った、最新世代の高画質・高音質プロセッサー「Medalist S6X」は両シリーズに搭載。放送番組からネット動画まで、「AIオート」によって画質・音質を映像コンテンツと視聴環境に合わせて、自動で最適化してくれる。
高画質機能では、従来機種から搭載されている精細感を復元する「AI超解像」をはじめ、ネット動画で発生しやすいデジタルノイズを低減する「アニメ・ネットクリア」、コントラストを自動調整する「スマートアクティブコントラスト」、色彩を補正する「オブジェクトAI識別」といった機能を踏襲している。HDRフォーマットは、Dolby Vision/HDR10/HLGをフォローする。
最新世代「Medalist S6X」ならではのトピックが「空間認識AI」の投入だ。映像コンテンツ内の各被写体の位置・前後関係をAIが認識して、それぞれの被写体の位置に応じた最適なチューニングを施すことで、近い被写体はくっきりと見やすく、遠くの風景や建物などは自然な再現にすることで、今まで以上に奥行き感や立体感に優れた映像再現が可能だとアピールした。
「空間認識AI」に関連している映像調整項目「アクティブコントラスト」の設定は、従来まで入/切を選択できるだけだったが、2025年度モデルから「AI」の項目が追加されるかたちとなった。
実際に「空間認識AI」による効果を見てみると、オンの状態では近距離だと判断された被写体の精細感が上がり、くっきりと見えるようになった。遠距離の被写体は、反対に滑らかに見えるようになるため、自然と近距離の被写体に視線がいくような画作りとなった。
サウンド面は、HP1ラインに「AROUND SPEAKER SYSTEM PLUS」を搭載。中音域ミッドレンジや低音域サブウーファー、中音域ハイトミッドレンジ、高音域ハイトトゥイーターといったスピーカーユニットを搭載することで、サラウンドだけでなく高さ方向も含めた立体音響サウンドを再生できる。
スピーカーのユニット数について、75/65型はトゥイーターが2基、ミッドレンジが4基、サブウーファーが1基、ハイトトゥイーターが2基、ハイトミッドレンジが2基、計11基の構成。55型がトゥイーターが2基、ミッドレンジが4基、サブウーファーが1基、ハイトトゥイーターが2基、計9基の構成となっている。実用最大出力80Wのアンプで駆動される。ハイトスピーカーには開口率を上げた金属製パンチングネットが採用されており、よりクリアで広がり感のあるサウンドとしている。
HP2ラインには「FRONT OPEN SOUND SYSTEM PLUS」が採用されており、トゥイーターが2基、ミッドレンジが2基、サブウーファーが1基、計5基のスピーカーユニットを搭載。アンプの実用最大出力は50W。
音質モードには「AIオート」が用意されており、従来モデルよりも「声の聞きやすさ」と「サラウンド」の効果の調整の仕方がブラッシュアップされているとのこと。顔検知の精度を高めたことが音質のAIオートの効果にも寄与しており、例えば歌番組などでアーティストが歌っているシーンは「サラウンド」の効果が高まり、トークシーンでは「声の聞きやすさ」を高める調整が働くという。
ゲーミング関連では、HP1ラインは4K/144Hz(VRR/ALLM)、HP2ラインは4K/120Hz(VRR/ALLM)をカバーしており、両シリーズとも約0.83msの高速応答性を備えている。ゲームプレイ時、画面サイズを24 – 27型程度まで小さく調整したい場合に活用できるリサイズ機能は継承。そこに新しくリサイズした画面の「位置移動」も追加されたことで、ゲームプレイ時の快適さも向上した。
OSはGoogle TVを搭載。YouTube/Prime Videp/Netflix/Disney+/NHK+/U-NEXT/TVer/ABEMA/hulu/DAZN/WOWOWオンデマンド/FOD/Lemino/TELASA/Net-VISIONなど、多数のVODサービスに対応している。音声操作のGoogle アシスタントは、HP1がリモコンマイクと本体に話しかけるハンズフリーに対応しており、HP2ラインはリモコンマイクのみで使用できる。
独自のエンタメ・生活情報アプリ「COCORO VISION」では、新しいミニゲームとして簡単視力チェックアプリ「めめログ」を導入。テレビを使用して視力検査ができるようになっている。測定距離は2- 5mの距離で設定でき、計測位置がテレビから2.5m離れた距離の場合は最大1.2まで測定可能だという。
また、ネットブラウジング機能「Sleipnir TV ウェブブラウザ」を新搭載。併せてセキュリティ関連の機能として「ESET SMART TV SECURITY」も備えている。ワイヤレス機能は、Wi-Fi6E(5GHz/2.4GHz)、Bluetoothに対応する。
録画番組を視聴するといったタイムシフト視聴のユーザーが増える中、新機能として放送番組の視聴中の2番組同時録画、“タイパ視聴”に繋がる録画番組の2倍速の早見/早聞き再生に対応。早見/早聞き再生では、AIオート機能が働いており、2倍速でもセリフなどが聞き取りやすくなるよう自動調整を行っているという。
録画番組の再生機能には、新たに「L字カット機能」を追加。本機能は、録画番組の映像に入っている災害時の緊急情報や速報時などに現れるL字放送テロップを、調整してカットできる機能となっている。
また、外付けHDDに保存した録画番組と放送番組を同時に視聴したい場合に活用できる「2番組表示」に対応しており、新たに2画面のサイズを大小9通りから選べる「ズーム2画面」機能や、音が出ていないサブ画面に字幕表示を入れるといった新機能も採用されている。
2025年度モデルは省エネ性能の向上にもこだわったとアピール。2024年度モデルと比較して、HP1/HP2ラインの両シリーズで省エネ目標基準を100%達成しており、例えば5年前のモデル「4T-C60CN1」と4T-C65HP1の電気代を比べると年間1,530円もお得だという。
HP1ラインにおいては、先述したとおり約1.5倍のピーク輝度を実現しながらも、前年モデルの消費電力量から32%低減しており、高輝度化と省電力の両立を叶えたとした。また、付属リモコンの電池寿命を約2倍とし、よく使用する機能がすぐ使えるクイックメニューボタンを搭載するなど、省電力化に繋がる試みを行っている。
環境に関する部分では、CO2削減に繋がる再生プラスチックの使用、梱包パッケージのサイズダウン度を図ることで輸送時のCO2排出の抑制に繋がる環境配慮パッケージを導入している。
HP1/HP2ラインに搭載されたチューナーは、地上デジタル×3基、BS・110度CSデジタル×3基、BS4K・110度CS4K×2基。
HP1/HP2ラインの外形寸法/質量は、4T-C75HP1が1667W×1021H×330Dmm/約49.5kg、4T-C65HP1が1443W×897H×281Dmm/約37.0kg、4T-C55HP1が1224W×773H×258Dmm/約24.0kg、4T-C50HP2が1110W×707H×238Dmm/約18.5kg、4T-C43HP2が957W×621H×238Dmm/約15.5kg。
TVシステム事業本部 国内事業部 事業部著 高橋氏は、「『高付加価値テレビ』の販売は増加傾向にあり、2024年度は販売金額ベースの構成比41%を占めており、前年比から3%アップという結果になった。また、高付加価値テレビの購入者の6割以上が「画質を重視」すると回答しており、ほかにも画面の明るさをはじめ、色合いやコントラスト、視野角、音質といった、クオリティに対して関心が高いユーザーが購入している」と説明しており、2025年度もその傾向が続いていく見通しだ明かした。































