オーディオビジュアルファンが注目!MAGNETAR「UDP900 MKII」「UDP800 MKII」をレビュー
オーディオビジュアルファンにとって、4K UHD BDプレーヤーのリファレンス的な存在であった、MAGNETARの「UDP900」「UDP800」の2モデル。
OPPO「UDP-205」やパナソニック「DP-UB9000(Japan Limited)」の発売終了後、高画質・高音質を兼備するユニバーサルプレーヤーとして、ハイエンドを望む、オーディオビジュアルファンの期待に応えてきたモデル群だ。
そんなMAGNETARから、後継機として「UDP900 MKII」「UDP800 MKII」が登場した。デザインや設計は、前モデルを踏襲しているが、オーディオ回路の見直し、ネットワーク基盤の新設計、ドライブメカニズムの振動対策、高品質パーツへのアップグレードなどが施されているのが特徴だ。
このMKIIで実施された”進化”が、どういったクオリティアップに繋がっているのか。ディスク再生をこよなく愛するオーディオビジュアルファンにとって気になるところ。本稿では、UDP900 MKII、ならびにUDP800 MKIIの深掘りレビューをお届けする。
7.1ch出力のDACをはじめ、ディスクドライブやホームオートメーション機能を高めた最上位機
まずは、UDP900 MKUからみていこう。対応再生メディアは、前モデルと同様に、4K UHD BD/BD/DVD/SACDなどの再生が可能。HDMIのセパレート出力や2ch/7.1chアナログ音声出力、USB DACを装備するなど、基本設計は踏襲しているが、画質や音質に関わるDAC部をはじめ、回路やドライブ、また採用パーツなどに、新しくメスが入った。
頭脳と言えるDACが、前モデルでは、2ch出力が「ES9038PRO」、7.1ch出力が「ES9028PRO」となっていたが、2ch出力と7.1ch出力の両方にESS社製「ES9038PRO」が採用されたことがトピック。音質に対する統一感が向上したと言える。
加えて、HDMI音声出力ポートにTMDSリタイミング回路(Transition Minimized Differential Signaling)を搭載することで、ランダムジッターを効果的に補正可能となったため、信号品質と負荷駆動能力の向上に繋がり、HDMI音声出力における品質も高まった。
USB DAC部は、XMOSによって、PCM 768kHz/24bit、DSD 22.6MHz/1bitをカバー。映像面では、最新のHDRフォーマットであるDolby Vision/HDR10+をフォローする。
ディスク再生の心臓ともいえるドライブメカニズムも更新。ソニー製の「481AAAレーザードライブ」を採用しながら、ケーシングには新塗装、ドライブを覆う金属製カバーの内側には吸音材を装着することで、振動対策もブラッシュアップされた。
そして部品は内部配線を高純度銅線にアップグレード、PCBコネクターを日本圧着端子製造(JST)製やAmphenol製に変更し、接続品質、安定性、信頼性が向上しているとのこと。クオリティのために、出来ることを全てやりつくしているのがUDP900 MK2という認識だ。
ネットワーク基板が新設計されたこともポイントであり、Crestron/Control4/Wake-on-LANといった、ホームオートメーション機能に対応したのは、ホームシアターユーザーにとって朗報だろう。
UDP900 MKIIの画質レビュー「ノイズレスで透明感が高く、情報量の密度が高い映像表現」
はじめに、映画『トップガン マーヴェリック』(4K UHD BD)を視聴した。敵のウラン濃縮プラントを破壊するために出撃するシーンでは、ディスクに収録されているニュートラルな情報を活かした上で、実際に肉眼で見るような戦闘機に塗装された艶やかさ、コックピットから見られる青空の突き抜けるような透明感を表現。
機内で何度も押しているボタンの塗装剥げ具合や、艦内にいる中高年クルーの額から出てくる汗が肌に張り付いてテカリの様子も細部までノイズレスなリアルさを再現してくれる。ダイナミックレンジが広く感じられ、深いブラックからハイライトのホワイトカラーまで、“きちんと情報を引き出してくれる印象” を受けた。
もうひとつは、アニメ『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』(4K UHD BD)を視聴。これはラミネート装甲やビームの輝きといった光の演出が派手で、リファレンス要素としてユニークなディスクだ。
マイティーストライクフリーダムガンダムが新装備「プラウドディフェンダー」を換装して登場するシーンでは、マイティーストライクフリーダムガンダムと背景がきちんと分離し、コントラストと立体感が相まって3Dのように表示される。
モビルスーツなのにヒトのような生命を宿している佇まいを感じられるほどのパワフルな映像美、イエローやピンクのゴールドに輝くナノ粒子が白飛びすることなく煌びやかで、キャラクターの目の潤いや動きが鮮明で感情がダイレクトに伝わり “情報量の密度が高い印象” で素晴らしい。
UDP900 MKIIの音質レビュー「中域から低域に掛けてパワフルな響きで、ドラマチックなサウンド」
次いで音質もチェック。Dolby Atmos収録されている『トップガン マーヴェリック』では、セリフは静寂の中で声が太くて肉付きが良く、ロケットが被弾した時の爆風音はダイナミックに広がる。
戦闘機が左リアから右フロントに音が流れる風圧の高さ、ひとつのスピーカーに対して出力される音の情報量と密度が圧倒的に多く素晴らしい。音量を上げていくと、低域から中域にかけてパワフルな響きになるが、高域は音が耳に刺さらず、滑らかにロールして響くようにアウトしていくのはドラマチックである。
『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』も感動的だ。モビルスーツたちが装備を換装やドッキングする瞬間や離着陸する時の低域、ビームやビームサーベルで攻撃する時の中高域に鋭く広がる音が大迫力で何度見ても圧巻だ。
オーブ軍の特装艦の上をザフト軍のMS運用艦が飛んでいく際は、音も確り上から濁りなくダイナミックに出力される。劇中にはクラシック調のBGMやTV版のOPも使われているが、本編を邪魔することなく音楽性高く豊かに出力されるのも嬉しい。
音楽ライブ『Minori Chihara the Last Live 2021 〜Re:Contact〜』も追加し、アンコールで必ず歌う「純白サンクチュアリィ」を再生した。ボーカルの音抜け感や音の粒立ちも良く素晴らしい。必要に応じて細かなニュアンスをくみ取ってくれるパフォーマンスと、部屋全体に広がる音空間といった音楽性高く再現してくれる。これまで見てきた音楽ライブを改めて見直したくなるクオリティだ。
各所の高音質パーツをチューンナップ、オペアンプの変更で低ノイズ化を図ったスタンダード機
UDP800 MKIIに移っていこう。4K UHD BD/BD/DVD/SACDなどの再生に対応し、HDMIのセパレート出力、2.1chのアナログ音声出力が備わっている部分は、前モデルから継続しているが、各所パーツがチューンナップされている。
多くの変更点は、上位モデルと同様に、TMDS リタイミング機能の追加、ドライブメカニズムの振動対策、ネットワーク基板の新設計、高品質部品へのアップグレード行われている。
UDP800 MKIIに限ったチューンナップとして、DACが「PCM1795」のまま、オペアンプが「MUSES8920」から「OPA1602」に変わっている。これにより低ノイズ化と歪みの低減を実現。より鮮明で精確な音質再生を成し得ている。
UDP800 MKIIの画質レビュー「ノイズを抑えた色付けの少ない純粋な再現」
画質を観ていこう。『トップガン マーヴェリック』では、ディスクに収録されているニュートラルな情報を、忠実に活かてくれる。出撃シーンを視聴すると、戦闘機の硬い質感や人物の滑らかな肌質、計器類の傷や汚れといった部分を底上げや掘り起こそうとはせずに、ノイズを抑えた色付けの少ない純粋な映像を再現。
『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』も全体的に落ち着いた色味ではあるものの、マイティーストライクフリーダムガンダムの立体的なボディの艶やかさ、キャラクターの肌質の滑らかさ、衣装の鮮やかさや深みのあるトーン色、この作品が持っている色彩を余すところなく伝えてくれるので、満足度の高い映像だ。
UDP800 MKIIの音質レビュー「録音されたデータをそのまま引き出すポテンシャルを持つ」
最後に音質をレビュー。『トップガン マーヴェリック』では、セリフ、ロケットの発射、戦闘機の出撃といった肉声から効果音にいたるまで落ち着いて、全体をニュートラルでしなやかに再現する。戦闘機が左リアから右フロントに音が流れる軽快さや、ロケットが被弾した時の爆風の空間表現が良い。
『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』はニュートラルだからこそ、相性は好印象だった。声優が放つ録音されたセリフが、濁りなく耳元までスッキリと届けてくれる。劇中のクラシック調のBGMやTV版のOPも本編に素直な響きが相まって定位が良い。
『Minori Chihara the Last Live 2021 〜Re:Contact〜』は、ボーカルの豊かな質感とバックバンドを潔く鳴らしてくれる。ただし積極的に解像力で掘り下げようとしない部分もあるので表裏一体な所はあるが、録音されたデータをそのまま引き出すと考えればポテンシャルは高い。
プライスアップに見合った進化を果たした “MKII” のモデル群を一見一聴してほしい
実際に両機をレビューした結果、UDP900 MKIIは、ディスクに収録されているニュートラルな情報を活かした上で、情報量を引き出し、濃密に再生してくれる。立体的なのはもちろん、ダイナミックレンジが広くブラックからハイライトにかけるグラデーションが、綺麗で明るい映像ほど艶やかに出力される。エンタメ性が高く、音楽性も良いフラグシップモデルだ。
UDP800 MKIIは、ディスクに収録されているニュートラルな要素を忠実に再生してくれる。積極的な底上げや掘り下げることをせずに素のデータを活かすことで、あらゆる情報をダイレクトに目や耳に届けてくれる。音反応や定位も良くモニターライクなハイグレード機種という印象。
両機とも、それぞれに異なる性格を持った兄弟機なので、ユーザー自身のシステムとの相性や好みに応じて選んでほしい。
筆者はUDP900 MKIIが好みだったので、自宅のシステムでも視聴してみた。音元出版の視聴室で感じたクオリティを、自宅でも実感することができた。また、BD再生のクオリティアップは凄まじく、DVDのアップコンバートの性能も良い。北米版アニメのBDも再生できるので非常に欲しくなった。
ディスク再生の安定感も高まり、画質・音質の両方で、粗っぽさがなくなったことも印象的だ。 “MKII” の進化量は、ただのマイナーチェンジではなく、フルモデルチェンジに近い造りになったのではないか。プライスアップはしていても、それに見合った進化を果たしているので、ぜひ一見一聴してみてほしい。
■取材・執筆:佐藤太郎
■編集担当:長濱行太朗
