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少しの工夫で良くなる可能性が

ネットの遅さ、お金をかけずに改善するならルーターの「ここ」をチェック!

公開日 2023/04/04 06:40 ファイルウェブ編集部
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4月を迎え、新生活シーズンが本格的にスタートした。入学や入社にともない引っ越しをされた方も少なくないはずだが、いまを生きる現代人にとって、なくてはならないのがネット回線。新居に回線を引いて、気ままにネットサービスを楽しんでいることだろう。

しかし、その速度にもう不満を覚えてはいないだろうか?「契約プラン上、こんなに遅いはずがないのに」と思っている方へお伝えしたいのは、実はルーターの設置位置で多少マシになるかもしれないということだ。



<ネットが遅いと感じたらここをチェック>

ルーターの床置き、実はあまりオススメじゃなかった

ルーターもデザインにこだわる時代

意外な盲点、LANケーブルは大丈夫?




■ルーターを床にポンと置く、実はあまりオススメじゃなかった



一般家庭では、「壁のLANポートに近く、邪魔にならない部屋の隅の床上」にルーターを直起きしていることが度々みられる。部屋のなかにケーブルを引き回すのは鬱陶しいし、LANポート(もしくはモデム)の近くに置いて、できれば棚などで隠したりしたくなるのは当然のことだと思う。

何気なく置いているルーターの位置が悪影響を与えている?

しかし、ルーター製品をリリースするバッファローやアイ・オー・データ機器、ネット回線を提供するNiftyなど、様々な企業がそれに対して「オススメできない」としている。ではメーカーとしては、逆にどこに置くのをオススメしているのかというと、以下のような場所だ。

・床から1-2mの高さ
・なるべく家や部屋の中央に
・箱や棚の外(収納しない)
・布やカバーなどで覆われていない場所
・ラックの上なら天板が金属ではないもの
・窓際から離れた場所
・周囲に障害物がない場所
・電子レンジやテレビなどの家電製品から離れた場所
・近くに金属や壁がない場所
・水槽や花びん、土壁など湿気があるものから離れた場所

まとめると、「障害物が近くにない部屋(家)の中心、1-2m程度の高さのある木製などの台に置く」ということになる。もちろんこれは現実的ではないので、できる範囲で考えたい。

まず、電波は金属や水に吸収されやすいという特性がある。またルーターが使用する2.4GHz帯の周波数は電子レンジなどの家電にも利用されるため、干渉が起きて電波が弱まるというケースがある。

さらに、電波はルーターを中心に360度方向に飛んでいくため、床置きしたり部屋の隅に置くと、電波が遮られたり、その一部しか利用できないことになる。棚に収納したりカバーをしたりして見えなくするのも同様に、電波を遮る原因となるわけだ。

上記のような理由から、例えば「ルーターをカラーボックスにキレイに収納できた!しかもカバーで隠せる!」と部屋の景観を保つレイアウトが実現できたと思っていたら、それが原因で電波が弱まっているかもしれない。

アイ・オー・データ機器では、「壁際の棚の上に設置した場合」「テレビの裏に設置した場合」「棚の中に隠して収納した場合」「部屋の中央に設置した場合」という4つのパターンで設置した場合の、電波の強さを測定した結果を公開している。ここでは部屋の中央が最も強い電波が計測されたが、ほかは「壁際の棚の上」>「テレビの裏」>「棚の中に隠して収納」という順で電波が強くなっている。

この4パターンのうち、部屋のレイアウトを考えると、「壁際の棚の上」が最も現実的かつ強度が確保できる配置といえるだろう。またテレビのアンテナポートとLANポート周りが一緒になっており、テレビの側に置くのがスッキリするのなら、せめてテレビの裏に隠さず横に置くなどして、少しでも遮蔽物を無くしてしまいたい。

壁際の棚の上など、なるべく障害物を避けながら、見栄えの良い場所に設置したい(Image:アイ・オー・データ機器)

■いっそデザインの優れたルーターで、見せる前提のレイアウトもあり



すでにルーターをレンタル/購入済みであれば、ここまで紹介したポイントを踏まえて、部屋の景観と実用性のバランスを取った設置位置で改善を狙うことになる。もしこれからルーター購入を考えているというのであれば、もう少し打てる手は増える。

まず1つは、そもそもデザインが優れたルーターを選ぶこと。上述のような情報を発信しているということは当然、メーカー各社も設置性の問題は把握しているわけで、リビングの目に入るところに置いてあっても嫌にならないよう、スッキリとしたデザインのモデルをラインナップしている。さほど広さのない1人ぐらしの部屋などなら、 “見せる” 前提でモデル選定をするのが安上がりだ。

またアンテナが外付けになっているモデルであれば、そのアンテナの角度を調整することで、少し物陰に隠した設置が行える可能性がある。もちろん電波を遮らないに越したことはないのだが、アンテナの角度を変えることでその向きへの電波を強くすることができる。テレビやパソコンが置いてある方向、自分が部屋の中で一番長く過ごす場所などにアンテナを向けることで、多少なりとも改善が狙える。

アンテナの向きを調整することで改善できることも(Image:アイ・オー・データ機器)

続いて、もっと広い住居でWi-Fiを隅々までカバーさせたい場合は、メッシュWi-Fiの導入を考えたい。これは対応ルーターとサテライト(中継機)を組み合わせることで、メッシュ(網の目)のように電波のカバー範囲を広げるというもの。ルーターに加えて中継機も設置することになるので、設置のレイアウトを考える手間は増えるが、家中どこでも快適なパフォーマンスを実現したいのなら検討する価値のあるスタイルだ。

メッシュWi-Fiを構築することで家中をカバーできる(Image:ネットギア)

■意外な盲点、そのLANケーブルは古くない?



さて、新しいハイスペックなルーターを入手した、設置位置も悪くないはず、それなのに速度がでない。もちろん建物全体の戸数など様々な要因が考えられるのだが、実は以外なところがボトルネックになっているかもしれない。それがLANポートとモデム/ルーターをつなぐLANケーブルだ。

LANケーブルをよく見てみると小さく「CAT.○」などという標記がされていないだろうか。LANケーブルにはカテゴリが設けられており、これによって最大通信速度が決まっている。いくら契約プランが早く、ルーターも最新であったとしても、途中のLANケーブルが100Mbpsまでしか対応していなければ、MAXが100Mbpsになってしまうのだ。以下がカテゴリ別の最大通信速度となる。

・CAT.5 = 100Mbps
・CAT.5e = 1Gbps
・CAT.6 = 1Gbps
・CAT.6A = 10Gbps
・CAT.7 = 10Gbps
・CAT.7A = 10Gbps
・CAT.8 = 40Gbps

もしずっと前に手に入れたLANケーブルを使いまわしている、というのであれば、一度ここを見直してみるのもいいかもしれない。



もはや生活に欠かせないインターネットがサクサク使えないと、そのイライラは大きなものになる。日々ストレスを抱えないためにも、少しの工夫で改善できるかもしれないので、ぜひ試してみてほしい。

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