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【コラム】iPhone/iPadのDTCP-IP対応、現状と今後の課題

公開日 2012/11/30 10:00 編集部:風間雄介
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iPhone/iPad向けのDTCP-IP対応アプリがついに登場した。パケットビデオの「Twonky Beam」(関連ニュース)だ。

DTCP-IPという言葉をご存じ無い方のために、解説を少し加えよう。DTCP-IPのDTCPとは、「Digital Transmission Content Protection」の略。要するに著作権保護技術であり、主にDLNAでデジタル放送を配信する際に利用されている。IPは「インターネットプロトコル」を指す。DTCP-IPとは、ネットワークを通して著作権保護されたコンテンツを配信するための技術だ。この技術を利用すれば、DLNA/DTCP-IP対応のレコーダーなどサーバー機器から配信されたデジタル放送の録画番組を、おなじく同規格に対応した再生機器で視聴することが可能になる。

長年、iPhone/iPadがDTCP-IPに対応するのは難しいと言われてきた。DTCP-IPではパケットの有効期間を示すTTL(Time To Live)値を受け渡ししており、iPhone/iPad側で受信TTL値を管理する必要があったからだ。

だがこの10月にDTLAが規制を緩和。これによってTTL値を取得しない実装が可能になった。iOS機器でDTCP-IPを実現するための、最も大きな技術的障害が取り払われたことで、今回のTwonky BeamのDTCP-IP対応が実現した。

Twonkyだけではない。DLNA/DTCP-IP技術の高さに定評のあるデジオンも開発を加速させており、近い将来、DLNA/DTCP-IPに対応したiOS向けプレーヤーアプリを発表する見込みだ(関連ニュース)。これまではソフトバンクBBの専用チューナーとの組み合わせでしかできなかったiOS端末でのデジタル放送視聴が、一気に身近になりそうだ。

■DLNA/DTCP-IPの課題は「互換性」

今後のiOSにおけるDTCP-IPの課題は、何と言っても対応レコーダーの拡大だろう。Twonky Beamも、公式に対応しているのはソニーのBDレコーダーだけだ。

次ページDLNA/DTCP-IP互換性をどうやって高める?

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