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PR音質の決め手はドライバーの「角度」

約1.4万円でトップクラスのサウンドを体験!?EarFun初のハイブリッドイヤホン「Air Pro 4+」をチェック

公開日 2025/11/26 06:30 折原一也
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「フラグシップ」と聞けば、相応の価格を覚悟するのがオーディオ市場の常識だ。だが、EarFunはその常識に、真っ向から挑戦状を叩きつけてきた。

11月17日発売のEarFunの完全ワイヤレスイヤホン「EarFun Air Pro 4+」は、税込13,990円という価格設定ながら、その内部には同ブランドの「音質最優先」の思想と、一切の妥協なき最新技術が詰め込まれている。

「EarFun Air Pro 4+」(税込13,990円前後)

これは、単なる「コストパフォーマンスモデル」の延長線上の製品ではない。同ブランド初のハイブリッドドライバー構成 、独自の音響構造による音質設計によるポテンシャルが、価格帯の常識を遥かに超えるものであることは、音を聴けば明らかだ。

今回はそんな「EarFun Air Pro 4+」、サウンドの実機レビューをお届けしよう。

 

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BA+ダイナミックのハイブリッドドライバーを独自のオフアクシス配置音響構造「NSAA」技術で構成

EarFun Air Pro 4+の一番の技術的特徴は、同ブランドとして初めて採用したバランスド・アーマチュア(BA)ドライバーと10mmダイナミックドライバーを組み合わせたハイブリッド構成にある。

EarFunの完全ワイヤレスイヤホンでは初めてBA+ダイナミックのハイブリッド構成を採用する

注目すべきは、業界最小クラスを謳う自社開発BAドライバーと、独自のオフアクシス配置音響構造「Nano Side-Fitted Acoustic Architecture(NSAA)」技術の採用だ。

これは、特性の異なる2つのドライバー間で発生しうる磁気干渉を最小限に抑え、位相の整合性を取るため、11度の理想角度によるオフアクシス(軸ずらし)配置を行うものだ。

ダイナミックドライバーのパワフルな低音域と、BAドライバーの繊細な高音域、その音響特性を高精度で調和させ、全帯域でのスムーズな繋がりを実現するという、音響工学的なアプローチを採ることによって、ハイブリッド型ドライバーとしての完成度を高めているのだ。

2つのドライバーを11度の角度をつけて配置する「NSAA」。このわずかな配置のズレが、2つのドライバーを理想的に調和させるという

対応コーデックも万全だ。ハイレゾワイヤレス認証を取得し、クアルコムのSnapdragon Soundにも対応。これによりaptX Adaptive(aptX Lossless含む)、LDACコーデック両対応で、組み合わせるスマホに応じて高音質コーデックを選択可能だ。

aptX Adaptive(aptX Lossless)/LDACの2大高音質コーデックをサポート

そして、利便性の面で最大のトピックは、これも同ブランドでは初のLDACコーデックとマルチポイント接続の併用を実現したところ。LDACによる高ビットレート伝送による高音質再生と、2台同時接続の利便性は、設計上トレードオフの関係となるケースが多かった。これを意識せずLDACコーデックでマルチポイント併用可能となった本機は、実用上の大きなブレイクスルーと言える。

もちろん、フラグシップとして基本性能も抜かりない。イヤホン単体で最大12時間(ANCオフ時)、ケース併用で最大54時間という圧倒的なバッテリー持続時間を確保。さらにワイヤレス充電、10分の充電で3時間使用可能な急速充電にも対応する。

通話品質も6マイクとAI cVc8.0技術を採用。本体はIP55の防塵防水規格、アプリで有効化できる低遅延ゲームモード(50ms未満)も備えるなど、まさに万全のスペックが整えられている。

実用十分なノイズキャンセルと装着感

まずはEarFun Air Pro 4+の実機の外見から抑えておきたい。イヤホン本体はいわゆるショートスティック型で、装着感については本機はハイブリッドドライバー搭載もあり筐体はやや大柄な印象を受ける。実際に装着すると耳への密閉感が高いタイプで、付属するイヤーチップはXSからXLまでの5サイズと豊富と、安定した装着感重視としては好印象。

いわゆる「ショートスティック型」のデザイン
ノズルは一般的なイヤホンよりも太く短い楕円形。幾何学模様のフィルターで覆われている

ノイズキャンセル機能にはEarFun独自の「QuietSmart 3.0」技術を搭載し、最大50dBのノイズ低減を謳っている。実際に電車内や屋外に持ち出しテストしてみると、特に電車内の轟音や路上の車の騒音の重低音域をほぼ無音レベルまで抑えて、車の接近する音など中高域がやや残る形。なお、専用アプリからは「AI聴覚適応型ANCモード」なども選択可能だ。

EarFun Air Pro 4+を装着して試す折原氏

 

aptX Adaptiveで音質レビュー:緻密でシルキーな上質志向なサウンド

実際にEarFun Air Pro 4+のサウンドをチェックしていこう。aptX Adaptive、LDACコーデックを選べる本機だが、まずはスマホとaptX Adaptiveで接続。

YOASOBI「アイドル」から聴き始めると、そのサウンドクオリティの高さがすぐにわかる。音数が非常に多く情報が飽和しがちな楽曲だが、EarFun Air Pro 4+は音の密度が高く破綻を見せない。サウンドステージが広く、肉厚で重厚感のあるサウンドだ。

ボーカルはナチュラルかつ情報量志向で、特にシンバルや金属的なシンセサイザーの音、いわゆる「刺さりやすい」高音域が、耳に痛いどころか、むしろシルキーな質感をもって余裕で鳴らしきる。低音域には歪む寸前のようなパワーがあり、本機のキャラクターを決定づける巧みな演出だ。

この空間表現の巧みさは、米津玄師&宇多田ヒカル「JANE DOE」でさらに際立つ。冒頭のピアノの音色の刻みは、一音一音の分離が丁寧で、湿度感のある中高域がシルキーな響きを伴って空間に溶け込んでいく。コーラスパートが加わった際の立体的な音響構築も見事で、両ボーカルの定位も極めて明瞭だ。

ジャズの音源、ダイアナ・クラール「夢のカリフォルニア」では、アコースティック楽器の質感が試される。ピアノの音色は圧倒的に繊細で美しく、女性ボーカルも透き通るような実体感をもってセンターに定位する。

アコースティックギターの弦の擦れる音からウッドベースの胴鳴りまで、あらゆる情報量をナチュラルなまま、シルキーな聴き心地で描き切る実力は、まさに本機の素性の良さを示すものだ。

試聴を終えた後、ふと思い出した。EarFun Air Pro 4+はハイブリッドドライバー構成のモデルであることを。しかし、試聴中にはそれを全く意識させなかった音の「つながり」の良さが印象的だ。

ダイナミックドライバーが担う低音からBAドライバーが担う高音までの帯域間を、あまりにもスムーズに、一つのドライバーであるかのように繋がる。この高度なチューニングが、本機のサウンドの上質さを根底から支えている。

LDACで音質レビュー:鮮明さとニュアンスを加えた絶妙なサウンド

アプリからLDACコーデックを有効化し、EarFun Air Pro 4+の接続を切り替えると、本機が持つ音質ポテンシャルがさらに解放される。

LDACコーデックによるサウンドは、基本的なサウンドバランスはaptX Adaptiveに近いが、S/N感がより高まって聴こえる。「アイドル」で感じられたシルキーな高音域も、LDACではさらに解像感を増し、金属音としての実体感と響きの美しさが両立する。

歌声もビビッドかつ情報量と臨場感を備えたサウンドになり、質感表現にJ-POP特有のスピード感も見事に両立させている。肉厚な低音域は引き続きパワフルで、音楽的な楽しさを増すような情報量アップだ。

複数の高音質コーデックをサポートするEarFun Air Pro 4+。切り替えることで、表現力の違いが体感できる

「JANE DOE」においても、この情報量アップは素直に歌声のダイナミズムも向上につながる。歌声の立体感と感情表現といったニュアンスが豊かになるだけでなく、aptX Adaptiveでは聴き取れなかったような空間上に広がる微細なリバーブも感じられ、より実体感を増すようだ。

ダイアナ・クラール「夢のカリフォルニア」でも、ナチュラルな音色を基本としつつボーカルには艶が乗るようになり、音像がよりくっきりと浮かび上がる。それでいてアコースティックな響きの美しさを保ち、それどころかギターの音色、ウッドベースの音の立体感までより感じ取れるようだ。この絶妙なバランスこそ、EarFun Air Pro 4+が到達した高音質への完成形だ。

13,990円という価格設定で手に入るハイエンド級サウンド

実際にEarFun Air Pro 4+のサウンドを体験してみると、そのサウンドは当初の期待を遥かに超えるものだ。ハイブリッドドライバーの巧みなチューニング、独自の音響設計、そしてLDACとマルチポイントの両立 という技術はどれも本物。そして、aptX Adaptive、LDACコーデックでニュアンス程度に異なるサウンドを聴かせてくれる所が、遊び心を加えている。

そしてこのEarFun Air Pro 4+に13,990円という価格設定がなされていることが、もはや「価格破壊」と呼ぶべきレベルの戦略的価格であることは言うまでもない。これまで同ブランドに「コストパフォーマンス」のイメージしか持っていなかったオーディオファンにこそ、一度はそのサウンドを体験してみてほしい。そして、この価格で、この音質が手に入るという事実に驚かされるはずだ。


(協力:EarFun)

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