ゼンハイザーの “ブレないサウンド” が日常に溶け込む。オープン型完全ワイヤレス「ACCENTUM Open」を使ってみた
片耳使用にも対応しており、在宅ワークやオンライン会議でも柔軟に使える。内部には、AIノイズリダクションアルゴリズムと4基のマイクによるビームフォーミング機能を採用し、自然な通話がしやすい設計。さらに2台までのデバイスと同時ペアリングできるマルチポイント接続に対応していて、普段からプライベートとビジネスの両方で使いやすい。
説明書いらずで使える、超シンプルな使い勝手
もうひとつ、本機のカジュアル感を高めているのが、とにかくシンプルに割り切った操作性。もちろん取扱説明書は付属するが、これまで他の完全ワイヤレスイヤホンを使ったことがある人なら、説明書を見なくてもすぐ使い始められると思う。
基本操作は、スティック部分をタッチする直感的なコントロールで、再生や一時停止が可能。装着検知によるスマートポーズ機能も搭載する。その一方、スマートフォン向けの専用アプリなどは用意されていない。つまり、アプリからの音質カスタマイズ機能などは潔く省略。オープン型という仕様もあって、アクティブノイズキャンセリング機能も非搭載だ。
箱から出してBluetoothペアリングすればすぐ使い始められて、あとはイヤホンをタッチして操作するだけ。この、使いこなしのコツが一切ないシンプル仕様も、スムーズに日常に溶け込んでくれる要素である。
音質レビュー: “ゼンハイザーらしさ” がブレないサウンド
それでは、気になるサウンドをチェックしていこう。筆者の私物スマートフォン「Google Pixel 8a」と組み合わせて、リアルに日常生活の中で使ってみた。製品の特性上、周囲の環境音がサウンドの聴こえ方に少々影響するが、それも含めて楽しむのが良いと思う。先に言うと、カジュアルな製品でも基本のゼンハイザーらしさはブレないのがさすがだった。
まず静かな空間で使用して、Amazon Music HDで配信中の楽曲を再生し、基本の音質を確認。オープン型ならではの開放的なサウンドで、深みのある低音に広がりが感じられる。やや中〜低域に寄ったチューニングのおかげか、オープン型でも音が周囲の雑音に負けず、それでいて中〜高域の滑らかさもある。個人的には、アコースティックな楽器の音色が非常に心地よく感じた。オーケストラ楽曲なんかを聴くと、チェロやコントラバスなど弦楽器の低音が深く、じんわり沁み込むよう。
今どきのポップスでも、楽器系の音を主体とした楽曲は特に合う。藤井風「真っ白」(48kHz/24bit)は、スローでリラックス感のあるアコースティックギターのサウンドが実によく馴染む。深みのある低音が柔らかくハスキーなボーカルと相性抜群だし、ややジャジーで余白を感じさせるアレンジを開放的な音場が引き立ててくれる。
Ado「わたしに花束」(44.1kHz/16bit)は、バンドサウンドにストリングスとピアノが加わったアップテンポなアレンジが、開放的な空間に華やかに広がって、それを心地よい低音が下支え。Ado特有の鋭いシャウトだけでなく、明るさや優しさを帯びたボーカルニュアンスも生きてくるイメージだ。
低音はキレよくズンズン来るタイプではないので、エッジの効いたEDMアレンジなんかは少々物足りなく感じる人もいるかもしれない。とはいえ、打ち込み系でいうとCreppy Nuts「オトノケ」(48kHz/24bit)は、全体を通して鳴っているジャージークラブのリズムに丸く質感が伴うイメージで、これはこれで好印象。湿度を含んだオカルティックな世界観と調和している。
そんな本機をカフェなどで使うと、「周囲の音をある程度感じる中で、良質なサウンドが聴こえる」という感覚で楽しめる。“音楽に没入する” ではなく、“音楽と共に生活する” とでも言おうか。
さすがに静かな公共施設などでは音量に注意した方が良いが、カフェなど雑音が多い場所なら、音漏れも大して気にせず使えた。あと少し音量を下げ気味にしていれば、本機で音楽を流しながら誰かとちょっとした会話もできる。
いつもの日常にゼンハイザーサウンドが溶け込む
ACCENTUM Openを使う魅力をまとめると、“いつもの日常に高品位なゼンハイザーサウンドが溶け込んでくる” こと。軽量で装着性も良く、手の届きやすい価格でもあるので、カナル型イヤホンが苦手な人も手軽に試しやすいインナーイヤー型だと思う。
何より、TikTokやInstagramのショート動画を軽く観るのにマッチするカジュアルで使い心地重視のイヤホンと思いきや、音楽リスニングでは “ゼンハイザーらしさ” がブレないところが好印象だ。
(提供:Sonova Consumer Hearing Japan)
