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“圧倒的な進化” を評論家も実感。エディスクリエーション「SILENT SWITCH OCXO 2」&「FIBER BOX 3」を旧モデルと徹底比較

公開日 2024/12/26 06:30 園田洋世/生形三郎
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創立者であるウォン氏の真摯な取り組みに感銘した(生形三郎)


画期的かつ圧倒的な音質で人気を集める香港の新進ブランド、エディスクリーションの主力製品である「SILENT SWITCH」と「FIBER BOX」が、革新的なバージョンアップを遂げて帰ってきた。時期を決めた計画的なモデルチェンジは断固行わないというポリシーを持つ、ブランド主宰のエディソン・ウォン氏が送り出す新モデルは、従来機と外観こそ似ているものの、その内容と音質は実にドラスティックな変革が施されている。それは音を聴けば明白である。

この度、初代「SILENT SWITCH OCXO JPEM」のヘビーユーザーである筆者が、旧モデルとの徹底比較試聴を行なったので、新旧の音の違い、そして、果たして新モデルは買いなのかなど、詳細をレポートするのでご参考にしていただければ幸いだ。

まずは変更点をざっと確認しておこう。スイッチングハブである「SILENT SWITCH OCXO 2 JPSM」及び「SILENT SWITCH OCXO 2 JPEM」の旧モデルからの大きな変更点は次の4つである。

(1)同時発売の光アイソレーター「FIBER BOX 3」とクロックを同期して性能を向上させるシンクロナイズ・クロックバス・テクノロジーの搭載
(2)独立したSFPポートを新搭載し、SFP対応機器との接続や、2台の「SILENT SWITCH OCXO 2」の接続が可能となったこと
(3)近年に開発したリニア電源用ディスクリート回路による低ノイズ多段DC電源の採用
(4)新設計の点支持脚部やヒートシンクコアモジュールの採用

SILENT SWITCH OCXO 2は、ミュージックサーバーやネットワーク機器と接続可能なSFPポートを新搭載。SFPポートを使用しない場合は、ポートの電源をオフにできる


同じように新たな光アイソレーター「FIBER BOX 3」も、(1)シンクロナイズ・クロックバス・テクノロジーの搭載、(2)低ノイズ多段DC電源の採用、(3)新設計の点支持脚部の装備といった共通改良に加え、(4)新設計の光変換モジュールやケーブルの採用、(5)「SILENT SWITCH」と同サイズ同デザインへの筐体変更がなされている。

これらから分かるように、両モデルともに、基板レベルから刷新が実施されており、従来モデルから全くの別物へとバージョンアップされていることがよく分かる。聞くところによるとウォン氏は、両機の開発にあたり、シンクロナイズ・クロックバス・テクノロジー以外の要素だけではモデルチェンジするには至らないと捉えており、シンクロナイズ・クロックバス・テクノロジーが実現したからこそ今回のモデルチェンジに至ったようだ。

だが筆者にとっては、それ以外の要素だけでも十二分にモデルチェンジに値する音質向上を実感したことを予めお伝えしておきたい。またこの実感を通じて、ウォン氏が製品開発に対し如何に真摯に取り組んでいるか、ということを体感し感銘を受けた次第である。

音のレスポンスの速さが増しタッチをハイスピードで描く


さて、いよいよ新旧を比較しての感想だが、とりわけ「SILENT SWITCH」は、圧倒的な音質改善効果が得られると筆者は感じた。根本的な変化としては、明快な空間表現や音像表現が得られ、より透明性の高い音楽描写になることが大きな違いである。音の抜けが良くなり、音要素が展開するスケールが明らかに拡大されていることに気がつく。

特に、日本限定バージョンである特別仕様のJPEM同士の比較では、雲泥の差である。ハブに接続したネットワークプレーヤーの比較試聴では、新モデルでは鮮明極まりない音楽が押し寄せ、何時まででも音楽を浴びていたいという気持ちにさせられる。あらゆる音楽ソースがその魅力を全開で発揮し、極端な言い方に聴こえるかもしれないが、再生する音楽全てが魅力的な音楽に聴こえてくるのである。自身でも驚くほどに音楽へのリスペクトが噴出してきて、あらゆる音楽を傾聴してしまうのだ。

JPEMに搭載する超高精度CNCボディを採用したインシュレーター「Ripple Base Footer」。リップル・ウェーブ・ダンピング・テクノロジーは特許を取得している

また、「FIBER BOX」の新旧比較では、こちらも同傾向の進化が感じられるのだが、光変換で得られる音質変化に一層の洗練さが生み出されていると実感する。もともと筆者は、「FIBER BOX」の効用は、まるで良質なプリアンプを介したかのような音像の実体感や密度の濃さが得られると認識をしていたが、最新モデルとなる「FIBER BOX 3」では、その変化が一層ナチュラルかつ強力な効果となるのである。まさに正常進化という方向性だ。

旧モデル「FIBER BOX 2」(写真左)は縦長のデザインだったが、新モデル「FIBER BOX 3」(写真右)では新たなレイアウトを採用。サイズは幅270mm、奥行き220mmに変更され、SILENT SWITCH OCXO 2と同じ大きさとなった

天板は旧モデルが空気孔を設けていたが、新モデルは低い動作温度を実現した。そのため密閉が可能となり、空気孔だった箇所は音質に良い影響をもたらすハニカム構造に変更した

そして、シンクロナイズ・クロックバス・テクノロジーを利用しての同期効果だが、これにも驚かされた。両機のクロックをリンクしない状態では、それぞれ先述の効果が得られるだけだが、リンクを有効にすると、それらの効果に加えて、音のレスポンスの速さが増し、演奏のタッチがハイスピードで描き出されるのである。ピントがさらに定まり、先述のそれぞれの効果が一層高まり合う相乗効果を体感することができた。この機能は、ウォン氏が言うように、確かに大きなブレイクスルーと言えるもので、両モデルをペアで使うユーザーにとっては、極めて大きなアドバンテージである。

なお、筆者のように旧モデルを使っているユーザーにとって、今回の新モデルへの乗り換えはいかなる場合でも必須なのか、というところも気になるところだろう。結論から言えば、旧モデルのJPEMと新モデルのJPSMとの比較においては、好みの範疇にあると感じた。実際、両者ともに値段も近い。旧設計といえどもJPEMでは、良質なパーツをふんだんに使うことによる品位の高さが確保されているため、設計自体が古くとも、音の質感では勝っている部分もあると感じたからだ。

よって、シンクロナイズ・クロックバス・テクノロジーを利用しない環境であれば、旧モデルのJPEMでも満足度は高いと言える。しかし、JPEM同士の比較となると話は別である。先にも書いた通り、そこには圧倒的な差を感じざるを得ない。至高を求めるユーザーは、ぜひともJPEMをチョイスすべきであろう。

とりわけ、ネットワークプレーヤーへの効用は絶大と体感した。Qobuzが日本上陸を果たした今、その価値は計り知れないものとなるだろう。この効用はぜひとも皆さんの耳でお確かめいただきたいと強く思う。「SILENT SWITCH OCXO 2」や「FIBER BOX 3」が、ネットワーク周辺機器ではなく、立派なオーディオ・コンポーネントであるという考え方に、きっとご賛同いただけるに違いない。

(提供:株式会社タクトシュトック)

本記事は『季刊・Audio Accessory vol.195』からの転載です

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