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PRMDR-MV1は「開放型ハイエンド新世代の先駆け」

オーディオファンこそ要注目!ソニー初の“開放型”モニターヘッドホン「MDR-MV1」をウォークマンと組み合わせて聴いた

公開日 2023/04/12 06:30 高橋 敦
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立体音響制作には本来、十数台のスピーカーでエンジニアを取り囲んだ専用ミキシングルームが必要になる。しかしソニー・ピクチャーズエンタテインメント規模の映画制作現場でさえ、その設備は不足していた。

そこで開発されたのが、そのミキシングルームの音響をヘッドホンで再現する「360 Virtual Mixing Environment」(360 VME)技術。これによってミキシングルームの確保に悩まされず、さらにはリモート環境でも、立体音響の制作を進められるようになった。

そしてその360 VMEのプロジェクトにおいては、その実現に必須の性能を満たすヘッドホンとして「360 VME専用プロトタイプヘッドホン」も開発されたという。

明言はされていないが、そのプロトタイプを受けて今後の立体音響制作の基準機とすべく生み出されたもの。それがMDR-MV1ということだろう。

新型ドライバーによって低音域まで含めた超広帯域再生を実現



ステレオのみを前提としたこれまでのモニターヘッドホンとは生まれから違うMDR-MV1。開発目標として設定されたのは「ヘッドホンでの立体音響制作を高い次元で可能とし、ステレオ音源制作の質も高める、優れた空間表現と超広帯域再生」だったという。

前者「優れた空間表現」のために採用されたのが背面開放型の音響構造。ドライバーからの音をハウジング外に素直に逃し、ハウジング内での反射を低減させ、音源の空間情報を正確に再生する狙いだ。

ソニーのモニターヘッドホンとしては初めて開放型を採用

しかし開放型は一般に、低域再生能力の確保が特に難しく、後者「超広帯域再生」との両立は容易ではない。

そこで開放型向け専用開発ドライバーユニットだ。開放型に搭載した際に低音域の再現性、超高音域までの伸び、高感度を実現できるよう、シミュレーションと試作を重ね最適化した振動板を搭載。ドライバー前面/背面の通気を最適化する背面ダクトで、低域から中域の明瞭度を確保しつつ、低域の量感とレスポンスを充実させている。

プロの制作ツールとしての作業性の面においては装着の安定性や快適性も必須となる。

その実現に貢献しているのはまず、単純に物理的な軽さだ。40mm以上の大型ドライバーを搭載した開放型ハイエンド機としては最軽量級の約223gという軽さを達成している。実際の装着感も軽い。

イヤーパッドの貢献も大きい。スエード調人工皮革は肌触りも心地よく、径の大きさと十分な厚みによる、耳周りに余裕のある着け心地も特徴だ。修理部品として単品購入可能なので、長期の使用に向けても安心できる。

スエード調イヤーパッドなどによって装着感も良好

数時間ぶっ続けで作業するプロユースを想定したこの快適な装着性は、リスニングにおいても大変に嬉しいものだ。

同じくリスニング機としての観点からは、低インピーダンス/高感度仕様なのも嬉しい。特段にハイパワーなDAPやアンプを用意せずとも支障なし。リモート環境でのプロユースを想定した仕様と思われるが、我々にも都合が良い。

ケーブルはプラグ6.3mm/長さ2.5mのプロ仕様。しかし3.5mmへの変換ケーブルも付属し、DAP等との組み合わせにも不自由はない。

なおこのケーブルはMDR-M1STのそれと同じもの。ということは着脱式であることもMDR-M1STと同じくで、着脱プラグもそれと同型のロックリング固定式3.5mm/4極だ。

ヘッドホン本体とケーブルとの着脱部

最新ウォークマン「NW-ZX707」との組み合わせで音質をチェック



ここからは音質インプレッションをお伝えしたい。最新ウォークマン「NW-ZX707」との組み合わせにて試聴した。

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