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Direttaが開く“リアルサウンド”の次なる可能性。SPECの「RMP-UB1」を徹底解説

公開日 2020/12/03 06:45 ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈
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■Diretta USBブリッジの導入で、soundgenicはfidataの音に迫れるか!?

ホストにfidataを利用する場合でも、Diretta USBブリッジは同じように操作・再生が可能だ。fidata music appから、Direttaを有効化することで、レンダラーとしてDiretta ASIOを選択できるようになる。アップデートや追加のドライバー等のインストールは不要なので、複雑な設定なしで楽しむことができる。

fidata music appから「Diretta出力」を有効にする

ここでふと気になった。soundgenicもfidataと同等の機能を持っているので、もちろんDirettaホストとして動作する。それではこのsoundgenicにRMP-UB1を加えた場合、fidataの音に迫ることができるのだろうか?

Direttaホストに対応する最安価モデルとなるsoundgenic。エントリーモデルは3万円台から入手できる

soundgenicは3万円クラスで入手できるオーディオ専用NASとして、爆発的な人気を獲得している。振動対策や電源対策がなされたfidataに対して、ある意味「剥き出し」のsoundgenicは、ボードやアクセサリーなどオーディオ的にちょっと手を加えるだけで、驚くほどの音質変化を見せてくれる。

3万円のNASに20万円オーバーのDiretta USBブリッジは価格的にありえない……と思いつつも、これでfidataに迫るサウンドが実現できるならば結果的には安上がりなのでは? オリオスペックの酒井氏もにんまりしながらセッティングをしている。

SoundgenicのLANポートからDELAのS100に接続、S100からRMP-UB1に接続する

soundgenicにRMP-UB1を繋いで再生してみると、ダイアナ・クラールの歌唱力、特に低域の表現にグッと深みが生まれて、背筋がゾクゾクするような色気に引き込まれてしまう。soundgenicが少し苦手とする高域の硬さがほぐれ、三次元方向の表現力が増してくる。衝撃的な音質変化だ。

ただし酒井氏から注意がひとつ。「soundgenicにはLANポートが一つしかないので、fidataのようにブリッジへの直結はできません。音質的なグレードアップは明確に感じられますが、どうしても間にルーターやハブを挟まないといけないので、なかなかfidataと同等というわけにはいきません」。とはいえ、soundgenicユーザーにはいちど体験して欲しい組み合わせだ。

ちなみに酒井氏によると、fidataを使う場合のおすすめの接続方法は、背面の「for Network」をルーターまたはハブに接続、「for audio」とRMP-UB1を直結するという使い方だという。「送り出しとなるfidataと、受け手のRMP-UB1の間の結線は、なるべく直結した方が音質的には有利と考えられます」。

fidataにはLANポートが2つあるので、ひとつをルーターに、ひとつをブリッジに直結することができるため、音質的にも有利。ただし、オーディオグレードのハブを活用することで、soundgenicでもDirettaブリッジの恩恵は十分に味わえる

なお、結局USBを通ることになってしまうのだから、Diretta USBブリッジには意味がないのではないか、と考える方もいるかもしれない。しかし、実際の聴感を踏まえても、USB DAC直結よりも大きな音質的メリットがあると考えられる。原田氏の考えでは、「USB DACの手前の負荷を下げる、その負荷分散には意味があると考えています。USBケーブルでは電気的につながっているため、ノイズはそのままDA部に伝わり、アナログ変換の質に関わってきます。そこをネットワークで一旦切断することで、ノイズを遮断できるというメリットもありますね」。

■光ファイバー専用モデルもラインナップ!

ここでもうひとつ「秘密兵器」が出てきた。RMP-UB1のノーマルモデルにはRJ-45といういわゆる通常のネットワーク端子が搭載されているが、SFPと呼ばれる “光ファイバーネットワーク” を搭載したモデル「RMP-UB1SFP」も同時に発売することになったという。ちなみに価格はプラス4万円の258,000円(税抜)だ。

「RMP-UB1SFP」では、RJ-45の代わりにSFPポートが搭載される

光ファイバーによるネットオーディオの音質向上は、複数のメーカーが製品を投入してきており、現在のホットトピックのひとつでもある。SONOREのopticalRenduや、DELAのネットワークハブ「S10」「S100」にもSFPポートが搭載されており、さまざまな組み合わせプランが提案されている。オーディオグレードではなくても、バッファローなどからSFPポートを搭載した業務用ハブなども発売されており、光ファイバーによるネットワークの利用は、かなり身近なものになってきている。

このRMP-UB1SFPを使うためには、こういったSFP対応のハブ/メディアコンバーターが必須となる。ただしこの製品には、Diretta推奨商品であるDiretta Contornoシリーズの光トランシーバー2本と、SFP-LAN切り替えモジュール、それに1.0mと3.0m、20mのシングルモードの光ファイバーケーブルが付属する(注:初期ロットの付属ケーブルは1.0mと24m)。光ファイバーはさまざまな規格があり、誤った組み合わせでは導通しないなどの問題があるが、この組み合わせはすぐに再生できるようチョイスされている。

RMP-UB1SFPには、光トランシーバー2本(中央上2つ)とSFP-RJ45変換モジュール(中央下)、それに光ファイバーケーブル2本が付属する

なお20mは誤植ではない。2.0mではないのだ。いかにも長過ぎるようにも思えるが、音質的な配慮から、ルーターとオーディオ機器をなるべく離しておきたい、というユーザーからの要望を反映したものだという。ルーターは目に見えない高周波のノイズを発しており、実はここの音質対策がネットオーディオの大きな課題でもある。物理的に距離を離してしまうというのはひとつの解決策だ。

この組み合わせプランを考えた原田氏によると、「1階にネットワークハブがあり、2階にオーディオルームがある、というような場合にも安心して使っていただけます。光ファイバーはLANよりも細くしなやかで、取り回しがしやすいメリットもありますが、一方で曲げには弱いという弱点もあります。長めのケーブルならば、曲げの負荷をかけない取り回しが実現できます」とのこと。

DELAのネットワークハブS100を通してRMP-UB1SFPを聴いてみると、RMP-UB1とは明確な音の違いが感じられた。さらにS/Nが向上し、ダイアナ・クラールのヴォーカルに、体温まで伝わってくるような艶やかさが加わる。今後SFPポートを搭載したネットワークプレーヤーやNASの販売も期待できるため、そういった製品との組み合わせも楽しみだ。

なお、RJ-45端子を搭載するノーマルの「RMP-UB1」を購入したものの、やはり光接続を試してみたい、という場合は、有償のアップグレードにも対応する。山形県東根市の協力工場で、 SFPポートの設置やバックパネルの変更が可能で、アップグレード価格は50,000円(税抜/送料個人負担)。

着実に増えてきているとはいえ、SFPポート搭載製品がまだまだ少ない。まずはDiretta USBブリッジを試していただき、その後の光へのアップグレードもできるよう安心のサポート体制を整えているのも、スペックならではの考え方だ。

Direttaは、ネットオーディオをさらに次のステージに推し進める、新しい発想のテクノロジーである。そこに、「リアルサウンド」を志向しアナログ的な音質向上を積み重ねてきたスペックのノウハウが加わることで、まさにネットオーディオは次のステージへと進化することを確信させてくれた。

(提供:スペック)

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