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【特別企画】オプションのマイクの音質も全てチェック!

圧倒的なコスパを誇るZOOMのハンディレコーダー「H5」の実力を鈴木裕が検証する

公開日 2014/09/12 13:45 鈴木 裕
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H5本体の下部のXLR/TRSコンボジャック入力の端子から直接録音した音源を再生すると、その帯域バランスはほぼ元のまま。トーン的にもどこかに付帯音が発生したりしない。元の音を忠実にアキュレートにデジタル信号化させようという方向性だ。H5のA/Dコンバーター部の優秀さやノイズ対策などの出来の良さを感じる。こうした比較テストの経験のない人だったら、CDからリッピングした元のデータを再生したものと、いったん録音したデータを聴き比べてもその違いを言い当てるのは難しいかもしれない。

オーディオ的に言えば、音像が若干大きめになったり、アコースティックギターの音のテンションが少し強くなっていることがわかるが、それも使っているケーブル、たとえばデジタルプレーヤーとH5の間に使ったバランスケーブルのキャラクター程度の違いでしかない。このテスト結果には驚かされた。

■外部入力を拡張するXLR/TRSコンポ・カプセルの実力を検証

付属のマイクを取り外して付け替えられるオプションの中に、マイクではなく、XLR/TRSを入力させるためのEXH-6(¥7,810/税抜)が用意されている。手持ちの一般的なマイクを使う場合、H5本体の下部にある端子だけでは足りなくなった時に使用するものだ。ここにもK-03からのバランス出力を入力して録音。その音のクオリティを検証した。

「EXH-6」

「EXH-6」をH5に接続したところ

まだテストしたEXH-6が新品だったためか、多少若い音になったのは確かだ。たとえばボーカルの声が若やいだり、メタリック系のパーカッションの存在感が上がったりした。低音の音圧感も少し下がっている。こういった要素は使い込んでいくうちに端子部のエージングが進み、こなれていくことが予測できる部分だ。ただし、オーディオ的に細かく聴いてみると、H5本体の下部にあるXLR/TRS入力端子からの音と比較して、重心が高くなるのと、鮮度感は1ランク下がった。これは接触部が増えた要因によると思われる。それ以外はまったく遜色なく入力できる端子と報告したい。

■本体付属マイク「XYH-5」のクオリティをチェックする

まずはH5本体に付属のXYマイク・カプセル「XYH-5」のクオリティを検証した。基本的にXY方式のステレオマイクはセンターの音の密度が薄くならず、左右の分離の良い録音を実現しやすい方式だ。付属のXYH-5は、マッチング済みの単一指向性コンデンサーマイクを90度のアングルでクロス。防振ゴムを使用した新開発のショックマウント機構を持っているところに特徴がある。マイクケースが直接ダイキャスト製の台座に接触しないフローティング構造を採用していて、H5本体への物理的な振動がマイクに伝わるのを防いでくれるのだ。

本体付属のXYステレオマイク「XYH-5」

「XYH-5」をH5に接続したところ

しかもこのXYH-5は同社のハンディレコーダー史上最高の最大140dB SPLの耐音圧を実現。これは「50メートル先のジェット機の爆音を歪みなく捉える」ほどの高耐圧設計という。

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