オーディオテクニカ「ATH-CKR7」レビュー − 熟成された技術で更なる音の高みを実現

高橋 敦
2014年04月07日
オーディオテクニカのイヤホンに新たにラインナップされる「CKR」シリーズ(関連ニュース)。その中で希望小売価格1万5000円という価格帯に投入されるのが「ATH-CKR7」だ。上位モデルである「ATH-CKR10」「ATH-CKR9」が「DUAL PHASE PUSH-PULL DRIVERS(デュアルフェーズ・プッシュプルドライバー)」という新技術を打ち出しているのに対して、こちらはこれまで培われ熟成されてきた技術によって音を作り込んでいる。


ATH-CKR7

その基盤となるのは14mmと大口径の本機専用開発ドライバー。人気を博した“CKM”シリーズにも採用されていた「ダイレクトダイヤフラムマウント方式」によって、振動板の面積をより大きく確保している。

筐体はステンレスハウジング一体型スタビライザーと切削アルミニウムケースを組み合わせたハイブリッド構造。振動特性の異なる素材を組み合わせることで不要振動抑制効果をいっそう高めている。

ATH-CKR7の構造図。本機専用開発ドライバーをはじめ、熟成され完成度を上げた様々な技術が投入されている

ハウジング前面(というかノズルの出口)には高域用、ドライバーの背面には低域用の「アコースティックレジスター」フィルターを搭載している。またハウジング背面にはそのフィルターを通して空気を放出していると思われるスリットが見える。これらはそれぞれの帯域の音質を調整するパーツだ。

ノズルの出口には高域用、ドライバーの背面には低域用の「アコースティックレジスター」フィルターを搭載している。

ハウジング背面にはそのフィルターを通して空気を放出していると思われるスリットが見える。

ハイブリッド構造ハウジングという事前情報、そして手にしたときの重みから、がっちりと制動が効いたタイトな音を想像していた。実際に例えば上原ひろみさんの「MOVE」でのドラムスとベースはそういう傾向の描写だ。しかし中島愛さん「愛の重力」でのそれらは太くダイナミックだ。中低域の余計な膨らみを抑えることで、本来タイトな音はタイトに、本来太い音は太くという、その再現の幅が大きく確保されている。またベースは唸りやドライブ感もしっかり再現している。

高音側では、Perfume「Enter the Sphere」のシンセのエッジ、「愛の重力」のギターソロの歪みの倍音などを、少し暴れた感じにしてくれる。充実した低音にも負けない、ハードな高音描写もこなしてくれる。

シリーズ上位モデルのATH-CKR9/10はイヤホンらしからぬオープンな鳴り方が特徴的だが、こちらはイヤホンらしいイヤホンとしての完成度が高い。シリーズ内での選択肢を広げてくれる魅力的なモデルだ。