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一条真人の体当たり実験室

PS3のDLNA機能 徹底活用術<前編> PC向けサーバソフトの使い勝手を一斉テスト!

公開日 2008/12/26 16:31 一条真人
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・TVersity
 http://tversity.com/

トランスコード機能などを搭載しながら、フリーウェアで提供されるDLNAサーバーソフト。対応OSはWindows XP / 2000 / 2003 / Vista (only with UAC disabled)と幅広い。

ユーザーインターフェースは非常に使いやすく、ユーザーの目的に合わせたカスタマイズが可能であり、YouTube動画やインターネットビデオなどをブラウズすることも可能であるなど、一般的な製品版ソフトよりも多機能な面を持つが、まったく弱点がないわけでもない。

インターネットビデオにも対応するTVersity

現時点での弱点はインストール作業がやや煩雑であること。ウィザードに従っていけばいいのだが、そのステップが他のソフトと比較すると非常に多い。ただし、単にクリックしていけば通常は無事にインストールされてしまうので、特に問題を感じない方も多いだろう。また、インストール時の注意点として、Vistaではユーザーアカウント制御を無効にしなければインストール作業を進めることができない。

通常の処理ではあまり問題ないが、負荷の重い処理を行った場合など、たまにサーバーがダウンすることがある。とはいえ、サーバーを再起動すればいいだけなけなので、致命的な問題ではないかも知れない。なお、公開フォルダは、デフォルトではパーソナルユーザーフォルダのビデオとピクチャだけが選択されている。これはどちらかというと動画を目的としているTVersityのキャラクターのせいだろうか。

デフォルトの公開フォルダ

また、YouTubeやインターネットビデオ、インターネットラジオにアクセスする機能を搭載するなど、インターネットメディアにもいちはやく対応したのもTVersityの特徴だ。

・EyeConnect
 http://www.elgato.com/elgato/na/mainmenu/products/software/EyeConnect.en.html

Mac向けのDLNAサーバーソフト。最近、インテルCPUにも対応した。しかし、実際に動かすと、インテルCPUマシンでは全体にかなり動作が緩慢で、かつネットワーク接続も不安定であり、あまりお薦めできるものではない。

インテルCPUを搭載するMacBookでは動作が緩慢で、メディアサーバーエラーがよく発生した

これがPS3との接続の相性なのか、CPUがインテルであるための問題なのかはわからないが、Power PCのMacを使っているユーザーも、体験版で動作確認をしてから購入することをおすすめしたい

設定はシステム環境から起動でき、メニューなどは一応、日本語化されている。「設定」の「内容」で公開フォルダを確認、追加できる。デフォルトでは「〜のムービーフォルダ」などユーザーのメディアフォルダが設定されている

プラグイン機能によってiPhoto、iTunesに対応しており、登録されているメディアを共有登録する

ユーザーインターフェースはシンプルで使いやすく、メディアの管理機能なども悪くないので、安定して動作しないことが惜しまれる。価格は$49.95で、体験版は30日間フル機能で試用可能だが、期限を越えてもオーディオ形式の共有だけは使い続けることができる。

・MediaLink
 http://www.nullriver.com/products/medialink

Mac対応DLNAサーバーソフトで、PS3向けに特化しているのが特徴。このためPS3との接続性は良好で、動作も軽快だ。

インストール後、設定ダイアログが表示されるが、デフォルトのままでは共有が開始されない。ため、ユーザーがStartをクリックして共有を開始する必要がある。なお、設定ダイアログはシステム環境設定から起動できる。

起動時は共有が開始されていない

価格は$20だが、試用版では起動から30分が動作期限となる。Aperture、iPhoto、iTunesなどのアプリに対応しており、公開を特定のアルバム、曲などに限定することもできる。デフォルトではこれらに加え、ユーザーデータフォルダも公開に追加されているため、通常は、そのまま設定追加なしに使えてしまうだろう。

デフォルトの共有フォルダ

これは現在のDLNAサーバーのなかでは、もっとも気が利いたデフォルトの公開フォルダ設定と感じた。PS3ユーザーが何の設定もなしにそのまま使えることを意図しているのだろう。

■再生互換性に関して

今回は、再生データとして現在のPCでよく使われるMP3、AAC、WMA、ATRAC、MPEG-2、AVI(DV-AV)、WMV、DivX、MPEG-4 AVC(東芝gigashotで撮影)、HDV、AVCHD(m2ts)などを使用して、再生互換性を試してみた。

結果、MPEG-4 AVC(東芝gigashotで撮影)は、Diximを除くソフトでは音声なしで再生され、Diximでは再生されなかった。また、AVIに関しては再生できたのはTVersityだけだった。そして、EyeConnectはWMAが表示できず、m2ts形式も再生できなかった。なお、TVersityはAVI形式をMPEG形式に自動変換することで再生を行った。また、ATRACはすべてのソフトがファイル名も表示しなかった。

ということで、もっとも高い再生互換性を持つのはTVersityという結果になった。

■お薦めのDLNAサーバーソフトは?

以上のようなことから総合的に考えると、PS3をターゲットにした場合、Windows環境でお薦めのDLNAサーバーソフトはTVersity、Mac環境ではMediaLinkということになりそうだ。フリーウェアであるTVersityがこれだけ健闘したのは見事と言える。

次回はDLNA機能を搭載したNASやレコーダーについて紹介したい。


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