【無料配信中】『アンナチュラル』『けもなれ』『コタキ兄弟』必見の野木亜紀子脚本ドラマ3選
脚本家・野木亜紀子が手がけたドラマが、TVerで無料配信されている。いずれも傑作揃いのため、シルバーウィーク期間のいまこそイッキ見をオススメしたい。本稿では、無料配信中の3作品を紹介する。
『アンナチュラル』(2018年)

アンナチュラル
Amazon
不自然死(アンナチュラル・デス)の遺体を解剖して死因を解明するUDIラボ(不自然死究明研究所)の面々の活躍を描いた法医学ミステリー。主人公の法医解剖医・三澄ミコトを石原さとみが演じるほか、井浦新、窪田正孝、市川実日子、松重豊ら「UDIラボ」の面々による絶妙なチームワークが視聴者の心を掴んだ。
重いテーマを扱いながらも、UDIラボの軽妙な会話劇がエンタメとしての面白さを牽引し、米津玄師による主題歌「Lemon」が流れる完璧なタイミングも相まって、社会現象とも呼べる人気を獲得した。
一話完結型のスピーディーな展開の中に、緻密な伏線と社会問題(過労死、いじめ、ジェンダーなど)が巧みに織り込まれており、ドラマを観る楽しさが十二分に詰まった伝説的作品となった。
同じ世界線を共有する刑事ドラマ『MIU404』、そして両作品がクロスオーバーする映画『ラストマイル』もあわせて必見だ。
10月からは、石原が主演を務め、野木が脚本を手がける新作ドラマ『ポリティカルパン』の放送がスタートする。この黄金タッグの新作に備える意味でも『アンナチュラル』を見返す意義はあるだろう。
『獣になれない私たち』(2018年)

獣になれない私たち
Amazon
野木亜紀子の代表作である『逃げるは恥だが役に立つ』と同じく新垣結衣を主演に迎えた作品だが、作風は大きく異なる。松田龍平とのW主演で描かれる本作は、ポップなラブコメディではなく、理不尽な職場やすり減る人間関係など、ままならない大人の「辛い現実」を真正面からシビアに描いた。
本音を隠し、誰かのために自分をすり減らして笑顔を作ってしまう。そんな「獣のように本能のままに生きられない」大人たちの息苦しさを描いた本作は2018年の放送だが、社会の複雑さや閉塞感が増した今の時代のほうが、より深く心に刺さる人は多いのではないだろうか。
『コタキ兄弟と四苦八苦』(2020年)

コタキ兄弟と四苦八苦
Amazon
映画『リンダ リンダ リンダ』などで知られる山下敦弘が全話の監督を務めており、社会派なテーマをエンタメに昇華するいつもの野木作品とは一味違う、オフビートでインディーズ映画のような独特のゆるい空気が漂う異色作だ。
真面目すぎて生きづらい兄(古舘寛治)と、ちゃらんぽらんな弟(滝藤賢一)が無職になり、ひょんなことから「レンタルおやじ」を始める。不器用な兄弟の掛け合いが最高なのはもちろんのこと、彼らが通う喫茶店の看板娘・さっちゃんを演じた芳根京子が本当に魅力的で、彼女にしかできないキャラクターとなった。10月からは芳根の代表作となった『波うららかに、めおと日和』続編の放送も始まるため、芳根の演技の違いを味わう点でも本作はオススメの一作だ。
圧倒的なエンタメ性を持つ『アンナチュラル』、ビターな現実を突きつける『獣になれない私たち』、オフビートな笑いと人間賛歌に溢れた『コタキ兄弟と四苦八苦』。野木亜紀子の引き出しの多さを実感できるこの3作品を、時間のあるシルバーウィークにぜひ堪能してほしい。

