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200円割引割引券配布

中国ドキュメンタリーの傑作「長江にいきる」の追加上映が決定

公開日 2009/05/18 20:21 山之内優子
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世界の映画祭で受賞した中国ドキュメンタリーの傑作「長江にいきる」が、好評につき追加上映が決定した。


長江にいきるの1シーン
中国の一大国家プロジェクトの三峡ダム建設にともない、ダムのできる長江沿岸地域に住む19の県と市の合計140万人が移住を余儀なくされた。「長江にいきる 秉愛(ビンアイ)の物語」は、ダムによって水没する土地を耕作してきた女性、ビンアイと家族の姿を7年間に渡って記録したドキュメンタリー映画だ。

主人公ビンアイは雄大な長江の村に生まれ、意にそまぬ結婚、過酷な労働、ダムによる強制退去命令、子供の進学問題など過酷な現実に直面して生きてきた。しかしビンアイは時には国家計画に反対してまでも家族と土地を守り、生きようとする。中国人女性監督、馮艶(フォン・イェン)のカメラは、中国の現実の中に生きるビンアイの姿を、心をこめて映し出している。

富や地位とは縁のない、世界の辺境で労働に明け暮れて生きる一女性の姿を通じて、誇り高く美しく生きるとはどういうことか、あらためて考えさせられる傑作だ。

この映画は、原題「秉愛(ビンアイ)」として、2007年度山形国際ドキュメンタリー映画祭アジア千波万波部門小川紳介賞(グランプリ)、コミュニティシネマ賞を受賞。その後、ナント三大陸映画祭をはじめ、香港、北米、カナダ、スイス、イギリス、ベルギーなど数々の国際映画祭で受賞している。東京では、今春より、菊池信之氏による音響設計と監督の再編集を経て一般公開されたが、再上映希望の声が高く、今回、追加上演が行われている。

この映画に以下の絶賛の言葉が寄せられている。

小山内美江子(脚本家)
「農作業の手を休めることなく淡々と初恋を語るビンアイ。一変して、壮大なダムの国家計画に頑として反対する表情。終始化粧っ気のないどちらの顔も美しかった。それは自分の生き方に誇りを持っているからだ」

角英夫(NHKスペシャル「激流中国」プロデューサー)
「農村女性ビンアイの強さと可愛らしさと悲しみが、胸に迫ってきました。深く濁り、しかも深遠な色をたたえた長江が、その背後を静かに流れていることに心揺さぶられます」

ジャ・ジャンクー(中国映画「長江哀歌」「四川のうた」監督)
「権力と自由、生存の厳しさとの直面、生きる勇気を表現した映画である。中国人の精神の歴史そのものだ」


◯「長江にいきる 秉愛(ビンアイ)の物語」
監督:馮艶
中国/2008年/117分/DVカム/原題:秉愛
配給=ドキュメンタリー・ドリームセンター
公式HP http://www.bingai.net/

◯上映劇場情報:
・渋谷ユーロスペース
5月22日(金)まで 連日10:00
TEL/03-3461-0211

・ポレポレ東中野
5月30日(土)〜6月12日(金)連日13:00/16:00
TEL/03-3371-0088

・シネマート六本木
6月8日(土)〜19日(金) 連日13:00/16:00
6月20日(土)〜26日(金) 時間は劇場に要問い合わせ
TEL/03-5413-7711

※下記画像をプリントしてお持ちいただくと、学生、一般料金から200円引きになります。

本画像をプリントアウトして劇場に持参すると200円割引で入場できます

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