ソニー、RX最上位機が約10年ぶりに刷新、レンズ一体型コンパクトカメラ「RX1R III」8/8に発売
ソニーは、レンズ一体型コンパクトカメラ「RXシリーズ」の最上位機として、「RX1R III」の発売を8月8日(金)より開始する。価格はオープンだが、市場想定価格は660,000円前後(税込)となる見込み。
本機は2015年に発売された「RX1R II」の後継となるレンズ一体型コンパクトデジタルカメラの最上位機。イメージセンサーや画像処理エンジンを刷新して性能を向上しつつ、さらなるコンパクト化が図られている。
イメージセンサーには、先代の有効約4,240万画素から有効約6,100万画素へと高画素化されたフルサイズ裏面照射型「Exmor R」CMOSイメージセンサーを搭載。センサー表面にARコーティングを施したほか、光学ローパスフィルターレス仕様により高画素センサーの解像性能を最大限に引き出すという。
また、画像処理エンジンには最新の「BIONZ XR」を搭載。従来から処理時間を短縮すると同時に、静止画・動画撮影における画像処理能力は向上。被写体の質感やディテールを忠実に再現するとのこと。常用ISO感度は静止画/動画ともに100 - 32000、静止画では102400まで拡張可能。低感度時のダイナミックレンジは約15ストップを実現しており、階調の再現が向上。動画記録のフォーマットは最大4:2:2 10bit、XAVC S/S-Iをサポートする。
レンズは、焦点距離35mm、絞り開放F2のZEISS「ゾナーT*」レンズを搭載。レンズ一体型の利点を生かし、レンズ光軸とイメージセンサーの撮像面の位置をミクロン単位で1台ずつ最適化しており、光学性能の向上とレンズユニットの小型化を両立させたとしている。約236万ドットのXGA OLEDを採用した電子ビューファインダーも搭載し、高解像度・高コントラストをアピールしており、より快適に被写体を捉えることができるとしている。
背面のタッチパネルは約236万ドット、3.0型の液晶パネルを採用。屋外晴天モードに加え、周囲の明るさに合わせ手動で調整するマニュアルモードにも対応する。タッチメニューの操作もスムーズで、スタンバイモードではモニターを上にスワイプすることでファンクション(Fn)メニューにすばやくアクセス可能。
AF機能では、最新のAFアルゴリズムの搭載により、暗いシーンにおいてAF-SモードでEV -4.0の低輝度下でも高精度なオートフォーカス撮影を実現しているという。また “RX1Rライン” で初めて「AIプロセッシングユニット」を搭載。被写体の骨格情報を使って動きを捉える姿勢推定技術で、人物の瞳のみならず胴体、頭部の位置も高精度に認識。後ろ向きの人物や、顔の見えないシーンでも正確にトラッキング可能とのこと。
そのほか、AIを活用した機能として、シャッターボタン半押しで指定した被写体を自動追尾する「リアルタイムトラッキング」をサポート。認識被写体は、人物・動物以外にも鳥、昆虫、車/列車、飛行機にも対応する。
撮影機能では「クリエイティブルック」を搭載。新たにFL2とFL3を加えた全12種類のモードがカメラ内にプリセットされおり、好みに合わせた画づくりが選択できる。また、選択したモードをベースに独自の画づくりも可能で、細かい調整を行う場合はコントラスト/彩度/ハイライト/シャドウなど最大7項目から微調整が行える。
レンズ鏡筒にはマクロリングを備え、マクロモードへの素早い切り替えが可能。最短撮影距離20cm、最大倍率0.26倍の接写撮影にも対応する。
ステップクロップ撮影機能も備えており、35mm(約6100万画素)/50mm相当(約2900万画素)/70mm相当(約1500万画素)の3段階の画角からワンタッチで切り替えることができる。イメージセンサーとの組み合わせで、クロップしても高い描写力での撮影が可能だとしている。
本体塗装も刷新されており、新開発のアイアンブラック塗装を採用。塗料成分・密度・触感のバランスを細かく設計することで、均一な密度感のあるざらつきを再現したという。グリップにも新しいテクスチャーが施されており、小型でも滑りにくい質感になるよう配慮されている。
バッテリーは、一度の充電で静止画最大300枚の撮影が可能な「NP-FW50」を採用。また、USB Type-C端子からの給電もサポートし、PD対応機器と接続することで急速充電も可能だ。記録メディアはSDメモリーカード(UHS-I/II対応)。外形寸法は、約113.3W×67.9H×87.5Dmm、質量は約498g(バッテリー、メモリーカード含む)。
専用アプリ「Creators' App」への画像転送においても、従来からさらに快適性を追求。転送を開始したあとは、スマートフォンの画面をオフにした場合や、ほかのアプリに切り替えた場合でも、転送を継続するようグレードアップ。さらに事前に設定しておくことで、カメラの電源がオフの状態でもSDメモリーカード内の画像をWi-Fi経由で転送することもできる。



