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レコードやテープの音色まで再現するAI機能にも対応予定

HiBy、独自の第3世代R-2Rシステムを搭載したフラグシップDAP「RS8 II」。約60万円

公開日 2025/12/24 11:00 編集部:成藤正宣
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ミックスウェーブは、同社取り扱いブランドHiBy Music(ハイビー ミュージック)から、第3世代の独自D/A変換システムを搭載したDAP「RS8 II」を、2026年2月上旬に発売する。価格はオープンだが、市場では税込598,000円前後での実売が予想される。カラーバリエーションはゴールド/ブラックの2色展開。

「RS8 II」(ゴールド/ブラック)

同社DAPのフラグシップライン “RSシリーズ” の新モデルとして、ブランドが独自に開発したD/A変換システムの第3世代「DARWIN IIIアーキテクチャー」を搭載。

前モデル「RS8」で採用した「DARWIN IIアーキテクチャー」を全面的に見直し、プログラム処理能力を大幅に向上させたと同社は説明。圧倒的な処理性能を誇る高性能FPGA、独自設計のR-2R変換回路、左右チャンネルを完全分離した独立電源という3つの要素を組み合わせることで、これまで以上にアナログ音源に近い、自然で立体的なサウンドを楽しめるとする。

第3世代に進化した、ブランド独自のR-2R D/A変換システム「DARWIN IIIアーキテクチャー」を搭載する

44.1kHz/48kHzの2系統の高精度フェムトクロック水晶発振器も装備し、デジタル処理におけるジッターや位相ノイズを最小化。音の粒立ちや空間表現を向上させている。再生フォーマットは最大でPCM 1536kHz/32bit、DSD1024までサポート。MQA 16倍展開にも対応する。

アンプ部は、発熱と消費電力が多いがパワフルなクラスAアンプと、高効率で長時間再生ができるクラスABアンプの2種類の駆動方式を切り替え可能。

これに加え、新開発の「Adaptive Amplifier(アダプティブ・アンプ)」システムを採用。FPGAが再生中の音楽をリアルタイムに解析し、大きなエネルギーが必要なアタック音が発生する直前20ミリ秒(0.02秒)にクラスA、繊細なパートや静かなシーンではクラスAB、というように自動的に最適なアンプ駆動モードへ切り替える。この技術によって、クラスAの力強い音質と、クラスABの効率性を両立できるとアピールしている。

ヘッドホン出力として、4.4mmバランス端子、3.5mmシングルエンド(ライン出力兼用)を搭載。4.4mmバランスライン出力も備える。最大出力は、4.4mmバランスが812mW(32Ω)、3.5mmシングルエンドが210mW(32Ω)。

またデジタル入出力として、USB Type-C(S/PDIF兼用)に加えてI2S(ミニHDMI)を装備。据え置きオーディオシステムとの連携を含む、さまざまなリスニングスタイルに対応できるとする。なお、USBオーディオについては後日ファームウェアアップデートにて対応するとのこと。

3.5mm/4.4mmヘッドホン出力、4.4mmライン出力、USB Type-C、そしてI2Sと、据え置きオーディオシステムにも組み込める豊富な入出力を装備

OSは、Android 13をベースにカスタマイズを施した「HiBy OS」を採用。一般的なAndroid OSの仕様であるリサンプリング処理を回避し、あらゆるアプリでビットパーフェクト再生を楽しめる。

多彩な音質調整を実現するオーディオプラグインシステムも搭載。シンプルなEQ調整から、サウンドステージやダイナミクス全体を再構築するようなプロフェッショナルレベルの音質チューニング、原音そのままのビットパーフェクト再生、アップスケーリング再生まで自在に操れるとする。

通信機能においては、Wi-Fi 7およびBluetooth 5.3に対応。BluetoothではaptX Lossless/aptX Adaptive/aptX HD/aptX/LDAC/AAC/SBCコーデックによる送信をサポート。またファームウェアアップデートにてLDAC/AAC/SBCコーデックでの受信にも対応予定だという。

端末の動作を司るプロセッサーには、高い処理性能を誇るCPUとAIエンジンを兼ね備えるというクアルコムの「Dragonwing QCS8550」(Snapdragon 8 Gen 2相当)を採用。16GBのメモリーと512GBの内蔵ストレージを組み合わせ、音楽再生から複雑なオーディオ信号処理、アプリのマルチタスクも余裕を持ってこなすと説明している。micro SDカードスロットも1基備える。

クアルコムの「Dragonwing QCS8550」プロセッサーを搭載

そして、QCS8550の性能を活かした独自機能として、AI音響再現システム「Sankofa(サンコファ)」を搭載。“過去を振り返り、そこから学ぶ” という意味のガーナ語から名付けられた本機能は、レコードプレーヤー/MD(ミニディスク)/CD/カセットデッキ/リール式テープデッキ等々のクラシックオーディオ機器の音響特性をリアルタイムで再現できるとのこと。本機能についても、後日ファームウェアアップデートにて利用可能となる予定だ。

レコードプレーヤーやカセットデッキなど、往年のオーディオ機器の音色をAIで再現する「Sankofa」に対応予定。後日ファームウェアアップデートで利用可能になるとしている

筐体は、従来モデルのデザイン哲学を継承しつつ、力と革新を意味する「王冠(クラウン)」をモチーフに採用。1個のアルミニウムインゴットから、6種類のCNC精密加工プロセスと17段階の製造工程を経て成形されたのち、19時間におよぶ手作業の研磨によって仕上げられるという。ボリュームノブも王冠を模したクラウンデザインで、ダイヤモンドのように光を反射する幾何学的なカットを施している。

「王冠(クラウン)」をモチーフにした筐体

前面には解像度1,080×1,920の5.5型タッチディスプレイ、背面にはガラス製バックプレートを装備。剛性/耐久性を高めつつ放熱性にも配慮した。筐体形状はシャープでエッジの効いた印象ながら手のひらにしっかりと馴染み、快適に操作を行えるとしている。

背面にはガラス製バックプレートを装備

ほか、ブランド初の直列接続型バッテリー構造を採用し、6,000mAh/7.8Vの大容量を実現。ノイズが少なく、安定した高電圧をヘッドホンアンプに供給し、音質を下支えする。Adaptive Amplifierモード時の連続再生時間は、4.4mmバランスで約15時間、3.5mmシングルエンドで約17時間。満充電までの所要時間は約2時間だが、USB PD 80Wでの急速充電をサポートする。外形寸法は約75.7W×148.5H×24.1Dmm、質量は約411g。

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