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テレビ売り場に隣接して、魅力をわかりやすく発信

ビックカメラ有楽町店、“見ていて楽しくなる”新装プロジェクターコーナーが若年層を中心に注目度上昇中

公開日 2025/03/12 11:36 編集部:竹内 純
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モバイルプロジェクターに関心を持つ20代・30代が中心

 俄然、興味・関心が高まる“モバイルプロジェクター”だが、せっかく興味をもって家電量販店まで足を運んだのに、「展示がなかった」「商品はあるが映像が投写されていない」といったケースもまだまだ少なくない。

昨秋大きくリニューアルされたプロジェクターコーナー

そのようななか、お客様からのニーズの高まりをがっしりと受け止め、ビックカメラ有楽町店のプロジェクターコーナーが昨年秋に大きくリニューアル。プロジェクターの購入検討には見逃せない売り場として注目を集めている。

 ビジュアルコーナー・神谷優太氏は「プロジェクターを検討する人が増えています。SNSでこんなのが流行っていると店に見にいらっしゃる人の姿も目につきます」と盛り上がりを肌で感じている。

 

ビックカメラ有楽町店 ビジュアルコーナー・神谷優太氏

展示商品が大幅に強化され、「これまで展示していなかったものもあり、取り敢えずは店頭に出して、売れ筋やお客様の反応を見ながら展示する商品を選別していきました。気になるモデルはほぼ揃っているはずです」と胸を張る。

人気を集めるモバイルタイプを中心に、話題を集める照明一体タイプ、省スペースで大画面を実現できる超短焦点タイプ、さらに臨場感を高めるスピーカーを組み合わせたものまで、多彩な商品を体験することができるのが特徴だ。

モバイルタイプのプロジェクターを集めたコーナー

以前の売り場は、ハイエンドのオーディオ機器やスピーカーと隣接した位置にあり、ホームシアターとの連携には優れている反面、やや敷居が高い点は否めなかった。リニューアルで場所もテレビ売り場の横へ移動。「コンテンツを“観る”のにこういう方法もあるのかと、お客様に対して選択肢を広げることができました」と認知度アップへ手ごたえをつかむ。

 

テレビ売り場に隣接する

お客様は2030代が中心と若年層へ広がり、男女比には偏りは見られない。イヤホンコーナーもすぐ隣にあり、他の売り場を目的に来店されたお客様が、横目に見ていてつい気になり、立ち寄っていかれる例も多い。接客頻度はリニューアル前より大きく高まっているという。

 初めて購入するケースが大半。売れ筋は10万円前後

 来店されたお客様を見ると、漠然とした予算のイメージは抱いているものの、実際に売り場で商品を見て、「結構高いな」と感想を持つ人が少なくないという。

 「売り場では最安のものでも45万円します。冷蔵庫やテレビなどの家電とは違い、適正な価格がわかりにくいようです。価格の差となる解像度や明るさの違いなどを説明していくと納得され、最終的には10万円前後の商品に着地するケースが多くなっています」。

ニーズについては、「寝ながら使いたいという人も多いですし、天井に映したいという人もいらっしゃいます。主な用途は、寝室用、リビング用、そして、少数派ですが屋外でのキャンプ用です」。

 

安定した人気を見せる“照明一体型”Aladdin XAladdin X2 Plus

プロジェクターを初めて購入するケースが大半を占めている。そのため、投写されている商品を見て、「画面サイズはこの大きさだけですか?」「投写はこの距離だけですか?」といった質問も珍しくないそうだ。投写距離を変えれば画面サイズが変わることも決して一般的な常識ではなく、それだけプロジェクターののびしろも期待される。

 「テレビ番組は見られるのか?」との質問もよくあるそうだ。「チューナーが搭載されていないため、レコーダーを繋ぐ方法やHDMIを無線化できるアイテムをご案内しています。TVer(ティーバー)やHuluなど見逃し配信で楽しめればいいという人も少なくなく、地上波は見られたらいいというくらいの人が多いですね」。

 

質問の多いテレビの視聴方法を案内

一度の来店で購入までたどり着くケースは少なく、自宅ではどこに設置ができて、どれくらいの投写距離がとれるのか。売り場で説明を聞き、写真を撮り、パンフレットを持ち帰り、じっくり検討した上で再び来店される。「選定、決断が少しでもスムーズにいくように、購入に至るまでの段階をできるだけわかりやすくしていきたいですね」。

 お客様が納得のいく適格かつ丁寧な説明を心がける。「せっかく手にされるわけですから、後悔のない買い物をしていただきたい。価格差でクオリティが変わることもしっかりとご理解いただいています」。

 サウンドバーやBluetoothスピーカーを組み合わせ提案

 人気を集めている商品は、比較的安価なモバイルタイプでは、ANKERNebula Capsule 3」「Nebula Capsule 3 Laser」の両モデル。「ペットボトルのような形で持ち運びやすく、バッテリーも内蔵されています。昼間でもカーテンを閉めていただければ、リビングでも楽しむことができます」。

高い人気を誇るANKERNebula Capsule 3」「Nebula Capsule 3 Laser

ビックカメラ・ドットコムでも指名が多い商品だが、「初めて買う方はどのように映像が映るのかやはり気になるようで、売り場で実物を見て、そのまま購入してすぐにお持ち帰りになる方もいらっしゃれば、そこからまたネットで購入される方もいらっしゃいます」。なお、同モデルはインバウンド客からも人気を集めているという。

 少し高価なモデルでは、エプソン「EF-21」とフット付きの「EF-22」。「複雑な操作が不要で、好きな場所に置くだけで設置が完了することや、海外ブランドの商品が多いなかで、知名度が高い日本ブランドという点からも信頼を得ています」。

 

ポータブルタイプのプロジェクターの画質を比較できるコーナー。上段3番がエプソン「EF-22」、下段7番がエプソン「EF-21

モバイルでもシアター志向のお客様から人気を集めるのは、XGIMIHORIZON S Max」。「4Kプロジェクターのなかでは一番出ている商品になります。本当にきれいですよ」と画質を絶賛。その高画質を活かすため、臨場感を高めるサウンドバーをBluetoothでつなぎ、セットで提案する。

 

XGIMIHORIZON S Max」はサウンドバーとの組み合わせを提案

超短焦点レンズを採用したエプソン「EH-LS800」も堅調な人気を示す。120インチスクリーンに映像を映し出し、売り場でも目を引く存在だ。マランツのHDMI入力を搭載したプリメインアンプ「MODEL 40n」、POLK AUDIOのトールボーイスピーカー「MXT70」と組み合わせ、ホームシアター志向のお客様からの関心が高い。

 

120インチのスクリーンを構え、「いつもの部屋がシアタールーム」と謳うエプソン「EH-LS800

照明一体型のAladdin X「Aladdin X2 Plus」も人気商品のひとつ。「プロジェクターの中ではやはり知名度が高く、指名買いも多いですね」。

元々はオーディオ売り場出身という神谷氏は、プロジェクターで手に入る大画面の満足度をさらに高める“音”によるグレードアップにも注力。「ホームシアターまで組める人は数少ないと思います。『手軽にできるこんな手段もありますよ』と、先ほどお話ししたBluetoothによるサウンドバーとの組み合わせや、モバイルプロジェクターとBluetoothスピーカーを組み合わせた提案を随所で展示しています」とアピールする。

 

「プロジェクターとBluetoothスピーカーで簡単ホームシアターが作れる」と音をプラスする効果を訴える

「これ使ってみたいな」と思ってもらえる売り場に

テレビ、スマホ、タブレット、モニターなど様々なディスプレイの認知率の高さに比べ、「プロジェクターという選択肢を知らない人がまだまだ多いですね。どれにしようかと選択する際に、テーブルにも載せられていないことが多いと思います」と現在のプロジェクターの立ち位置にもどかしさを感じるという。

 

リニューアルした売り場はモバイルタイプだけでなく、ホーム用まで幅広く品揃えしてそれぞれの魅力や楽しみ方を伝えている

「隠れている潜在需要がどれくらいあるのかさえもわかりません。こうした売り場を通して、情報感度の高い人しかご存じでない現状を打破し、もっと多くの人にプロジェクターの魅力を知ってもらいたい」と訴える。

 今後の売り場のさらなる充実へ向けて、「スクリーンにまず手をつけたい」と話す。「お客様には使用環境や用途に応じてスクリーンを説明、お薦めしていますが、まずはナシで始めてみようという方がほとんど。場所もとるし、費用もかかります。しかし、壁が真っ白ではない方もいらっしゃいます」。

 展示するスクリーンの種類を増やし、状況に応じて必要となる工事代などをわかりやすく解説したPOPや白壁とスクリーンの比較投写などを構想している。「スクリーン導入のメリットをわかりやすく伝えて、選択肢として検討できるようにしていきたいですね」。

話題を集める「AWOL VISION」の展示も見られる

「もっと見ていて楽しくなる売り場にしていきたいですね。購入を迷っていた人へ『これにしよう!』と背中を押したり、ふと立ち寄った人に『これ使ってみたいな』と思ってもらえたり、リアル店舗は実物を見せられる、触れていただけるのが最大の強みですから」と力を込める神谷氏。「あれ何だろうなと気に留めて見てもらいたい。そのためにもまずは、入り口に立ってもらわないと」とプロジェクターの魅力発信へ腕を鳴らす。

 

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