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次世代技術「トリプルアンプシステム」搭載

Astell&Kern、クアッドDAC構成の新DAP「A&ultima SP2000T」。真空管アンプも採用で3つの音色切り替え可能

公開日 2021/09/17 11:00 編集部:川田菜月
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アユートは、同社が取り扱うAstell&Kernより、ハイレゾ対応ポータブルプレーヤーの旗艦ライン「A&ultima」シリーズの第4弾モデル『A&ultima SP2000T』を、10月15日から発売する。価格は329,980円(税込)で、アユート直販サイト「アキハバラe 市場」をはじめ、家電量販店、オーディオ専門店で販売される。

『A&ultima SP2000T』

同時に専用リアルレザーケース「A&ultima SP2000T Case」をアユート直販サイト限定で発売。製品付属のケースと別カラーで、いずれもベジタブルタンニングレザーを採用。Minerva製レザー使用のBlack、Pueblo製レザー使用のOliveと2色をラインナップし、価格はいずれも14,980円(税込)。

別売の専用レザーケース

A&ultima SP2000Tは、シリーズ初となるクアッドDAC構成を採用したハイレゾ対応DAP。8月に海外発表されたモデルで、国内発売日および価格が決定したかたち。本体色はOnyx Black。

製品名のSP2000Tの “T” は、「製品開発プロセスにおける設計アプローチと方向性を表した」としており、「True:SP2000の真の理念の継承」「Triple:トリプルアンプシステム」「Timeless:時代を超えた価値」「Tube:真空管アンプ」を意味しているという・

SP2000Tでは、Astell&Kernが「最高のオーディオ技術の集大成」とする従来モデル「SP2000」のオペアンプ構成に加えて、真空管アンプを搭載。組み合わせにより、異なる3つのサウンド特性を切り替えられる次世代アンプテクノロジー「トリプルアンプシステム」を実現した。

トリプルアンプシステムでは、通常の「OP-AMP(オペアンプ)モード」と「TUBE-AMP(真空管アンプ)モード」、そして両モードの利点を組み合わせた「HYBRID-AMP(ハイブリッドアンプ)モード」の3つを切り替えて音色を変化させることができる。

OP-AMPモードでは、Astell&Kernのアンプ技術のノウハウを活かして、クリアでダイナミックなサウンドを実現。TUBE-AMPモードでは真空管アンプの持つ独特の温かみある音楽的なサウンドを提供するとしている。

新開発したHYBRID-AMPモードは、OP-AMPモードのサウンドをベースに、TUBE-AMPモードの音色を加えることで、「まったく新しい音色特性」を楽しめるとする。真空管アンプの温かみのあるアナログ性能とオペアンプの高解像度の透明感を組み合わせて、より音楽的なディティールを表現するとしている。HYBRID-AMPモードでは各アンプの最適比率を組み合わせた5つのパターンを用意し、ユーザーの好みに合わせて選択できる。

HYBRID-AMPモードで、オペアンプ/真空管アンプの両方の特性をうまく組み合わせた、新しい音色を楽しめるとする

真空管にはポータブル用途に適したデュアルトライオード真空管「KORG Nutube 6P1」を採用。約30,000時間の連続再生が可能で、トライオード真空管と同じ動作をするアノード・グリッド・フィラメント構造を採用することで、大幅な小型化と低消費電力化とともに、倍音豊かなサウンドを実現したとする。

出力端子は3.5mmヘッドホン出力(光出力兼用)と、2.5mm 4極/4.4mm 5極バランス出力を本体上部に搭載。真空管アンプは全ての出力タイプに対応しており、その特性を幅広く楽しめるとしている。また無負荷時で、バランス接続は6.0Vrms、アンバランス接続は3.0Vrmsの高出力を実現する。

DAC部には、ESS Technology社のオーディオ用最新DAC「ES9068AS」を4基搭載。上述の通りクアッドDAC構成は初採用となる。1チャンネルあたり2基のDACで専用のデコードを行うことが可能で、よりきめ細やかでバランスのとれた、奥行きと空間のリアリティに優れたサウンドを再生するとしている。

ESS製の最新DAC「ES9068AS」を4基搭載

PCMは最大384kHz/32bit、DSDは最大22.4MHz/1bit(DSD512)のネイティブ再生に対応する。MQA音源の再生も可能だ。また、動画/音楽ストリーミングサービス「V-Link(Movie/Music)」機能や、音楽ストリーミングサービスアプリ等をインストール可能な「Open APP Service」機能も備える。

本体デザインは、大型化にともなって改良。従来機「SP2000」からのつながりを意識しつつ、カラーや素材、仕上げなど差別化を図ったとのこと。内部設計においては、小さな衝撃や振動でもノイズが発生しやすい真空管アンプを採用したことから、ノイズ対策を徹底したとする。

具体的には、真空管の両面を柔軟なシリコンカバーで固定し、真空管をモジュール化してプリント基板と物理的に分離。機械的な衝撃や振動を最小限に抑えている。また、磁力でアンプを空中に浮かせた分離構造をとることで、機械的な衝撃や振動を受けたときに発生する真空管自体からのノイズを徹底抑制する。さらに、従来製品でも用いられているシールド缶に、導電性の高い超高純度銀メッキを施し、より優れたオーディオ性能を実現したとする。

モジュールには主要回路を一体化したサウンドソリューション「TERATON ALPHA(テラトン アルファ)」を搭載。従来モデル「A&futura SE180」にも採用されたもので、効果的なパワーノイズ除去、効率的な電源管理、歪を最小限に抑えた増幅などを実現し、原音に近いオーディオ再生を行うとしている。

新機能として、音量の異なる音源を同一の音量レベルに調整する「リプレイゲイン」を搭載。192kHz/24bit までの音源に対応。これにより作成したプレイリストのトラック間における音量レベルの差をなくして、一貫した音量でシームレスに楽しめるとする。

Bluetoothはバージョン5.0に準拠、コーデックはSBC/AAC/aptX HD/LDACをサポートする。また「BT Sink」機能を備え、本機をBluetoothレシーバーとして使用し、スマートフォンからの音楽を再生することもできる。

2.4GHz/5GHzのデュアルバンドWi-Fiをサポート、規格はIEEE 802.11 a/b/g/n/acに準拠する。同ネットワーク上にあるPCやスマートフォンからワイヤレスにファイル転送できる「AK File Drop」機能や、ネットワークオーディオ再生機能「AK Connect」も備える。ほか、EQシェアリング機能、カーモードなどにも対応する。

画面には5インチフルHDディスプレイを採用し、タッチ操作に対応。本体にはLEDライトを備え、再生中の曲のビット深度情報や使用中のAMPモードによって色が変化する。なおユーザー設定でLEDライトのON/OFFや、音源情報とAMPモード情報のどちらを表示するのかを選択できる。

LEDライトは背面部に搭載

内蔵メモリは256GB。microSDカードスロットを備え、最大1TBまで対応。入力端子にはUSB Type-C端子を備え、急速充電も可能。またUSB-DAC機能、USB デジタルオーディオ出力にも対応する。

本体右側に備えたボリュームノブで、151ステップの音量調整が可能。左側には物理ボタンを備え、巻き戻しや再生/一時停止、早送りなどが操作できる。

容量4,200mAhのリチウムポリマーバッテリー内蔵で、連続再生時間は約9時間(FLAC 16bit, 44.1kHz再生時/アンバランス接続、Vol.50、LCDオフ、LEDオン、OP-AMPモード使用)。

専用のプレミアムリアルレザーケースを同梱。上述したとおり別売のケースとはカラーが異なり、同梱品はベジタブルタンニングを施したBADALASSI CARLO製の天然皮革を用いた「Napoli」カラーとなる。

同梱される専用ケースは「Napoli」カラー

外形寸法は約78.1W× 141H×17.5Dmm、質量は309g。S/N比(@1kHz)はアンバランス接続で121dB/バランス接続で123dB、クロストーク(@1kHz)はアンバランス接続で-137dB/バランス接続で-142dB、THD+N(@1kHz)はアンバランス/バランス接続ともに0.0003%となる。出力インピーダンスはアンバランス接続で1.0Ω、バランス接続で1.5Ω。

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