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無事にやり終えることができたと笑顔

パナソニック津賀社長、就任した9年間の振り返り。「社会へのお役立ちをいかに実現するかが経営である」

公開日 2021/05/10 19:08 PHILEWEBビジネス 徳田ゆかり
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パナソニックの2020年度の本決算説明会に出席した同社の津賀一宏氏は、代表取締役社長として迎えた最後の1年間の振り返りを次のように語った。

パナソニック(株)代表取締役社長の津賀一宏氏

「2020年度、コロナの影響はまったく予想ができなかった。そんな中で安全第一に、やれることは何かを皆で知恵を出し合った。海外の感染状況が大変だったので、国内、中国が業績をひっぱる、という認識でスタートした」

「一生懸命やった結果として、従来は出せない利益率までいけた。ただ長期的に経営する立場としては固定費の削減だけでは先につながらないので、じっくりした経営をやる。まだ普通の状況ではないので、どう利益をつくっていけるかは今年度上期の様子を見ながらか。必要であれば迅速に対応する」。

また、就任した9年間の取り組みに対して「気がつけば9年が経ったという実感。当初からやるべきことがはっきりしていたというよりも、走りながら皆で対応してきた」

「競争環境の変化の中で、従来のパナソニックの事業が痛んでいったのが明らかだった。社会環境や社会の変化が、事業に求めるものを変えてきた。そんな中で、社会へのお役立ちをいかに実現するかが経営であると思う」

「日本中心、家電中心、そしてテレビ中心の状況から、より暮らしに密着して家電も白物に軸足を置き、グローバル経営へと変化したが、それを手探りで地に足をつけてやってきた。その結果今の変化がある。幸い9年を無事やり終えることができたというのが正直な実感」

「新しいCEOには、解決できていないことがまだ山積みとのスタンスでスタートしてもらい、改善につぐ改善を進めてほしい」と語った。

さらに、赤字事業対策についての2年間の取り組みに対しては、「長期的に厳しい事業を先手でやってきた。いい時も悪い時もあり、中期計画の中で明確に残った赤字事業への構造改革を進めてきた」

「事業はそう簡単に改革が終息したり、売却したりできるものではない。どんなかたちでお客様やステークホルダーと合意を得て前に進めるか、今も一生懸命やっているところ。より前向きな活動につなげられればそれがいい」と期待を示した。

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