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遅延が少ない専用コントローラーも

Amazonがクラウドゲーム「LUNA」発表。Fire TV Stickも高性能化、Zoomも対応

公開日 2020/09/25 08:45 山本敦
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米Amazonは現地時間9月24日に開催したオンラインイベントで、クラウドゲーム配信サービス市場に本格参入することを明らかにした。プラットフォームの名前は「Luna(ルナ)」。当初は米国から招待制のサービスとして立ち上げる。

Amazon初のクラウドゲーム配信「LUNA」が米国でスタートした

ソニーのPlayStation 5とマイクロソフトのXboxシリーズの新製品による対決が目前に迫る中、Amazonがクラウドゲーム配信というサービス形態でゲーム分野に本格参戦する。

Fire TV StickやPC、モバイル端末で手軽に遊べる

LUNAは定額課金制のゲーム配信プラットフォームとして提供される。カテゴリー分けされたタイトルから好みのゲームを選んで遊べるLuna+Channelは月額5.99ドル。スタート当初は100タイトルを超えるゲームが揃い、徐々にバラエティを拡充する。米国では招待受付が9月24日から始まっている。

Luna+Channelは月額5.99ドル

スタート当初は100タイトルを超えるゲームが揃う予定だ

LUNAはクラウド型のオンラインゲームストリーミングはAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)をベースに構築されている。ゲームはFire TVシリーズのストリーミングデバイスやPC(Windows/Mac)、スマートフォン、タブレットで楽しめる。モバイルは、当初はWebアプリからスタートし、iOS/Androidネイティブ環境への展開を予定する。

専用のゲームコンソール(=ハードウェア)を必要としないことを特徴としている。ユーザーはゲーム機のファームウェア更新やアップデートにかかる手間からも解放され、純粋にゲームを楽しむための時間に集中できる。

ゲームは様々な種類のデバイスでプレイできる

モバイル端末でも手軽に遊べる

「アサシンクリード」シリーズに代表される人気作品を手がけるUBISOFTなど人気クリエイティブスタジオが、サービスイン当初からパートナーとして加わる。

UBISOFTのチャンネルには人気のゲームタイトルが揃う

クラウド直結型のゲームパッド「Luna Controller」も発売

AmazonからはLUNA対応のワイヤレスゲームパッド「Luna Controller」も発売される。ベータテスト版の価格は49.99ドル(約5,300円)。

専用のワイヤレスゲームパッド「Luna Controller」

米AmazonのEntertainment Devices & ServicesのVice PresidentであるMarc Whitten氏は専用ゲームパッドの特徴について「Cloud Directの技術により、Wi-Fi経由でゲームコンテンツが揃うAWSサーバーに直接接続する。そのため、ワイヤレスゲームパッドなのに操作遅延を極限まで抑えられる」と、イベントのプレゼンテーションの中で説明している。

Twitchとのサービス連携について語るAmazonのMarc Whitten氏

例えばFire TV StickにBluetoothでゲームパッドを接続するよりも、クラウド直結型のLuna Controllerであれば操作遅延を20mm秒も抑えられる。格闘系、シューティング系など入力操作に対するコントローラーのシビアな反応が求められるゲームの場合、不可欠なハードウェアと言えそうだ。

Cloud Directの技術により、Wi-Fi経由でゲームコンテンツが揃うAWSサーバーに直接接続。操作のレイテンシーを極限まで少なくした

LUNAのコンテンツを楽しむ場合、Fire TV StickやPCなどゲーム画面の表示に必要なデバイスとLuna Controllerは、それぞれユーザーのアカウントからログインしてAWSサーバーに接続するため、デバイスどうしのペアリングは不要。シンプルな機器設定を実現しているという。

今後AmazonではLUNAにより多くのゲームデベロッパをパートナーとして招き入れていく。また同時にAmazonが運営するゲームコミュニティ向けの実況プレイやイベント動画の配信プラットフォーム「TWITCH」にもLUNAへの動線をつなぎ、ゲーマーの参加を促進、コミュニティ育成にも本腰を入れて取り組んでいくとした。

LunaとTwitchのプラットフォーム間をシームレスに移動しながらコンテンツが楽しめるようになる

Fire TV StickもHDR対応に。価格は据え置き

LUNAを楽しむためのAmazon純正デバイスでもある、HDMI直結型のストリーミングプレーヤー「Fire TV Stick」は、年末まで4K対応モデル以外のラインナップがアップデートされる。

フルHD対応の「Fire TV Stick」は、映像はHDR対応、オーディオはDolby Atmos対応にそれぞれアップデートされる。付属リモコンからのAlexaによる音声操作も従来通り利用できる。デバイスのパフォーマンスは1.7GHzのクアッドコアプロセッサーの搭載により、第2世代のFire TV Stickと比べて約50%向上、駆動時の消費電力は約半分に抑えた。

日本でもスタンダードモデルのFire TV Stickの新製品については発売が決まった。価格は4,980円。9月30日からの出荷を予定する。

日本でも発売されるFire TV Stick

Fire TVのユーザーインターフェースのアップデートも年内に行われる。ハイライトは、ユーザーごとにプロフィールやメインメニューの画面がパーソナライズできるようになるほか、新メニューの「探す」を追加し、カテゴリー単位でのコンテンツ検索機能も強化する。

コンテンツの検索機能を強化する

またテレワーク用のデバイスとしても活用できるように、テレビに接続する際にロジテックのUSBカメラと連係し、ZoomやAmazon Chime、Skypeによる音声・ビデオコールが利用できる機能も加わる。

このほかにも米国ではエントリーモデルの「Fire TV Stick Lite」が29.99ドル(約3,100円)で発売されることがイベントで紹介されている。

米国ではエントリーモデルの「Fire TV Stick Lite」も投入される

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