学習効果を次々改善。上達の実感を高めるコーチングを今夏導入へ

教育×ICT「EdTech」で英会話スクールはどう進化した?取り組み加速する「イーオン」の実態

PHILE WEB ビジネス編集部・竹内純
2020年02月28日
■ビッグデータとアナリティクス技術で学習価値を進化

イーオンは、英会話スクールを取り巻くさまざまな環境の変化に対応し、新たな成長ステージへ牽引する新事業方針を「教室価値×EdTechのハイブリッドによりイーオンにしかできない新たな学習価値を創造し提供していくこと」と定め、デジタル化の取り組みを一段と加速してく。

1973年に創業したイーオンは、「語学学習を通してお客様と従業員の人生を豊かにし、世界と日本で活躍できる人材を育成すること」をミッションに掲げ、全国主要都市に直営253校の英会話教室を運営、生徒数は約72,000名におよぶ。TOEIC L&Rテスト950点以上の日本人教師263名、英検1級取得日本人教師270名を擁し、「英語学習の成功者とも言える“できる”日本人教師がいることが大きな強み」(同社代表取締役社長・三宅義和氏)と訴える。

(株)イーオン 代表取締役社長・三宅義和氏

訪日外国人・在留外国人の増加、eラーニングや音声翻訳機の普及による競合環境の変化、小学校の英語教育の早期化・教科化など、英語学習を取り巻く環境は急速に変化。「私たちも変わっていかなければならない」と気を引き締める。2018年1月にKDDI株式会社のグループの一員となり、シナジーを活かしたデジタル化の推進に注力。「この一年の間にも急速に強化されている」と手応えを掴む。

昨年は、教育とICTを組み合わせた「EdTech」の推進を標榜し、ビッグデータとアナリティクス技術を活用し、“生徒の上達に向けた学習効率の最大化”と“英語学習を快適に行える場の提供”を目指すプロジェクト「イーオン デジタルトランスフォーメーション (イーオンDX)」を強力に展開する。

2019年3月に第1弾として、カリキュラムと連動して、スマホアプリで手軽に学習することを可能とした「イーオン・ネット・キャンパスアプリ」をスタート。同時にレッスンの出席率や受講状況、自宅学習状況などをデータベース化した。第2弾「AEON NOTE」(2019年6月)では、取得したデータの分析結果を教師専用タブレット「AEON NOTE」で共有し、学習者個々の進捗や理解度に寄り添ったきめ細やかな個別指導を実現。「新人教師でもベテラン教師と同様のアドバイス、サポートができるようになったことが最大のメリット」とアピールする。

アプリとレッスンの連動が、“覚えやすく忘れにくい”学習を実現する

本年1月には第3弾「AEON Dr.English」を導入。“リスニング力”と“スピーキング力”の英会話力を自ら簡易に診断できるツールで、課題点を診断し、学習者の症状に合わせたお奨め学習法が処方される。4月からはeラーニングシステム「AI Study Design−Grammar編−」が開始される予定で、AIが学習者の学習履歴に基づき、苦手としている文法項目に絞った学習を用意。それを繰り返して学習することで、より効率的な学習を可能とする。

アプリにより空き時間の学習や反復学習を可能とし、レッスンでは集団の中で通じる力を養う。両者の連動が、“覚えやすく、忘れにくい”学習を実現する。さらに、生徒ひとりひとりの成長をデータとして記録した学習データバンクが、生徒カルテと連動してより強力なカリキュラムをつくりだす。英会話学習の過程で必ず生じる学習意欲の低下や停滞(プラトー)という課題に対しても、AIが早期に検知し、教室内のみならず教室外にもおよぶ多面的にわたり取得、蓄積したデータで、速やかなカウンセリングを行い早期に救出する。「業界の中で先陣を切ってデジタル化を推進してきた。さらに進めていきたい」と三宅社長は力を込める。

イーオンDXにより個別最適化学習が進化する

■レッスンに連動したコーチングを今夏スタートへ

2020年もイーオンDXをさらに深化。使ってみて、間違ってみて、記憶を強くし、太くする個々人に応じたレッスンに連動したコーチングを今夏をめどにスタートする。

初級者から上級者に至るまで、レッスンへの出席率やレッスン以外の学習時間、問題の正解・不正解、さらには学習者の気質に至るまで多くのデータを可視化した、ひとりひとりの学習データに基づくカウンセリング、コーチングをサービス化するというもの。さらに高次元の個別最適化学習を追求する。

データに基づき学習者の上達への実感を高めるコーチングのスキーム

トライアルでは、「データと人のハイブリッド」「目標の設定」「スクールレッスンでのモチベーションの維持」「性格やライフスタイルに応じた学習方法の採用」が、レッスンのパフォーマンスを向上するために重要となることを確認。TOEICなどの外部試験でも、コーチングによる上達効果が確認されたという。

イーオンDXが目指す将来像

同社経営戦略本部運営戦略部課長・向井崇浩氏は「現時点では、高品位なサービスを全国展開で提供するところまで進んでいるが、データを蓄積し、関係性を出すまでには至っていない。今後、教材コンテンツの高度化や学習ロードマップの構築など、人とITのハイブリッドにより学習者の学習効果を最大化し、イーオンの教室価値をさらに高めていきたい」と訴える。

(株)イーオン 経営戦略本部運営戦略部課長・向井崇浩氏

「英会話レッスン、それに付随した予習・復習がネットで繰り返し学習できること、そして、具体的なデータに基づく学習アドバイス・コーチング。どれか1つを提供している事業者は多いが、3つすべてを有機的に連動し提供できることがイーオンの強み」と語る三宅社長。イーオンにしかできない学習価値を創造する最高のサービス提供へまい進する。

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