市況は先行き不透明、楽観視できず

駆け込み需要による反動減に対し、払拭を目指した年末商戦は明暗分かれる <販売店の声・売れ筋ランキング12月>

PHILE WEB ビジネス編集部・竹内純
2020年02月01日
各モニター店のご協力のもと提供している「月間売れ筋ランキング」。売れ筋データと共に届けられた、最前線からの熱い声をお届けする。

■各カテゴリーで前月より大きく進捗
増税による駆け込みの反動の影響を強く受けた10月・11月に比べ、12月は全般的に安定した売れ行きとなり、各カテゴリーで前月より大きく進捗しています。プロジェクターでは、単純に対前年比の数字だけ取り上げると、前年はJVCからプロジェクター新製品の発売があったため厳しい数字となってしまいますが、エプソンの製品が台数面での牽引役となり、また、「Frame Adapt HDR」が評判を呼ぶJVCの製品が単価の引き上げに貢献しています。BDプレーヤーではパイオニアの人気商品「BDP‐LX800」が欠品したことが影響して、前月比・前年同月比ともに厳しい状況となりましたが、映像関連ではテレビの伸び率が顕著。大型の有機ELテレビがよく売れており、売上げは対前年比で約300%と大きく伸長しています。

オーディオ製品はいずれのカテゴリーも好調です。WEB-SHOPではヤマハのプリメインアンプ「A-S301」やデノンのCDプレーヤー「DCD-800NE」といったエントリーモデル、店頭ではB&WやDALIのスピーカーが牽引材料となり、前月比・前年同月比ともに大きく上回りました。ネットワークオーディオでは前月に引き続きBluesound「NODE2i」が売れ筋上位にランクイン。新製品の少ない今期(2019年)の中で、存在感を見せています。(アバック)

■縁の不思議、大切さに感謝する年末
令和元年の12月は、例年のような“年末感”には乏しく、通常月通りという感じでしたが、人とのつながり、ご縁を感じる感慨深い年末ともなりました。

以前、新築でホームシアターの取付けをさせてもらったお客様からの紹介で、その方の後輩が新築されるお宅にホームシアターを取り付けさせていただきました。家を新築するにあたり、先輩であるお客様のお宅に行かれ、実際にホームシアターを体験され、感動されたのがきっかけだそうです。

また、両親の家をリフォームするのでテレビの音を良くしてもらいたいと、アンプとスピーカーを取り付けに行かせてもらったお客様からは、ご自身も家をリフォームする予定なので、そちらもお願いしたいと依頼を受けました。また、そのリフォームを手掛ける建築設計士さんというのが、以前、他のお宅のホームシアターを一緒に手掛けた方で、再会をきっかけに、一緒にジャズバーにライブを聴きに行く仲になりました。縁の不思議、大切さに感謝する年末でした。(Tsubaki Audio)

■高額商品の購入に足踏み
当社創業以来、極めて厳しい年末となりました。特にAVに関しては、高額商品に対してなかなか購入にまで踏み切れないケースが多く見受けられました。例えばプロジェクターでも、イベントを繰り返し行い、その良さは十分に伝わっているはずなのに、販売実績としてなかなか結実しません。政府の行っているキャッシュレス5%還元策は、まさにそうした際に背中を押す役割を担うはずですが、恩恵を実感することはほとんどありません。好調だったオーディオにも陰りが見え始めています。いろいろな形でカード払いが増えてきているためか、資金繰りにご苦労されているようにも感じられます。1月、2月とさらに不安が募りますが、とにかく店頭では頑張って、販売へと結び付けたいと思います。(第一無線)

■令和2年も当分は先行き不透明の厳しい状況に
12月も消費税増税の駆け込み需要に伴う反動減の影響が尾を引き、対前年比では約8割と前年割れの状況が続いています。特にスピーカーとプリメインアンプの動きの鈍さが目に付きます。「キャッシュレス5%還元」がようやく浸透してきたのか、クレジットカードで支払う方が徐々に増えてきていますが、そのことが消費マインドをくすぐり、売りに結びつけていくような力強さを感じるまでには至っていません。令和2年の現時点での見通しはあまり芳しいとは言えないのが実情です。(テレオン)

■年明け早々明るい話題。奮起を期す一年に
昨年のカメラ業界は厳しい話題ばかりでした。しかし、年明け早々、昨年9月に開発発表がアナウンスされたニコンのデジタル一眼レフのフラグシップモデル「D6」が、米国ラスベガスで開催されたCESで参考展示が行われ、また、キヤノンからも1月7日、デジタル一眼レフのフラグシップモデル「EOS-1D MarkIII」が発表(2月中旬発売)されるなど、明るい話題が飛び込んできました。いよいよオリンピックイヤーを迎え、大いに盛り上げていきたいと思います。(ヨドバシカメラ)

オリンピックイヤーを飾るキヤノン、ニコンから発売となるデジタル一眼レフのフラグシップ機に注目と期待が集まる。写真はCESで展示されたニコン「D6」

キヤノンから1月7日に発表されたデジタル一眼レフのフラグシップモデル「EOS-1D MarkIII」

■右肩下がりの売上げに底打ち感
売上げがV字回復したわけではないのですが、右肩下がりだった状況は、どうにか底を打った印象です。ソニーのフルサイズが変わらず堅調な動きを示していることに加え、あまり大きな期待を抱いていなかったニコン「Z50」など意外な製品も売れており、顧客の嗜好が細分化しつつあることを実感するとともに、それに応えられる提案力が求められています。各社で催されたキャッシュバックキャンペーンが、購入の後押しとなりましたが、ニコン、キヤノンのフルサイズミラーレス一眼が、売れ筋上位にランクインできなかったことは寂しい限りです。ソニーの超望遠ズームレンズ「FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS」が販売好調で、野鳥シーズン到来を感じる1カ月ともなりました。(フジヤカメラ)

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