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超高精細映像の国際間伝送が可能に

NHKとNTT、共用IPネットワーク利用のスーパーハイビジョン国際間ライブ中継に成功

公開日 2011/02/22 17:32 ファイル・ウェブ編集部
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NHKとNTTは、共用タイプのグローバルIPネットワークを利用したスーパーハイビジョンの東京−ロンドン間ライブ中継を2月18日に実施。同形式でのスーパーハイビジョン国際間中継に世界で初めて成功した。

今回の中継は、大型スポーツイベントのハイビジョン映像を大画面で観賞するパブリック・ビューイングが盛んになってきている現状を踏まえた取り組み。両社の主な役割は、NTTがグローバルIP実験網の構築と高信頼・高速IP伝送技術を提供し、NHKがスーパーハイビジョンの撮影・表示装置と圧縮符号化、コンテンツ制作技術を提供している。これら技術の組み合わせにより、ハイビジョンの16倍の画素数を持つ超高精細映像・音響の国際間伝送と上映が可能となり、将来的には海外のスポーツイベントなどを、実際の会場にいるような雰囲気でパブリックビューイング会場で楽しむことができるようになるとしている。

今回のライブ中継に際しては、NTTの研究開発用テストベッドネットワーク「GEMnet2」や、米国「Internet2」、欧州「GEANT」、英国「JANET」などの研究教育用ネットワークを用い、東京都世田谷区のNHK放送技術研究所から、英国ロンドンのBBCを経由してNTT武蔵野研究開発センターをつないだグローバルIP実験網を構築。

中継システムの概要は、NHKが開発した符号化装置により、ベースバンド24Gbpsの映像信号をMPEG-4 AVC/H.264符号化方式でおよそ220Mbpsに圧縮したものに、48kHz/22.2chでトータル27.6Mbpsの音響信号をMPEG-2 AAC-LC符号化方式でおよそ1.9Mbpsに圧縮したものを組み合わせたのち、IPインタフェース装置により2つのIPストリームとして出力。

そのIPストリームを、NTTが開発した高信頼・高速IP伝送技術を用いて上述のグローバルIP実験網を介して伝送。受信側では、IPインタフェース装置およびNHKが開発した復号化装置と専用プロジェクターを用いて、映像/音声を再生する形式をとった。

今後とも両社は「互いの最先端技術を持ち寄り、スーパーハイビジョンのIPネットワーク中継に関して将来の標準となる技術を先導開発し、大型スポーツイベントや劇場中継などのスーパーハイビジョン・パブリックビューイベントの開催を検討していく」としている。

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