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年末年始特別企画

AVレビュー誌評論家・貝山知弘氏が選ぶ「ソフト・オブ・ザ・イヤー2009」

2009/12/30 AVレビュー編集部
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2009年に発売されたブルーレイディスクとDVDの中から、ストーリー(内容)、画質・音質に優れたタイトルを選び抜くAVレビュー誌の企画「ソフト・オブ・ザ・イヤー2009」。1月17日発売の2月号にて詳細なランキング等を発表いたします。本誌発売に先立ち、「ソフト・オブ・ザ・イヤー」選考メンバー5名が個人として推す、2009年ベスト3ディスクを紹介いたします。


「ソフト・オブ・ザ・イヤー」選考メンバー
AVレビュー誌執筆陣3名(貝山知弘氏、山之内正氏、大橋伸太郎氏)に加え、パイオニア及びエプソンの機器企画担当者にも参加頂きました。高音質AVアンプとしてマニアの注目を集める「SC-LX」シリーズの企画担当者であるパイオニアの山田喜行氏、及び透過型液晶プロジェクターとしての性能を極限まで極めた倉内新次郎氏の両名です。

ファイル・ウェブでは、全5回に分けて、それぞれのメンバーのが推す「優秀ディスク」コメントを紹介いたします。第4回目はAV評論家の貝山知弘氏です。


年間数百本を越す映画視聴をこなす貝山知弘氏
全メンバーが合意の上で選んだ「ベスト・オブ・ベスト」ディスクの発表及び選考議事録は本誌2月号でお読み下さい。

1位 ベンジャミン・バトン 数奇な人生 
わたしにとって好きでもあるし嫌いでもあるという複雑な映画です。「華」の魅力が全編に溢れているという点は大変好感を持っていますが、一方で役者の表情をいじった弊害があって、シーンによっては気持ち悪さを感じさせます。BDで観るとその痕跡が見えてしまいそうですね。ただ、悪い部分よりも「華」の美しさが圧倒的だったので1位に推しました。夜の公園のシーンはこの作品の白眉ですが、ここには人生のあらゆるものが凝縮されています。奔放な女性と人生を逆に生きる男。皮肉も非常に効いていましたね。


ベンジャミン・バトン 数奇な人生
ワーナー・ホーム・ビデオ WBAY22362(BD) ¥4,980
◆DETAIL
80歳で生まれ、年を取るごとに若返る数奇な運命の下に生まれた「ベンジャミン・バトン」の物語。出演はブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット他。BDは2枚組仕様。

2位 ある公爵夫人の生涯 
『ある公爵夫人の生涯』は実在の人物をベースにしていますが、その人物の実像がどこまで想像できるのかというのが鍵です。キーラ・ナイトレイは同じような役を他作品でも演じていますが、この作品の出来映えが際立って良かった。公爵家に嫁ぎ、子供を作ることだけを目的とした伴侶と一生付き合う彼女の、なにがあっても人生を生き抜く演技が素晴らしかった。映像的にも時代の「パースペクティブ」が非常に巧みで、空間の広さが存分に表現されています。当時の建物を可能な限り活かし、魅力的な時代劇に仕上げています。


ある公爵夫人の生涯
パラマウント PPWB-116983(BD) ¥4,935
◆DETAIL
18世紀のイギリスを舞台にした、公爵家に嫁いだ女性ジョージアナ(キーラ・ナイトレイ)の生き様を描いた魅力的な歴史大河ドラマ。BD音声は5.1chのドルビーTrueHD。

3位 チェンジリング  
この作品のポイントになる色は「赤」です。冒頭、主人公を演じるアンジェンリーナ・ジョリーの口紅の赤がかなりどぎつく、あまり好感が持てませんでしたが、シーンが進むうちに監督イーストウッドの狙いが分かってきました。過去の素材をリアルに描いた傑作で映画表現に一貫性があり、それが見失った息子をあくまで捜すという母親の気持ちとシンクしています。単に物語の芯が一貫しているとともに、サイドのラインは多元的な構造を加えている。まさにプロの技だと言っていいでしょう。単純なものの中に複雑な意味がある。これはわたしにはたまらなくいい。


チェンジリング
ジェネオン・ユニバーサル GNXF-1029(BD) ¥4,935
◆DETAIL
ある日突然、消えた息子。5カ月後に帰ってきた彼は別人だった…。クリント・イーストウッド監督、アンジェリーナ・ジョリー主演の実話を映画化したサスペンス・ミステリー。

「ソフト・オブ・ザ・イヤー」の全貌と議事録はAVレビュー2月号(1月17日発売)にて詳しくお届けいたします。

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