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HDMIの仕様表記ガイドラインが決定 − ケーブルはStandard/High Speedの2種類を規定

2007/10/17
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Leslie Chard(レスリー・チャード)社長
HDMI Licensing, LLCは、HDMI商標とロゴ使用に関するガイドラインを発表。これによりHDMI対応製品のメーカー各社は、同ガイドラインに沿ったかたちでHDMIに関する機能の表示を行っていくこととなる。

新たに策定されたガイドラインでは、「HDMI」や「x.v.Color」などのロゴ使用の詳細な規定が設けられたほか、バージョン表記に関する新たなルールを規定。製品の機能・性能の表記で「HDMI 1.3対応」や「HDMI 1.3互換」など、バージョンに言及した文言を使用する場合、「Deep Color」や「x.v.Color」といった具体的な機能の種類を明記することが義務づけられた。なお、HDMIに対応していることを各メーカーが表記する必要はない。

本日同社は、記者発表会を都内で開催。今回のガイドラインの説明や市場の状況などの説明を行った。


市場動向

発表を行ったのは同社社長のレスリー・チャード氏。まず同氏はHDMIに関する市場動向を説明。2007年までのHDMI対応機器の出荷台数はメーカー725社から約1億3000万台で、2008年には約10億台となる予定。「この数字はHDMIが大いに受け入れられている証拠で、2008年は10億台という数字をさらに上回る可能性もある。HDMIを採用する企業も急増しており、勢いはおさまらない」と語った。


HDMI採用企業数の推移

HDMI採用企業の地域別の比率
また、HDMI=ハイエンドというイメージも薄れてきており、北米では50ドルのDVDプレーヤーや429ドルの液晶テレビにも採用されているという。PC市場でもHDMIの普及が進んでおり、対応するPC本体やディスプレイも増加している。同氏は「2010年までにPC市場全体の35〜40%で家電とのコンバージェンスを実現できる見通しだ」と説明する。

今後の市場はについては「ポータブル機器やPCのHDMI導入が進むと予測している。また、HDコンテンツ拡大がHDMI普及のポイントだと考えている。放送に関しては、大きなスポーツイベントなどの放送が普及の起爆剤になる」と考えを示した。

PC市場でも採用メーカーが急増している

同社が行った調査結果。ユーザーの多くがHDMIの搭載を重要視している

PC購入の検討事項としても重要視されているという


HDMIブランディング・ガイドライン

今回策定されたガイドラインには、消費者に正しい情報を伝えるための規定が設けられた。「『1.3』であればDeep Colorやx.v.Colorなどに対応している」といった誤解を防ぐため、「HDMI 1.3」のみを表示することは禁止され、対応する機能名を付記することが義務づけられた。またその機能名についても、同じ機能なのに呼称が統一されていないものに関しては、呼称が統一された。具体的には、「Deep Color/Super Color/Extreme Color」は『Deep Color』に、「xvYCC/x.v.Color」は『x.v.Color』に統一される。

さらにそれらの機能には、機能名を表示するのに必要な最低条件も定められた。Deep Colorについては「色深度8bit超の伝送・処理・表示が可能であること」、x.v.Colorについては「sRGBの色空間100%以上の伝送・処理・表示が可能であること」が条件となる。

ケーブルについては、カテゴリー1は『Standard HDMI Cable』と呼称。「74.25MHz(標準HD)信号の伝送試験済み」であり、720p/1080i信号の伝送試験に合格していることを表す。カテゴリー2は『High Speed HDMI Cable』と呼称すると定められた。「最大340MHz信号の伝送試験済み」の製品で、1080p/60Hzの映像や、720p/1080iを含む、Deep Colorの信号伝送が行えることを示す。

発表会で行われた質疑応答の主な内容は以下の通り。

Q.オーディオに関しても表記方法に決まりはあるのか?
A.「表示するほうが好ましい」と推奨している。義務ではない。

Q.PC/ディスプレイの接続方式「UDI」や「Display Port」についてどう考えているか?
A.HDMIがPC用途として成功した要因の一つは、UDIが不要となったからだと思う。Display PortについてはHDMIとの関係について誤った情報が流れているようだ。まず、こちらとしては「なぜDisplay Portなどが必要なのか」と聞きたいくらいだ。Display Portを使うことでHDMIのパフォーマンスを改善できると言うことはない。また、Display Portはロイヤリティーフリーであると言っているが実際はそうではない。さらにDisplay PortはHDMIに対してバックワードのコンパチビリティがあるとしているが、これはない。それぞれのチップでの対応が必要になる。相互接続については、ドングルが必要となり、ユーザーにとってはコストがかかってしまう。

Q.このガイドラインはいつから有効になるか?
A.本日から全世界で有効となる。ただし、1年間の猶予期間を設けており、すでに生産されているものなどに関してはあてはまらない。これから新しいデザインで出荷するものから適用される。

Q.ケーブル製品では『Standard HDMI Cable』『High Speed HDMI Cable』の表示は義務となるのか?
A.今後、ケーブル製品についてはいずれかを表示する必要がある。

(Phile-web編集部)

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