HOME > ニュース > 「ローマの休日」ワンコインDVDは著作権侵害 − パラマウントが製造停止を申請

「ローマの休日」ワンコインDVDは著作権侵害 − パラマウントが製造停止を申請

公開日 2006/05/25 18:20
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

パラマウントが販売する「ローマの休日 製作50周年記念 デジタル・ニューマスター版」
パラマウント・ピクチャーズ・コーポレーションは、同社が著作権を保有している映画「ローマの休日」「第十七捕虜収容所」のDVDを製造・販売している(株)ファーストトレーディングに対し、差し止めを求める仮処分を申請したと発表した。

ファーストトレーディングでは、「CLASSIC MOVIES COLLECTION」と題して、著作権が切れた名作DVDを500円で販売しており、この中には「ローマの休日」などが含まれている。一方、パラマウントでは「ローマの休日 製作50周年記念 デジタル・ニューマスター版」(PDAA-202)を4,179円で販売している。

映画の著作物の著作権保護期間はもともと公表後50年だったが、2004年1月1日に施行された新法により70年に延長された。ファーストトレーディング社などは、2003年12月31日いっぱいで、1953年公開の映画の保護期間は終了したと判断、この保護期間を延長する規定は1954年公開作品から適用されるとしており、1953年に公開された「ローマの休日」など2作品のDVDを製造・販売している。

パラマウントでは、「新法が施行された2004年1月1日と、権利が消滅する2003年12月31日24時は接着している。だから保護期間延長は1953年にも適用される」と主張。この解釈は文化庁のホームページにも明記されており、著作権法の解釈として一般的なものだとしている。

<編集部の視点>
法律の解釈がこの問題の焦点のため、双方が主張をぶつけあえば決着には長い時間がかかりそうだ。とは言え、同じ作品の価格に8倍以上の開きがあるというのは明らかに異常事態。ユーザーの混乱を来さないよう、早期の決着を期待したい。

(Phile-web編集部)

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE