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NHK、第35回番組技術展を開催 HDやサラウンドなどの新技術を展示

公開日 2006/02/21 19:30
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NHKは2月19日(日)〜21日(月)の3日間、第35回番組技術展を東京・渋谷の「NHKみんなの広場 ふれあいホール」で開催した。本技術展では、放送技術局をはじめ全国の放送現場の日常業務の中から生まれたアイデアや改善・開発成果をとりまとめて展示する催しで、今回初めて一般の視聴者にも公開された。

ここでは、40近い展示の中から、注目の技術をピックアップしてご紹介する。

低レートハイビジョンIP伝送装置

ハイビジョン信号を効率的に圧縮し、リアルタイムでIPパケットに変換してインターネットで伝送する技術。会場では、HDVカメラを持ち、背中のリュックに同装置を装備したスタッフがデモを行う。

カメラで撮影された映像と音声はエンコーダーで圧縮され、肩に着いた無線LANアンテナからインターネットに接続。放送局に見立てたテーブルの上のデコーダーにインターネット経由で信号を送信し、ディスプレイに映し出すデモだ。ここではHDVカメラで撮られたHD-SDI信号を10Mbpsで伝送しており、映像の遅延は0.5〜0.6秒。本技術は緊急報道時などに活用できるという。

カメラと伝送装置を装備した説明スタッフ

カメラからの信号は中継車に無線で送られる


Vロケサラウンド収音システム

音声チャンネルを4chしか収録できない通常のVTR一体型カメラで、5chのサラウンド音声を実現するシステム。新たに開発したのは、R/L/C/RS/LSの5chを収録可能な、カメラに取り付けられる小型マイク。本システムでは、このマイクのC/RS/LSの信号をVTRに収録。この3つの信号を「3-5変換機」で和差演算することで、元の5ch信号を得ることが可能となる。マイクがカメラに取り付けられていることにより、カメラの動きとサラウンドの音声が同期するのも利点の一つだ。

収録したサラウンド音声をデモ

システムの概要


ドラマ仕様高画質HARPカメラ

ドラマや映画のナイトシーンを肉眼で見たような自然な感じに表現できる高感度ハイビジョンカメラ。「夜間緊急報道用ハイビジョンHARPカメラ」の技術を応用したうえ、感度が高いがゆえのノイズ感を軽減させることで、ドラマなどでの仕様に適した撮影を可能にした。5ルクス程度の照度でも黒つぶれのない自然な映像を実現しているという。すでにドラマの撮影にも使用されたことがあり、一例として特集ドラマ「クライマーズ・ハイ」の映像を見ることができた。


(Phile-web編集部)

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