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ドルビーとAudistryがパーソナルサウンドの新技術を発表

2006/01/06
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ドルビー・ラボラトリーズの傘下企業であるAudistryLLCは、International CES 2006にて、同社の新しいデジタル・オーディオ技術となる「Audistry by Dolby」を発表する。

Audistry LLCは、ドルビーバーチャルスピーカーやドルビーヘッドフォンなどの仮想サラウンド技術を設計したLake Technology Limited社がDolby Laboratories Inc.社の子会社となり設立された新会社。Lake Technologyの元社員から構成されており、オーストラリアに本拠地を構える。

本技術は特にポータブルオーディデバイスのようにヘッドフォンを用いる製品や、大きさやバッテリー容量の限られる製品にとって重要な役割を果たす機能を担う、パーソナルな用途に活躍するオーディオ技術として、ステレオやテレビ、携帯音楽プレーヤー、携帯電話など幅広いオーディオ製品に向けて設計されている。そのデジタルオーディオ処理機能には大別して以下の5つの機能が備わっている。


Sound Space Expanderの概略
■Sound Space Expander
音の自然さを損なうことなくサウンドフィールド感を広げるステレオイメージ拡大機能。ステレオスピーカー用のサウンドステージ強化機能として期待されている。ほかにもDVDマイクロシステムやTV、パソコンなど搭載スピーカーの左右チャンネル間に距離がとれない機器に最適。本機能は臨場感を高め、ボーカルや会話の明瞭性を落とさずに楽器の分離性を高める。

■Sound Space for Headphones
ステレオヘッドホン用の3Dステレオイメージ強化機能。あたかも目前にスピーカーが立体配置されているかのように自然な感覚で再生音を頭外定位させる。

■Natural Bass
スピーカーとヘッドホン用の低音強化システム。スピーカーからより深みのある豊かな低域再生が可能になり、しかも、音の歪みや部品破損は生じない。この機能幅広い種類のスピーカーに対応できるように設計されている。

■Intelligent Volume Control
大きなサウンドをソフトに、ソフトなサウンドを大きくすることによって、心地よいサウンドを楽しめるピークリミッターとエキスパンダー。これにより、リスナーは通常のボリューム調節を行わなくても広いダイナミックレンジを快適に楽しめる。


Chris Bennett社長
■Mono-to-Stereo Creator
モノラルからステレオへのオーディオコンバーター機能。例えば昔のクラシック映画やモノラル放送などのコンテンツをエンハンスできる。


Audistry LLC社長のChris Bennett氏は、Audistry by Dolbyについて「パーソナルな環境で自分好みに、聴きたいように聴くユーザーをターゲットにしている」と語る。ドルビーバーチャルスピーカー/ドルビーヘッドフォンがマルチチャンネルを前提に設計されているのに対して、Audistry by Dolbyはステレオに特化した技術であるという。

同技術を採用するメーカーは、DSPとしてハードウェアに組み込む方法と、プログラムとしてソフトウェアプレーヤーなどに組み込む方法を選択できる。またメーカーは、Audistry by DolbyのON/OFF機能のみが可能な製品や、逆に細かいパラメーター部分をユーザーが設定可能な製品など、ターゲットにあわせた商品開発が可能だ。

AudistryのDSP

PDAの音楽プレーヤーに搭載したデモ機

(Phile-web編集部)

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