HOME > ニュース > [CEDIA EXPO 2005レポート]今年もホームシアターの祭典がインディアナポリスで開幕

[CEDIA EXPO 2005レポート]今年もホームシアターの祭典がインディアナポリスで開幕

2005/09/12
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

CEDIA EXPOのメイン会場であるコンベンションセンター。8日からの公開を前にして各社ブースは突貫作業の最中。それでもプレス向け発表会やセミナーは始まっている
北米全土のホームシアター・ビジネスが一堂に会する年一度の祭典、CEDIA EXPOが今年もインディアナ州都インディアナポリス市で9月9日から開幕した。(公開に先立って行われるプライベートショーやプレス発表、各種講座は7日から。)11日まで開催される世界最大のホームシアターショーのもようを、2003年(この年に限りミネアポリスで開催。)から現地に記者を特派してきたファイルウェブと『ホームシアターファイル』編集部が今年もレポートをお届けする。

カスタムインスタレーションという言葉をみなさんはもう知っていることだろう。家庭にテレビやオーディオなどの視聴覚設備を、単に持ち込んでそのまま接続するのでなく、インテリアに溶け込むように設備化したり、複数の部屋で共有できるようシステムワーク化するプロの職能のことだ。

平均して家屋が大きくインテリアの美観を大切にする北米の中流以上の市民に求められて、1970年代から急成長したこのカスタムインスタレーション、次第に建築やインテリアデザイン、ハイエンドのオーディオビジュアル、そして近年はネットワーキングを呑み込んでアメリカを語る上で欠かせない産業の一つにまでなった。ホームシアター熱の成熟によって日本にも、カスタムインスタレーションが育ちつつある。

カスタムインスタレーションの仕事に従事するインストーラーの団体がCEDIAであり、今では北米だけでなく、英国やオーストラリアにもCEDIAが誕生し活動を続けている。CEDIAの会員は、設備工事に従事する会社や個人だけでなくヨーロッパや日本の大小の映像・音響メーカー、さらにファニチャーやアクセサリーの製造者までひじょうに広い。年一回開催されるCEDIA EXPOは、会員たちがそこに集い、メーカーはホームシアター市場への導入を期する新製品や新技術のお披露目をし、カスタムインストーラーなら新しいビジネス情報を得て持ち帰る貴重な見本市なのだ。

それでは、展覧の内容に関するかぎり、日本のA&VフェスタやCEATECとそれほど変わらないのではないか、と思われるかもしれない。CEDIA EXPOがそれらと違うのは、新規に参入した会員や技術を習得中のインストーラーのための教育の場であることだ。インディアナポリス・コンベンションセンターの数多くの個室で、会期中、製品の展示と平行して、ホームシアター・ビジネスの経営からインテリアデザインまで、さまざまなセミナーが行われていて、講師のレクチャーを熱心に聴き入る参加者(インストーラー)で熱気に満ちている。

この文の最後にEXPOがなぜ、インディアナポリスで開催されるのか、その背景で締めくくろう。CEDIAの本部もインディアナポリスにある。この都市が北米の中部に位置し、主要都市の多くに車で1~2日で到達できる東西の往還路にあることと、もう一つの理由は、戦前はラジオ、戦後はテレビ産業で栄えた工業都市であることによる。EXPOのメイン会場の一つであるフットボール競技場のRCAドームに電気産業の発展を担った栄光の歴史をとどめている。

(ホームシアターファイル編集部・大橋)

[CEDIA2005]

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE