GW特別企画:薄型テレビの最新トレンドを追う(1)プラズマテレビ編

2005年04月29日
いまさら言うまでもないが、薄型テレビが市場で大きな人気を集めている。各社とも莫大な資金を投入して開発を行っているだけあって、その画質や機能は日進月歩で進んでいる。かつては年末に集中していた新製品の投入も、これを受けるかたちで年々前倒しが進み、夏のボーナス商戦を前に各社の最新モデルが登場してきた。

各社最新モデルの機能は非常にバラエティに富んでいるが、一方で「訴求ポイントが多すぎて、どれを買ったら良いかわからない」という声も増えているようだ。これを整理する意味で、ゴールデンウィーク中の4日間、薄型テレビの最新技術トレンドを各カテゴリーごとに紹介する。第1回目はプラズマテレビ。


松下電器の新VIERA(写真は42V型)
プラズマテレビ関連で最近大きな注目を集めたのが、松下電器が先日発表した新VIERAだ。同社は液晶テレビも販売しているが、尼崎にPDPの新工場を竣工させることからもわかるとおり、プラズマテレビに大きな経営資源を投入している。

新VIERA「PX500シリーズ」では、「高画質」と「低消費電力」の2つが大きく訴求されている。高画質化の面では、パネル材料改善や開口率の向上、駆動損失の低減などにより、発光効率を約15%向上させた新プラズマパネルを搭載。さらに前面保護ガラスに、従来のモデル(PX300)より光の透過率を抑えた「ディープブラックフィルター」を採用し、明るい環境下でも映り込みを抑えた、奥行き感のある映像を実現している。


店頭とリビングでの明るさの違い
興味深いのは、同社が「店頭とリビングの明るさの違い」を積極的にアピールしていることだ。明所コントラストが高い液晶テレビは、店頭では鮮明に見えるが、リビング程度の明るさで見ると、暗所コントラストが高いプラズマの方が綺麗に表示できる、という主張だ。店頭での単純な比較ではなく、実際の視聴環境を重視して欲しい、という主張は従来あまり聞かれなかったもので、製品選択の参考になりそうだ。

新モデルでは大幅な省電力化も実現した。これはパネル発光効率の向上に加え、新たな駆動制御を採用したことが寄与している。37V型では約35%、42V型では約30%、50V型では約25%、それぞれ従来の「PX300シリーズ」と比べて消費電力を低減させ、年間の電気代では、いずれも約3,000円程度の節約が可能になる、としている。

従来、「液晶は低消費電力で地球に優しい」という論調が目立ち、プラズマは環境への対応、ランニングコストの面で不利とされてきたが、VIERAシリーズの発表会では、他社製の同サイズの液晶テレビとの比較デモが行われ、VIERAの方が消費電力が低いことが示された。

省エネ大賞の省エネルギーセンター会長賞を受賞したパイオニア「PDP-435SX」

同じような訴求は、プラズマのもう一方の雄、パイオニアも行っている。パイオニアの「PDP-435SX」は、PDPパネル発光効率の向上等によって消費電力306Wと43V型プラズマテレビとしては最小レベルを達成している。液晶に勝るとも劣らない省エネルギー性を実現したとして、省エネ大賞の省エネルギーセンター会長賞を受賞している。

画質向上の面でも、パイオニアは独自の取り組みが目立つ。中でも特筆すべきものは、パネル前面のカラーフィルターからガラスを取り除いた「ダイレクトカラーフィルター」だ。これによりフォーカス感の低減、外光反射防止や色純度の改善などを実現している。

さて、比較的大型化が容易なのもプラズマの利点として挙げられる。パイオニアでは61V型、松下電器では65V型、日立製作所では55V型などをそれぞれ販売している。さらに、試作機段階ではあるものの、サムスン電子が102インチのPDPを今年のCESで公開している。

従来大型化が不得手とされてきた液晶テレビでも、シャープが45V型、ソニーがを展開しているほか、今後は50V型超のモデルも投入されるようだ。これにあわせて、プラズマテレビがさらに大型化へシフトする可能性がある。

パネルの解像度はどうなっているだろうか。まだ各社の販売モデルはワイドXGAクラスで、1920×1080のフルハイビジョン表示に対応したモデルは登場していない。ただし、松下電器はフルHD表示パネルの開発を明らかにしており、早ければ今年度内に登場する可能性がある。また、試作機段階では複数のメーカーがフルHDパネルを公開しており、徐々にフルHDパネル化が進むものと思われる。

次回は液晶テレビの技術トレンドについて、5月3日にお伝えする。

(Phile-web編集部)