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キクチ科学の新レファレンススクリーン「ホワイトマットアドバンス」とは? <第二回

2004/11/04
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ホワイトマットアドバンスは人気のStylistにも採用される
●(株)キクチ科学研究所は、スクリーンの新素材「ホワイトマットアドバンス」を開発、11月20日より販売開始する。

その新製品をいち早く体験した、林正儀氏から体験レポートが到着したので、3回に分けてご紹介したい。今回はその2回目。長年の技術の集大成、「ウルトラマイクロ・シボ」についてである。

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満を持して登場するキクチの「ホワイトマットアドバンス」は、早くも熱心なホームシアターファンの羨望の的だ。今回はその中核技術といえる「ウルトラマイクロ・シボ」の秘密に迫ろう。

シボとは幕面に設けられた凹凸である。マット系スクリーンの場合、表面にこの細かなマット処理(つや消し加工)を施すこすことで、プロジェクターからの光を全方向に拡散するのは周知のとおり。だが一方では少しの外光でも黒が浮きやすく迷光に弱いという泣き所があった。そこでリビングでも使えるようにと、特殊処理を加えたのがグレイマットアドバンスなどだ。このタイプでは黒はぐんと沈む。その引換にハイライトまで一緒に下がってしまうのは、いたしかたないところだ。

マット系スクリーンのそんな常識を打ち破ったのが、この「ウルトラマイクロ・シボ」である。ダーク処理は一切施さない。凹凸の圧倒的な微細化と光のコントロールだけでいく。手に触れてすぐわかるほどツルツルに超微細加工されたその谷の深いところで光を吸収して、山のところで光を反射、拡散するという驚くべきマジックである。言葉でいうのは簡単だが、その陰影のコントロールを少しの色シフトもなく、漆黒の黒再現からヌケきる白ピークまで忠実にやってのけるのは容易なワザではない。これによって光のダイナミックレンジを拡大し、目を見張るハイファイ映像を獲得したのだ。スクリーンを熟知するキクチ科学ならではの成果であろう。

「ウルトラマイクロ・シボ」のもうひとつの恩恵は、リアルハイビジョングレードの解像力を得た点だろう。このところのプロジェクターの高精細化は驚くばかりであり、ビクターやソニー、富士通ゼネラルなどがすでにリアルHD対応の高性能マシンを市場投入した。となればこれを受けとめるスクリーンの側が、生地の粒状性にこだわるのは当然のストーリーだ。この点でもミクロのノウハウをもつホワイトマットアドバンスは余裕で対応。通常の720pモデルの投射映像も、一層生々しいリアルさをもってくるのだ。既に某プロジェクターメーカーでは、ホワイトマットアドバンスを視聴・開発用のレファレンスに採用の動きもあり、その能力の高さと信頼性が伺える。(林正儀)

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