ケンウッドの新AVアンプ、コンセプトは“Media Management”

2004年06月25日
●別項でお伝えしたように、(株)ケンウッドは、薄型のホームシアターシステム9製品を発表した。しばらく本格的なホームシアター製品から遠ざかっていた同社だが、今回の大量リリースからは同社の並々ならぬ意欲が見て取れる。製品の内容には新たな提案がいくつも盛り込まれており、まさに「満を持した」という印象だ。

今回編集部では、同社から新製品の内容について説明を受ける機会を得た。今回の新製品ラインナップの中核となるAVアンプを中心に、製品のディテールに迫ってみよう。

説明をしてもらった同社経営戦略統括部・広報室長の新免氏(左)と市村グループ長(右)

AVアンプでは、「VRS-N8100」「VRS-7100」「VRS-5100」の3製品が発表された。上位の2モデルはデジタルアンプを搭載している。一般にデジタルアンプは音を作りにくいと言われるが、「音質には自信がある。デジタルアンプでこんなにいい音が出るんだ、というところを聞いて欲しい」(同社商品企画部ホームマルチメディアグループ グループ長の市村氏)と自信を見せる。アンプ部はTI社の「PurePath Digital」を採用するが、各種部品の選定やシャーシ構造に至るまで、同社が長い期間を経て培った音質向上技術を投入。音決めは「音質マイスター」が担当してクオリティを高めている。

市村氏は、今回のAVアンプの基本コンセプトを「Media Management」という言葉で説明する。すべてのAV機器をかんたんに接続し、かんたんに操作、コントロールする、というのがその内容だ。これを実現するため、薄型の筐体ながら接続端子の数にこだわり、家庭内の様々な機器を接続可能にしている。また、「AVアンプは長期間使われるもの。将来登場する製品も繋げられるよう、接続端子には余裕を持たせた」という。

Media Managementの概念図

「Media Management」の考えをさらに押し進め、PCとの接続を可能にしたのが最上位機の「VRS-N8100」だ。PC内の音声・画像・動画ファイルをAVアンプ側でコントロールする、という「ありそうでなかった」発想が新鮮だ。他社からもPC内のファイルをコントロールする機器は発売されているが、その多くが「ファイルプレーヤー」という形態をとっており、音を出力するには別途アンプが必要だった。AVアンプは本来、様々なソースを1台で集中コントロールする役割を持っているが、最近ではMP3やMPEGなど、PCで音声や動画を扱うケースが急激に増えている。本機では、これらを1台で集中管理できるのだ。

VRF-N8100の接続方法

PC内のファイル操作は、テレビに表示したGUIで行う。GUIのデザインは現在も調整を行っている状況で、ここで紹介するのは最終のものではないが、リモコンでかんたんに操作が行えるようになるという。ネットワーク機能を使うためにはPC内に常駐アプリをインストールしておく必要があるが、その上でPCの所定のフォルダにファイルを入れておけば、AVアンプ側でファイルを認識する。音楽データを自分で「ロック」「クラシック」などとジャンル分けしておけば、ジャンル別での表示も可能だ。

GUIのサンプル。ソースを選択する場面

音楽ファイルを表示したところ

「VRS-N8100」の発売は10月を予定しており、まだこれから最終の作りこみが待っている。アンプや各種部品などは、基本的に「VRS-7100」と同一だが、「ハイエンドモデルにふさわしい音質にすべく、チューンアップしている」(市村氏)という。本機が完成したら、その使い勝手や音質をレポートする予定だ。

(Phile-web編集部)