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イラク攻撃開始一年めの今、世界に問いかける映画 「ヒバクシャ-世界の終わりに」が3月20日より全国公開

公開日 2004/03/19 18:08
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「ヒバクシャ−世界の終わりに」より。劣化ウラン弾による放射線障害が心配されるイラクの少年と、その家族
●連日、テロ事件や紛争や対立のニュースが世界ををかけめぐっている。イラクに派兵した日本も、テロの標的になっているという報道もある。この暴力と不信の時代のなかで、日本は、そして地球はどうなっていってしまうのだろうと多くの人が思っているのではないだろうか。

世界各地で紛争と対立が拡大する今、地球と人類の運命の差し迫った危機と人類の連帯の必要性について、静かに、深く訴える映画が20日から、東京他全国で、公開される。

2004年2月に東京で開催された「第12回地球環境映像祭」で大賞を受賞した映画「ヒバクシャ-世界の終わりに」(鎌仲ひとみ監督・2003年/116分/16ミリ/制作配給:(株)グループ現代)である。

この作品は、イラク、日本、アメリカに取材し、湾岸戦争時の劣化ウラン弾による放射線汚染、原爆による低線量被爆、それらの武器を製造したアメリカの原子力施設付近の農民の被害や、そこで起こっている低線量放射能による被害の実態を取材したものだ。

出演している人は、ごく普通に生活をし、日々の暮らしをすごしてきたイラクやアメリカや日本の市民であり、映画の語り口は静かで、センセーショナルなものではない。「ヒバクシャ」とは、今も放射能により被害を受けている世界各地の人のことであり、将来の私たち自身のことであるかもしれない。

イラクで放射線障害によるガン患者を診察する医師は、つらくないのですかという監督の質問に、おだやかな調子で、被害に会った人に対面しているのが悲しくて、ある日、自分は心臓麻痺で死んでしまうかもしれないけれど、と言う。
今、現実に人類がおかれている危機は、子供や、自分の命を守る術を持たない最も弱い生命を数多く奪っている。このままでは、その被害はさらに、広がっていくかもしれない。

戦争と暴力の時代の中で、その波にのみこまれないために何が自分にできるだろうかと思っている方たち、次代の若い人たち、子供を育てている方たち、地球の将来について考えている方たちに、ぜひ、この映画を見ることをお勧めしたいと思う。

東京・大阪・札幌・仙台で劇場公開。渋谷ユーロスペースでは、映画の上映に先立ちトークイベントも開催される。この機会にぜひ皆さんお誘い合わせの上、劇場まで足をお運びください。

東京渋谷のユーロスペースでは、連日朝10:30よりモーニングショーで公開。(3月20日から4月23日予定)→詳細はこちら
その他、
<大阪>第七藝術劇場 3月20日〜4月2日→詳細はこちら 
<札幌>シアター・キノ 3月20日〜4月2日→詳細はこちら
<仙台>せんだいメディアテーク 3月20日、21日
tel 022-248-2866(春日)/022-378-7229(須藤)
時間:10:30/13:30/16:00/19:00

●渋谷ユーロスペースでのトークイベントの予定
各日10:00〜 
3/20(土・祝)広河隆一氏(フォトジャーナリスト)×鎌仲監督 
3/27(土)川田悦子氏(元衆議院議員)×鎌仲監督 
4/17(土)池田香代子氏(『世界がもし100人の村だったら』再話者)×鎌仲監督
(注)尚、トークイベント開催日は混雑が予想されますので、お早めにご来場下さい
この映画についての詳細は、こちらまで

(文 山之内優子)

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