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次世代ワイヤレス技術「UWB」のSIGが正式結成〜4月にシステム仕様を公開

公開日 2004/01/27 16:41
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<左>発表会の模様 <右>日本TI(株)ハイパフォーマンス・アナログ事業部事業部長 岩崎広司氏
●テキサス・インスツルメンツやインテル、フィリップスなど、“MultiBand OFDM Alliance(略称MBOA)”に参加する国内外の50社は、次世代ワイヤレス伝送技術「UWB(ウルトラ・ワイドバンド)」のSIG (Special Interest Group) を設立すると東京都内で発表した。同時に、今年4月に詳細なシステム仕様を公開し、サンプル品を第4四半期に出荷開始するロードマップも発表された。

「UWB」とは、3.1〜10.6GHzの周波数帯域を使う新しいワイヤレス伝送技術。アメリカが軍事用途に開発した基礎技術を応用し、低消費電力で超高速のワイヤレス通信が可能となる。この技術は、PCやその周辺機器だけでなく、デジタル家電やホームシアター機器との相互接続性も強く意識しており、たとえばハイビジョン映像のワイヤレス伝送なども想定されている。

このUWB技術を後押しするMBOAは、次世代のワイヤレス技術を研究していたTIなど6社がアライアンスを組み、協力して研究開発をしていた“MultiBand Coalition”が強化・発展した組織。現在の参加企業は50社を越え、STマイクロ、松下電器、富士通、三菱電機、NEC、HP、サムスン電子など現在のIT業界・デジタル家電業界をリードする企業が名を連ねる。

今回設立されたSIGとは、法的な拘束力を持つグループという意味。各企業間の連帯をより密にして開発を加速するほか、規格のより広範な採用を求めていく狙いがある。

MBOAは、米国のIEEE(米国電気電子技術者協会)にUWB技術の認証を働きかけているが、多数決で75%が必要な中、モトローラなどの反対を受けていまだに認証されていない。MBOAは、この状況が続いて技術の標準化が遅れればユーザーの利便性を損なうと判断、IEEEへの働きかけは継続して行うが、平行してMBOA加盟各社間で情報を共有して開発を加速し、製品化を押し進める考えだ。

詳細なスペックは、前述の通り4月頃に発表される予定だが、本日はその内容が一部発表された。それによると、110Mbps時で11m、200Mbps時で6m、480Mbps時で3mの伝送が行え、消費電力はいずれのモードでも250mW程度となる予定だ。

(Phile-web編集部)

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