シャープ町田社長会見「大型液晶テレビを強化」

2004年01月09日
会場にはアクオス45V型を展示。8月のアテネオリンピックに合わせて市場投入を図る
●シャープは1月8日、町田勝彦社長が2004年の重点事業戦略等について会見を行った。業界の国内需要については、薄型テレビやDVDレコーダー等の好調もあり、2004年度はAVが2ケタ成長の110.6%。電化は継続的に単価ダウンが続いていることから横ばいの100.0%。情報通信は高い伸びを示したPCや携帯電話の伸びがスローになるとの見方から101.5%の微増。一方、デバイスはデジタルAV商品の好調を背景に113.2%と、引き続き2ケタ成長が続くと予測した。

一部に景気回復の兆しが見えはじめている中で、町田社長は「新しいお客様の動きを感じています」と、ユーザー動向の変化について言及。「消費に明るさは見えていますが、イラク問題や年金問題など、今後も先行き不安な状況が続いています。そうした中で、消費者は社会や他人に任せておいても不安は解消できないことにだんだん気づき始め、自ら明日に備える消費を考え出しています」と語り、「世代替えマーケット」「環境役立ちマーケット」「元気・安心マーケット」という3つの新たなユーザーの消費動向を指摘した。

メーカーのものづくりに対する考え方も、これらの大きな変化から、「従来の不満解消型のユーザーオリエンテッドだけでは、お客様に感動や驚きを与えることができません。ブラウン管が液晶に代わったように、大きな技術が採り入れられた、テクノロジーオリエンテッドな商品をつくらないといけないと考えています。メーカー本来の技術を発揮し、商品に革命を起こすつもりで商品づくりを行っていきたい」と、需要創造へ向けての意欲を示した。

2004年度、シャープが重点事業として掲げる「液晶」は、「本格的にテレビに使われる時代に突入し、業界全体で35%増の4兆4500億円の売上げ規模を予測。昨年以上の大きな伸びになる」と展望。その中でも特に伸びると予測するのがテレビ用を中心とした大型液晶だ。

同社では拡大する市場に対応し、三重・亀山工場を今月5日から本格稼動。20日過ぎには亀山工場製第1号テレビが市場にお目見えする。さらに、同工場の第2期生産ラインを8月に稼動させることを決定。現在の第1期ラインで月1万5000枚のマザーガラスの投入規模を2万7000枚にまで高め、生産能力を倍増する。引き続き、第3期生産ラインを2005年3月末までに立ち上げる予定で、さらに、同敷地内に亀山第2工場を、2005年末から2006年はじめにかけて稼動する計画だ。生産能力の拡大に合わせ、「液晶パネルの外販についても積極的に行っていきたい」との姿勢を示し、外販比率50%を目標として掲げた。

同社液晶テレビ事業は、連結売上げで2003年度5250億円(前年比123%)、2004年度には7300億円(同140%)。設備投資も積極的に展開し、2004年度連結ベースでは、2003年度と同等の2200億円を計画。この内1300億円を液晶に投資し、1000億円が大型、300億円を中小型に振り分ける。大型液晶の1000億円の内、900億円が亀山工場に向けられる。

アクオスのラインナップも、「液晶テレビのサイズについては、当初は30型までが液晶でそれ以上がプラズマという考え方を持っていましたが、大型化の技術も発達してきました」とし、45V型のアクオスを8月のアテネオリンピックに間に合うように市場投入する計画を明らかにした。1920×1080の622万画素フルスペックハイビジョンを実現し、「ここまで高精細になってくると、テレビがIT端末の時代になります」と、新商品への自信を示した。

町田社長は「最近のお客様は、驚きと感動がないと、商品をお買いになりません。これからは、さきほど申し上げたようなユーザー動向を敏感に捉えた商品づくりがますます必要になると思います。そのためには、革新的な技術を、メーカーとしてもっともっと磨かないといけない。今ある技術を否定して、完全に違った技術で商品を動かすというところまでやらないと、新たな需要は生まれてこないと思います。既存のパイの取り合いでは収益は上がらない。いかに、新たに需要を創造するかだと思います」と会見を締めくくった。(会見の詳細は 1月26日発売のSenka21 2月号をご覧ください)