座談会「ホームシアターという『家庭環境』をめぐって」全長版(4)

2003年12月31日
この対談の模様は「ホームシアターファイル」の最新号にも掲載されています
●〜座談会「ホームシアターという『家庭環境』をめぐって」全長版(3)より続く〜

ホームシアターがあってシアワセ、と家族が感じてくれたのはいつ?

大橋 ホームシアターについて、排斥論というか無用論が巻き起こって、あの時は困ったというようなことはありませんか?

下条 一番はお袋です。おばあちゃんの部屋が、そこにあるように1階なんです。そうすると、この辺がお袋が寝ている部屋なんですね。音は漏れないんですけれども、重低音のドドドドドとか、子供が好きな爆発音があると、振動がするんです。そうすると、うるさいというのではなくてびっくりして、何か落ちてきたとか地震かとか、すぐ来るんです。年寄りですから、最初は「こんな贅沢な遊びをして」という批判があったんです。ついこの間までは、年寄り向けのソフトで「寅さん」とか用意して「見る?」と言っても、意地でもそんな贅沢な遊びはしないと。私はテレビがあるからいいみたいな感じだったけど、この間、衛星第2で「美空ひばりの生涯」という4時間ぐらいの長い番組があったんです。うちは衛星(放送)はその部屋にしか引いていないので、新聞を持ってきて、「これは見られるのか」と言うので、「あの部屋だったら見られる」と言ったら、「じゃあ見せてくれ」ということで、29インチの小さい画面もあるのでこれでいいと言ったんだけど、せっかく美空ひばりだから大きいので見せてやるからとセットして暗くしてやったら、「こんなでっかく映るのか」と。最初は座って見ていたんです。最初生い立ちとかいろいろやっていて、「2階に行くから、終わったら声をかけてくれればこれを消すから」ということで(2階に)行って、1時間ぐらいして下をのぞいてみたら、踊りを踊っているんですよ(笑)。「お祭りマンボ」がかかっていて、美空ひばりが踊るのに合わせて、机を片づけて広くして。「何をやっているんだ?」と言ったら、「今、一緒に踊れと言うから、一緒に踊っているんだ」とか乗っちゃって、その次の番組を12時ぐらいまで見ていたみたいですね。

大橋 29インチのテレビだったら、おばあちゃんは踊らなかったかもしれませんね。明るいところで見られますからね。

下条 それ以来、老人会の友達で「寅さん」が好きな人がいるから、呼んで一緒にお茶飲みながら見せたり、「暗くしなくちゃ見られないのか」と言うから、「薄暗いぐらいで見れるから」ということで見せてあげたら、映画館みたいだと喜んでいました。あまりおばあちゃんにすると、みんなに言いふらされてしまうので嫌なんだけど(笑)。

大橋 やっぱり、ソフトを充実させることがホームシアター排斥に対する最大の防衛策であるということですね。

下条 一緒に見ろと言っても無理だし、子供もおばあちゃんとでは嫌がるし。いちいち説明するから。私も説明して嫌がられているんだけど(笑)。これは危ないとか、あれあれとか、すぐ映画に話しかけちゃうんですよね、年寄りだから。

大橋 飯塚さんのところはどうですか? ホームシアター無用論とかは。

飯塚 うちは無用どころか、かみさんは、今は賃貸なので、何年までには一軒家を何とか手に入れて、そこにこれくらいのサイズのホームシアターを建てるという、かなり明確なビジョンを持っていますね。何年か前に、吉祥寺でお花見をした帰りに、「こんなところにこんな店があるじゃないか。ちょっとのぞいて見ようよ」と言ってたまたま寄り道して見せてもらったら、その時は「マトリックス」を一部見せていただいたんです。かみさんは新宿のミラノ座で見ていたんですけれども、「ミラノ座より全然いい」と大感動して、これは生活に必要な物だと、だから無くてはならないと。その時うちには32インチのサラウンドはあったんですけれども、「うちに帰ると寂しいねぇ」と言って。だから、早くこれをグレードアップしなければいけないという思い込みがあるので、無用論どころか、逆にあれですね。あえて難点を言うとすれば、今我が家は狭すぎて、テレビと見る距離が近すぎることなんです。空間のスペースがあまり取れなくて、子供がテレビを近くで見過ぎているので、それをもうちょっと何とかしないと、というさっきの健康論につながるんですけれども。うちは僕もかみさんも目が悪いので、たぶん子供も眼鏡だろうと思っているんですけれども、少しでもそれを遅らせることができるような環境を早く整えないと。既に進行しているという話もありますけど(笑)。

〜座談会「ホームシアターという『家庭環境』をめぐって」全長版(5)へ続く〜


(ホームシアターファイル編集部)