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注目の新作映画上映、第4回東京フィルメックス開幕

2003/11/25
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左)第4回東京フィルメックス審査員 右)アボルファズル・ジャリリ氏
●第4回東京フィルメックス/TOKYO FILMeX 2003が22日(土)東京有楽町朝日ホールなどで開幕した。同映画祭は、アジアの新鋭と映画史的に価値ある映画の発掘を目指す東京発の国際映画祭である。

オープニングでは、コンペ部門の審査員でもある韓国のキム・ギドク監督の「春夏秋冬・・・そして春」を上映。上映後のインタビューでは、監督と観客のあいだで、時間を超過して熱心なやりとりが続いた。

コンペ部門の4人の審査員の会見もおこなわれ、どこに留意して作品を審査するかという質問に対し、リチャード・ベーニャ氏(映画キュレーター・研究者・アメリカ)が「作品のある部分だけで判断するのではなく、トータルに見たい。シナリオ、キャスティング、演技など、全てがうまくからみあって、相互に働いて一つの作品となっているのが良い作品だと思う。」と述べ、審査委員長のベルナール・エイゼンシッツ氏(映画史家・フランス)も同意。キム・ギドク監督は「見た時に印象が良い映画を選びたい。」日本の森崎東監督は、「作品から圧倒されたいという欲望がある。そのような作品に会いたい。」などと述べた。(審査員は他に香港の審査員ウォン・アイリン氏)

続いて、朝日ホールでは招待作品としてイランのアボルファズル・ジャリリ監督の「アブジャッド」を上映。同作品は、監督の故郷、サヴェーを主な舞台に、イラン・イラク戦争、イスラム革命の激動期に生きる16歳の青年の姿を追った自伝的な作品。繊細で多感な青年の心情に沿うように、学校、イスラムの寺院、家庭など、イランの日常の生活が美しく撮影されている。上映後、観客との質疑応答で、なぜ、青少年を描くのかという質問に対し、来日7,8回目というジャリリ監督は、「映画に登場する青年たちと約束しているのではないかなあと思っている。若い世代を大事に育てていけば、わたしたちの将来も明るくなると思う。」等と語った。

この後、やはり招待作品の、香港のジョニ―・トー監督の「PTU」が上映された。香港警察エリート部隊の行動を中心に、複数の人物の視点をおりまぜて香港の一夜を描いたアクション映画の最新作。本映画祭では、国立近代美術館フィルムセンターで、「清水宏生誕100年記念」も特集上映中。

第4回東京フィルメックスは11月30日(日)まで開催。詳細については以下、映画祭のホームページを参照。

問合せ:東京フィルメックス事務局 TEL: 03-3560-6394

(山之内優子)

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