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三洋電機社長・桑野幸徳氏の新年記者会見「グローバルマーケットNo.1へ邁進」

公開日 2003/01/21 18:04
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KDDIと共同開発中という、有機ELディスプレイ搭載の携帯電話機を持つ桑野社長
●本日、東京都内にて、三洋電機の新年記者会見が開催され、社長の桑野幸徳氏をはじめとする同社幹部が年頭の計画を発表した。

まず桑野社長が全社の年間目標について説明し、「社長就任3年目を迎えたが、就任当初に予測したとおりの世界環境となっている。マーケットがますますグローバル化し、『ドッグイヤー』という言葉でも追いつかないほど市場のスピードが加速している。このような状況の中、今年も『収益重視』を第一のキーワードに経営を行っていきたい」と語った。

同氏はまた、以前からの重点事業であるD&D(デバイス&デジタル)、E&E(エネルギー&エコロジー)には今年も注力するとし、さらに、製造業だけでなく流通、金融サービス事業にも引き続き力を入れると説明した。

その上で同氏は、2003年のキーワードとして「3つのG」を提言。「グローバルマーケットNo.1」「グローバルプロダクト&プラットホーム(驚きと感動を呼ぶ商品作り)」「グローバルSCM」の頭文字を取ったものだ。特に「グローバルマーケットNo.1」は、いままで「マーケットNo.1」という目標を掲げていたものを、「2年前に“グローバル”と付けるのは面映ゆかったが、もうそろそろ良いだろうと思い」(同氏)変更したのだという。同氏はまた、すでに二次電池や光ピックアップなどでは世界シェアトップを実現しており、今後デジタルカメラ、液晶プロジェクター、PDP、携帯電話などでもシェアトップを狙っていくと語った。

また、中国の製造能力や市場規模が格段に伸張する中、同社も他社と同じように、生き残りのために高付加価値製品の販売に力を入れることを表明。成功事例として、トップオープンドラム方式の洗濯機、可変圧力で真ん中までふっくら炊ける炊飯器「おどり炊き」、ターンテーブルレスの電子レンジ「レンジdeジュー」などが、2002年に大ヒットを記録したと紹介された。

さらに、10件の新規事業を立ち上げ、3〜5年でそれぞれ100億〜500億の事業に育てる「ACE21」計画も順調に推移しているとし、有機ELディスプレイ、携帯電話用CCD、青紫色レーザー、高性能大型二次電池、密閉型CO2コンプレッサー、太陽電池などが特に順調であると説明。中でも有機ELディスプレイは03年度に200億円を投資し、05年には700億円の売上げを目指すとした。同社では05年の有機EL市場を2200億円と見積もっており、そのうちの3割程度を狙うことになる。今年中にも、まず携帯電話用など小型のものから量産をはじめるといい、その上で、徐々に大型化を図っていく計画も発表された。また青紫色レーザーでは、05年までに100億円の投資を行い、06年度売上げ150億円を目指すという。

まとめとして桑野社長は、「『高付加価値商品の創出』『新しいビジネスモデルへの挑戦』などを通し、『製造業から創造業へ』の脱皮をはかっていく」と宣言した。

なお、同会見で行われた、同社マルチメディアカンパニー副社長の佐藤義憲氏による発表は別項でくわしくお伝えする。(Phile-web編集部)

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